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まるで宝石箱みたい。仙台「森の香本舗」で見つけた、美しい干菓子の詰め合わせ

  • 2016.5.27
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杜の都・仙台にある和菓子店「森の香本舗」(もりのかほんぽ)。元グラフィックデザイナーの店主が紡ぎ出す、季節感あふれる洗練された生菓子や干菓子が評判です。観光名所「瑞鳳殿」からも近いので、旅の途中に立ち寄ってみませんか。

ガラスケースの中で輝く季節の和菓子

地下鉄大町西公園駅から徒歩約4分。市街中心部から少し離れた、静かな住宅街の中に「森の香本舗」はあります。白の吹きつけコンクリートの外観に柳の枝がしなだれ、紺色ののれんがはためく、風情あるたたずまいが目を引きます。

店内は黒が基調のシンプルモダンな空間。ガラスケースの中には、四季の移ろいを表現した上生菓子、芸術品のように美しい干菓子などが並び、思わずため息が漏れてしまいます。

現在の店主、2代目・道川正貴さんは、京都で修業を積む前、グラフィックデザインの仕事をしていたという珍しい経歴の持ち主。京菓子の伝統を踏まえつつ洗練された和菓子は全国でも名高く、一部は伊勢丹新宿店などでも販売されています。

花鳥風月を自在に表現した生菓子

まずは、人気の上生菓子をチェック。常時6種類が並び、ラインアップは1~2か月ごと、季節に合わせて数種類ずつ入れ替わります。

春~初夏のおすすめは「卯の花」(345円)。枝先に多くの白い花を咲かせる「卯の花」を、長いもの一種、つくねいものきんとんで作り上げました。粘りが強いつくねいもは、青葉の季節の“生命力”を表現するのにぴったりなのだそう。いも本来のやさしい甘さとねっとりとした食感が、包まれたつぶ餡の力強さに寄り添います。表面には青と緑の羊羹をちりばめ、青空と若葉を表現。爽やかな季節に咲く花の真白さをぐっと際立たせています。

茶一色のモダンな外見が印象的な「ローマ」(302円)は、毎年、初夏と秋口に登場する上生菓子。側面の波模様は、ローマの神殿の円柱をイメージしています。仙台が日韓ワールドカップでイタリアのキャンプ地となった際、お茶会で提供したところ、現地の方が気に入り「ローマ」と名付けてくれたのだそう。ていねいに裏ごしされたくるみのコクと、葛のなめらかさが後を引くおいしさです。

まるで宝石箱!干菓子の詰め合わせ

上生菓子のほか、季節をさまざまなモチーフで表現しているのが、常時25~30種類ほどがそろう干菓子です。

四季の花木や生き物、歳時記を、砂糖、飴、餡などさまざまな素材で細やかに表現し、食べるのがもったいないほどの美しさ。ひとつひとつ自らラフスケッチを描くのだといい、モチーフ選びや色彩などの各所に、元グラフィックデザイナーのセンスが光っています。見た目も楽しく、お茶請けにもぴったりなので、ちょっとしたお礼の品や手みやげにも喜ばれますよ。

オリジナリティあふれる定番和菓子

通年で購入できる定番のお菓子にも、ファンが多い人気商品がそろいます。

繊細な食感のおせんべいで梅味、味噌味の餡をはさんだ「ほほえみ」(8枚入り1404円)。白いおせんべいは“お福さん”をイメージしており、紅をひきほほえんだ唇を、ピンクの一筆で表現しています。梅の木にうぐいすが止まったかわいらしいイラストは、道川さんが描いたものなんですよ。

「空豆」(10個入り540円)は、“運気上昇の穀物”といわれる空豆を、すはま粉や餅粉に米飴、砂糖を練りこんだ生地でかたち作り、きな粉をたっぷりとまぶした半生菓子。もちっ、しゃりっとした食感と上品な甘さがクセになります。

繊細な技と表現力で、巧みに四季を描いた和菓子がそろう「森の香本舗」。ケヤキ並木の緑がみずみずしく輝き、仙台観光にはぴったりの季節、ぜひ訪れてみてください。

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