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【近藤真彦さん・61歳】「“マッチ” “ギンギラギン”と言われるのがイヤな時期もあったけど今は大歓迎!」

  • 2025.11.6

【近藤真彦さん・61歳】「“マッチ” “ギンギラギン”と言われるのがイヤな時期もあったけど今は大歓迎!」

デビューして45年。コンサートは超満員、34年ぶりの主演舞台も大盛況。60代の今もファンを惹きつけてやまない、スーパーアイドル“マッチ”。その輝きの源とプライベートな素顔、そして、「これから」を深掘り!

プロフィール
近藤真彦さん

こんどう・まさひこ●1964年、神奈川県生まれ。
79年「3年B組金八先生」で俳優デビュー。
80年に「スニーカーぶる~す」で歌手デビューし「ギンギラギンにさりげなく」「ハイティーン・ブギ」などヒット曲を連発。
87年「愚か者」で日本レコード大賞を受賞。
レーサーとしても活躍し、KONDO RACING TEAM監督、オーナーを務める。
現在は全国ライブツアー中。
12月にはディナーショーを行うほか、主演舞台『ギンギラ学園物語』が始まる。

ファンのみんなを10代、20代の頃に戻すのが目的。僕自身もね

「僕らが子どもの頃の還暦って、すごいおじいちゃんだったけど、今はぜんぜん違うよね」

そう語って、カメラの前で軽快に動き、次々とポーズを決める。はにかんだ笑顔は、10代の“マッチ”の面影を残す。

80年代のスーパーアイドル、近藤真彦さんも、今や60代だ。長く所属した事務所から4年前に独立し、全国ツアーに舞台にとエネルギッシュに活動している。昨年7月には武道館で還暦の誕生日コンサートを開き、1万人のファンを前に代表曲「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」など28曲を熱唱した。

「僕のファンの人たちも50代、60代になり、子どもの手が離れて時間の余裕ができたみたい。全国どこの会場に行っても大盛り上がりで、喜んでくれる。きっとみんな、コンサート会場に入った瞬間、10代、20代に戻るんでしょうね。懐かしさで泣いちゃう人もいて。そういう姿を見ると僕も感動しますよ」

コンサートの2時間、集中力は若い頃より今のほうがある

1万人のファンの視線がマッチ一人に注がれる。若い頃には当たり前だった光景が、今は「自分はすごいことをしている」と深い感慨を覚えるという。

「絶対に満足してもらえるステージにしなきゃというプロ意識は、若い頃よりむしろ高くなっていると思う。僕は毎回、どんな小さな会場でも、今日ここに来てくれたお客さん全員が、来年も来たいと思ってくれるようなステージを心がけています」

そのためには、体も声も万全に整えておく必要がある。年齢なりに、体力の衰えを感じることはないのだろうか?

「ステージに立つ2時間あまりは、1曲1曲集中しているし、お客さんのリアクションもあるからまったく疲れない。年齢を感じるのは、そのあとです。疲れ切って家に帰ると、バタンと即寝して、10時間以上眠っています。翌朝、僕がぼやんとした顔で起きてくると、うちの奥さんが、はーっとため息をついて、『昨日、武道館で歌っていた人はどこにいるの?』って(笑)。別人らしいです」

オフの日はたっぷり寝ることが健康の秘訣なのだろう。

「あと、僕は意外に少食。夜はお酒を飲むから、つまみや刺し身などおかずだけ食べて、炭水化物はほぼ口にしない。節制しているわけではなく、それでおなかいっぱいなんです。その代わり、朝起きるとおなかぺこぺこだから、朝ご飯はしっかり食べます。息子の弁当のおかずの残りと納豆が定番。50歳の頃から自然にこういう食生活になったのが健康にいいのかもしれませんね」

過酷なレースの世界に負けじ魂が刺激され

歌手としてトップを極めた20代の頃、近藤さんは自動車レースの世界に挑む。

「芸能界とは違うところでヒーローになりたかったのかなぁ」と当時を振り返る。

「でもそれは甘い考えだった。レースは想像以上にプロフェッショナルなスポーツ。へたくそな新人の僕は、いつもボコボコに負けて……」

それでもレースに魅了され、のめり込んでいった。

「レースは、タイム、順位、賞金、契約金、すべて数字がはっきりしていて。何秒タイムを縮めれば契約金が上がる、という世界。その明快さが魅力だった」

レーサーとして、全日本GT選手権で優勝するなど実績を積み上げ、2000年以降は自身のレーシングチームを作り、オーナー兼監督を務めている。

「どんなレースもスタートラインに立つまでが大変。優秀なドライバーとメカニックを集めて、1〜2年かけて準備する。で、いざレースで走って、いいところまでいっても、一瞬のクラッシュでリタイア、なんてこともあるんです。いやぁ落ち込みますよ。でもこういう過酷な勝負の世界に身を置くと、大きなストレスを感じても自分の中で消化する力がつくのかな。落ち込んでも引きずらない。翌日には次にやるべきことを考えていますね」

芸能界とレース界、2つの世界で葛藤し、ひたむきに進んできた。そのすべての経験が、60代の今も「かっこいい」マッチにつながっているのだろう。

“マッチ” “ギンギラギン”と言われるのがイヤな時期もあったけど、今は大歓迎

「60歳を超えると、なんか吹っ切れてラクになりました。僕はアイドルと呼ばれた10代の頃からずっと、かっこよくいなきゃ、というのがあって、努力もしてきた。そういう重荷を下ろせたというか。たとえばね、『マッチ、最近シワが増えたんじゃないの?』という声が聞こえてきたとしても、『増えたんですよ、僕も60代なんで』と笑って言える。そんな感覚」

そして、こうつけ加えた。

「30〜40代の頃は“マッチ” “ギンギラギン”とか言われると、ちょっとムッとしたんです。いや、わたくし、大人の歌も歌ってますよ、と(笑)。でも今は大歓迎。マッチという愛称やノリのいい代表曲のおかげでコンサートも盛り上がる。いい曲に恵まれたと感謝しています」

学ラン姿で高校生に。昭和の歌謡コントを復活

ひと皮むけた60代のマッチが、高校生“根性真彦”に扮するのが、舞台『ギンギラ学園物語』。昨年好評を博し、この年末年始に再演される。

「昔、僕も出演していた『カックラキン大放送‼』とか歌謡コントがあったでしょ。あれを再現したくて、放送作家の鈴木おさむさんに脚本を書いてもらいました。僕が学ラン着て、カツラつけて17歳になっちゃうところがコントの面白さだよね」

17歳の頃と今のマッチ、変わらないところはと問うと––––。

「自分じゃわからないけど、友達や奥さんには、いつまでたっても幼いね、とよく言われます。川に遊びに行ったりすると、子どもと一緒にエビ捕りに夢中になったりするから。そういうときは完全に小・中学生に戻っている、年を忘れてるね(笑)」

やんちゃな“少年っぽさ”を宿したままのマッチだからこそ、コンサートや舞台を観るファンもスッと10代に戻れるのだろう。

「今はお客さんの前で歌って、お芝居しているときが本当に楽しい。ただ、10年後も全国を飛び回ってコンサートができるか、と考えちゃうのが60代」

そして、こんな夢を口にする。

「いつか、古民家を買って改造し、畑で野菜を作って、田舎暮らしをするのが憧れ。それを周りのみんなに話してみたら、『きっと3日で帰ってくるよ』って(笑)。やっぱギンギラしてない生活は僕には無理なのかもね」

【Information】『Thank you very マッチde SHOWギンギラ学園物語 新春! 再びマッチでーす!』

マッチ演じる17歳の高校生・根性真彦が、クラスメートとともにアイドルを目指すコメディ。教師役に関根勤、小堺一機、クラスメート役に川﨑麻世、浅香唯など80年代アイドルが顔をそろえ、昭和の歌謡コントさながらのお芝居を展開。卒業祭と題した第2幕は、歌のショータイム。マッチのヒット曲の数々を本人と共演者が熱唱する。

●構成・脚本/鈴木おさむ
●演出・主演/近藤真彦
●出演/原田伸郎、関根 勤、小堺一機、川﨑麻世、中村繁之、松居直美、松本明子、西村知美、浅香 唯、西田ひかる、ダイノジ、友近、野村義男
●公演日程/12月30日(火)、2026年1月2日(金)~4日(日)
●会場/明治座

撮影/山田崇博
スタイリング/石川英二
ヘア&メイク/GONTA
取材・文/村瀬素子

※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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