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エディ・キャンベルが綴る、コーチェラのロードトリップ日記。

  • 2016.6.28
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くりくりした愛らしい目が特徴のイギリス出身のモデル、エディ・キャンベル。抜群のジョークのセンスを持ち、シャネルからバーバリに至るまで数々のランウェイの常連である彼女は、余暇の時間に愛馬のドリーを乗りこなし、レースにも参加するとってもアクティブなモデル。そんな私達を虜にするエディが、生まれ故郷のイギリスからボーイフレンドのオティス・フェリーと一緒にカリフォルニアでのロードトリップに初挑戦。彼女が体験したアドベンチャーをエディが綴ってくれた。

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Photo: Courtesy of Edie Campbell

ウーバーを使って行ける唯一のフェスがコーチェラであったとしても、プロの真剣なジャーナリストとして、私とボーイフレンドのオティスの最初の仕事は、ミドルクラスのアメリカ製のオープンカーをレンタルすること。本当はシボレーがよかったんだけど、カリフォルニアは干ばつがひどい場所。シボレーで乗り込んだらどんな結末が待っているか簡単に予想できたわ。それから食べ物の準備。長い旅の間に、インアンドアウトのハンバーガーがおいしいっていうことを発見したの。赤いレンタカーの中でマドンナの「ラッキースター」をかけてバーガーを食べながら、自分の人生に満足していたの。でもそれもオティスが私のTシャツの上にケチャップをこぼすまで。そこで夢のような時間は終わり。自分がハイウェイの脇でシミの付いたTシャツを着てファーストフードをがっついてるってことに気がついたの。

Photo: Courtesy of Edie Campbell

まぁ、とにかくこれがカリフォルニアについての感想よ。「カリフォルニアはその悪名通り、身体に心地いい場所」ってこと。イギリスのフェスでは、肌が色白で斑点やくぼみが多いほど、クールだとされるの。これは明らかにコーチェラには当てはまらなくて、全身日焼けスプレーで肌をこんがり小麦色にしようか、フラワークラウンを頭に被ろうか真剣に悩んだわ。でもすべてを拒否しようと決めた。ただ、酔っぱらった男性をこんなにフェスで見たことはないわ。彼らは踊ってさえもいないの。ただ筋肉を動かしているだけ。割れた腹筋が汗でギラギラしていて、酔っぱらったショーに出てくる馬みたいだったわ。

食べ物については、とってもゴージャスなものを期待してたんだけど、ミュージックフェスに寿司? 冗談でしょ(笑)? 産地直送、植物性、ビーガン、グルテンフリー、砂糖フリー、乳製品フリー、アジア料理にアメリカンフード、シーズンもの、職人技の手の込んだものやクラシックな伝統料理なんかの屋台がフェス会場を埋め尽くしているの。それから冷たいモヒート。何がうっとうしいかって、ケール入りのギンギンに冷えたモヒートを買ったら、決められた場所でしか飲むことができないってことよ。ラ・キンタと呼ばれる街では忘れられない経験もしたわ。オティスは破裂したような、半分食べられているようなバーガーをオーダーしたんだけど、それがとっても行儀よくお皿に盛られていたの。私はサラダをオーダーしたら、なぜかケーキと一緒で出てきたわ(笑)。

Photo: Courtesy of Edie Campbell

話をコーチェラに戻して。多分私が見た中で一番ゴージャスな音楽フェスがコーチェラよ。キャンプ場にはエアコンのついたトイレがあって、ランドリーのサービスもあるの。フェスに行く理由は、毎日の洗濯から逃れるためだって思っていたけど、間違ってたみたい。グラストンベリーと違って、本当に清潔なの。泥なんかもなくて、くぼみも少ないわ。マリファナを吸っている人もいなかったし、泥水で遊んでいる人もいなかった。それから寝ぼけておしっこをしている人だっていなかったのよ。何が入っているかわからないコップをいきなり投げつけてくる人もゼロ。フェス会場は本当に暑かったわ。たくさんのファンの前に立って汗が自然に引くのを待っているところよ。

Photo: Courtesy of Edie Campbell

コーチェラの後、オティスと私はLAまで戻ることにしたの。既に言ったことだけど、ここでもう一回言うわね。「アメリカでドライブするのは大好き。360度の角度で空を見上げることができるから」。現金を握りしめてガソリンと冷たいブラッディーマリーを求めて走りたい気分だった。途中でちょっと不思議な雰囲気の大きなアウトレットモールがあって、オティスに車を止めるように頼んだの。砂漠の真ん中ではツアーバスが海外からの旅行者の荷物を降ろしているところで、流れるカントリーミュージックに合わせて旅行客の買い物をアシストしていたわ。ここで70ドルのプラダのスカートを見つけたの。意気揚々としながら、私は冷たいアイスコーヒーとカントリーミュージックを堪能。

Photo: Courtesy of Edie Campbell

でも、ここでもハッピーな時間は長くは続かなかったの。LAの街をドライブするのが楽しいのは渋滞に出くわすまでよ。交差点では左折しなくちゃいけないのに、たくさんの車が猛スピードで直進して来るの。メルローズの交差点で死ぬんじゃないかと思ったくらい。神経を落ち着かせてじっと交差点で我慢して座ってなくちゃならないのよ。小さなオープンカーは、デイビッド・アッテンボローのナレーションに合わせてギラギラ燃える滑走路の上をノロノ歩くナメクジ、もしくはカモメに食べられちゃう前になんとか水の中に逃げようとしている亀の赤ちゃんみたいだったわ。アメリカで左折するのが本当に大嫌い! デレク・ズーランダーに何が起こったのかわかったわ。きっと彼もオシャレなバレーガールズ達と車に乗っていて、交差で立ち往生しちゃったのよ。どうにかこうにか、やっとのことでベニスビーチに到着。

お祝いに海を眺めながら太陽の下でブラッディーマリーを飲んだわ。それからスピリッチュアルな占い師にカードで占ってもらったの。彼女は私に、自分のプライベートな生活を公にし過ぎないよう忠告してくれたわ。きっと今の状態がちょうどいいのね。バイバイ、自由の国アメリカ。家に帰る時間よ。帰り支度をしながら、どうして私は窮屈でじめじめした、灰色の空に覆われたイギリスに住んでるのかしらって思ったわ。こんなにステキなカリフォルニアが世の中には存在するのに!

TEXT:EDIE CAMPBELL TRANSLATION:TIMMY

参照元:VOGUE GIRL