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体脂肪1kg減らすには7,200kcalの消費が必要!最速で正しく体脂肪率を下げる方法を医師が解説

  • 2025.10.16

体脂肪を減らしたいけど、何から始めればいいのか?リバウンドはしたくないし、安心・安全に、できれば最速で体脂肪率を下げたい!

体脂肪率を下げる近道はあるのでしょうか?医学博士・美容外科専門医、SOグレイスクリニック院長・近藤 惣一郎先生に伺いました。

体脂肪率を下げる近道はありますか?

近藤先生「まず、体脂肪を1kg減らすには約7,200kcalを消費する必要があります。ただし、体重が1kg減ったからといって、体脂肪が1kg減るとは限りません。筋肉が減る可能性もあるからです。また、無理な食事制限はリバウンドを起こします。

最速で正しく体脂肪率を下げるには、中長期的な期間設定と、段階的に体脂肪を減らしていくことが、最終的には一番の近道になります。

まずは体脂肪率と体脂肪の違いについて、正しく理解することが大切です。そのうえで、食事・運動・生活習慣を調整して、効率的に体脂肪率を下げていきましょう」

体脂肪率とは?目標にする体脂肪率の目安

体脂肪率は、健康的に脂肪を減らすうえで必要な指標です。どのくらい脂肪があるかを数値で把握することで、ダイエットの方向性が明確になります。

体脂肪率を把握するメリットと測り方

体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合を示す数値です。体重の変化だけでは分からない「体の中身」を知ることができます。

■メリット

・体にどれだけ脂肪があるかを把握できる
・体重だけでは分からない健康状態を数値化できる
・生活習慣病のリスクを早期に把握できる

■測り方

・計算式「体脂肪量 ÷ 体重 ×100」で算出
・体重60kgで体脂肪量15kgなら「25%」
・体脂肪計は朝起きてトイレ後など条件をそろえて測定する
・家庭用体組成計は機種によって誤差があるため、数値よりも「変化の傾向」を見る

体脂肪率の目安と健康ライン|男女別の基準値

体脂肪率の基準を知ることで、健康的な範囲とリスクを把握できます。性別によって理想的な体脂肪率は異なりますが、下の表が目安となります。

性別 標準 軽度肥満 肥満 男性 10〜19% 20〜24% 25%以上 女性 20〜29% 30〜34% 35%以上

■体脂肪率の基準

・男性25%以上、女性30〜35%以上で肥満と判定されることが多い
・体脂肪率が低すぎると、ホルモンバランスや免疫力の低下を招くおそれがある
・同じ体重でも筋肉量が少ないと体脂肪率が高く出る傾向がある

■目標にする体脂肪率の目安

体脂肪率の目標は、標準値の上限からおよそ2%下を目安に設定するとよいです。男性なら17%前後、女性なら27%前後が健康的に目指せるラインです。

 

次:体脂肪には2種類ある|内臓脂肪と皮下脂肪の違い

体脂肪には2種類ある|内臓脂肪と皮下脂肪の違い

体脂肪には、身体のどこに蓄積されるかによって2種類あります。それぞれの特徴を知ることで、どのように減らせばよいかが見えてきます。

内臓脂肪?皮下脂肪?チェック方法

自分が「内臓脂肪タイプ」か「皮下脂肪タイプ」かを簡単にチェックしてみましょう。

お腹のお肉が柔らかく、しっかりつまめる場合は皮下脂肪の傾向が強いです。反対に、硬く張っていてつまみにくい場合は、内臓脂肪が多い可能性があります。あくまで目安ですが、日常の体型チェックとして参考になります。

チェック項目 内臓脂肪タイプ 皮下脂肪タイプ お腹まわり 硬くて張っている 柔らかくつまめる 体型 りんご型(お腹中心に脂肪) 洋なし型(下半身中心に脂肪) 性別傾向 男性に多い 女性に多い 主な原因 食べすぎ・飲みすぎ・運動不足 冷え・運動不足・ホルモンバランス

家庭用体組成計の中には、「内臓脂肪レベル」を表示する機能があるものもあります。その場合は、レベル10以上が「高め」とされることが多く、食事と運動の改善が推奨されます。

内臓脂肪の特徴と減らし方|代謝リスクを下げる

内臓脂肪は、お腹の奥にある臓器のまわりにつく脂肪です。男性に多く見られ、短期間で増えやすい反面、減らしやすいという特徴があります。

原因はエネルギーの過剰摂取やアルコール、夜遅い食事などがあげられます。蓄積しすぎると、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病リスクが高まると報告されています。

■内臓脂肪の減らし方

・食事は脂質と糖質を控えめにし、間食を減らす
・ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を1回20〜30分、週150分以上続ける
・アルコールは週2日の休肝日をつくり、飲みすぎを避けましょう

内臓脂肪を最速で落とす方法|原因・食事・筋トレ・サプリまで解説【医師監修】

皮下脂肪の特徴と減らし方|見た目を引き締めるコツ

皮下脂肪は、皮膚のすぐ下に蓄積する脂肪で、お尻や太もも、二の腕など下半身を中心につきやすい特徴があります。特に女性に多く、ホルモンの影響や冷え、運動不足などが蓄積の原因といわれています。

内臓脂肪に比べると、減りにくく時間がかかりますが、継続的な運動と生活習慣の改善によって徐々に減らすことが可能です。脂肪を落とすよりも「燃えやすい体をつくる」意識で取り組むことが大切です。

■皮下脂肪の減らし方

・下半身の筋肉(大腿四頭筋や臀筋)を鍛える筋トレを週2〜3回行う
・ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を1日20〜30分
・体を冷やさないようにして血流を促進し、代謝を高める

皮下脂肪を最速で落とす方法|原因・デメリット・筋トレ・食事法まで徹底解説【医師監修】

次:脂肪を減らす「カロリー消費の仕組み」

脂肪を減らす「カロリー消費の仕組み」

体脂肪のこと、どこまで知っていますか?体脂肪を「最速で」「正しく」落とすなら、カロリー消費の仕組みについて理解しておきましょう。

体脂肪1kg減らすには、7,200kcalの消費が必要

まず知っておきたいのは、体脂肪を1kg減らすには、約7,200kcalのエネルギーを消費する必要があるということ。これは体脂肪1gあたり約9kcalに換算されることから導き出された目安です。

しかし、実際の減量では水分量や筋肉量の変化も関係するため、単純に「7,200kcal=体脂肪1kg」とは限りません。あくまでも「7,200kcal以上の消費が必要」だという目安としてとらえましょう。

体脂肪1kg減=体脂肪率1%減ではない

体脂肪率は「体脂肪量 ÷ 体重 ×100」で決まるため、体脂肪を1kg減らしても、体脂肪率が必ず1%下がるとは限りません。体重や筋肉量が変動すると割合が変わるため、人によって数値の動きが異なります。

たとえば体重60kg・体脂肪率25%(体脂肪量15kg)の人が、体脂肪を1kg減らして体重59kgになった場合、計算式は「14 ÷ 59 ×100 = 約23.7%」。

つまり、体脂肪1kgの減少で1.3%下がることもあれば、筋肉量が減るとこの変化が小さくなることもあります。

体脂肪率を正しく下げるには、筋肉を維持したまま脂肪を減らすことが大切です。有酸素運動だけでなく、筋トレや高タンパクな食事を組み合わせて行いましょう。

腹筋が割れる体脂肪率は何%?男女別の目標値と落とし方

体脂肪を減らすには「アンダーカロリー状態を作る」

体脂肪を減らすには、「摂取カロリーより消費カロリーを下げる」=アンダーカロリー状態を継続することが重要です。体は足りないエネルギーを脂肪から補おうとするため、継続的なエネルギー赤字をつくることで脂肪が燃焼していきます。

まずは1日の消費カロリーを知る

消費カロリー(TDEE:Total Daily Energy Expenditure)は、基礎代謝に生活や運動の活動量を加えたものです。簡易的には「体重(kg)×30〜35」でおおよその1日の消費カロリーを求められます。

例)体重60kgの場合

軽めの活動(デスクワーク中心) → 約1,800kcal
普通の活動(通勤+軽い運動) → 約2,000kcal
活発な活動(運動習慣あり) → 約2,300〜2,400kcal

1日の摂取カロリー目安

アンダーカロリーは「消費より−300〜−500kcal」が目安です。無理な制限をせず、1か月で体重の2〜3%減を目標にします。

活動レベル 消費カロリー 摂取目安(−500kcal) 軽め(デスクワーク中心) 約1,800kcal 約1,300kcal 普通(軽い運動あり) 約2,000kcal 約1,500kcal 活発(運動習慣あり) 約2,400kcal 約1,900kcal

※極端に減らすと筋肉が落ち、基礎代謝が下がるため注意。

アンダーカロリーを作る2つの方法

アンダーカロリー状態を作るには、2つのやり方があります。それぞれ解説します。

食事で「摂取カロリーを減らす」

1食あたりのカロリーを意識して、無理なくバランスを取ったメニューに置き換えます。

食事 メニュー例 目安カロリー 朝食 オートミール+ゆで卵+無糖ヨーグルト 約350kcal 昼食 雑穀ご飯+鶏むね肉のグリル+野菜スープ 約500kcal 夕食 豆腐ハンバーグ+温野菜+味噌汁+ごはん少なめ 約450kcal 間食 素焼きナッツ・プロテインドリンク 約150kcal

合計:約1,450kcal(消費2,000kcalの人なら−550kcal)

■ポイント

・「減らす」より「置き換える」を意識(例:白米→雑穀米、揚げ物→焼き魚)
・たんぱく質(肉・魚・卵・豆製品)を毎食入れると、筋肉量を保てます
・飲み物は水、お茶、無糖コーヒーでカロリーを抑えます

運動で「消費カロリーを増やす」

食事だけでなく、運動での消費を加えるとアンダーカロリーを作りやすくなります。

運動内容 時間 消費カロリー

(体重60kgの場合) ウォーキング(やや早歩き) 30分 約120kcal ジョギング(軽め) 30分 約200kcal 自重筋トレ(スクワット・プランクなど) 30分 約100kcal

食事+運動で、1日−600kcalのアンダーカロリーを実現

例えば、食事−400kcal+運動−200kcal=1日−600kcalのアンダーカロリーを実現できます。これを2週間続けると、「600kcal×14日=約8,400kcal」=体脂肪約1kg分に相当します。

お酒を飲む人はどうすればいい?

短期の禁酒で体脂肪率を一気に下げるのも効果的ですが、リバウンドしやすい傾向があります。

理想は、週2日の休肝日を設けながら、アンダーカロリーを長期的にキープする方法。飲む日は糖質を控えめにして、翌日に軽い運動をプラスしましょう。

筋トレ中のアルコール攻略法|効果を下げない飲み方・タイミング完全ガイド

体脂肪率を下げるペースは「速すぎてもNG」

健康的に体脂肪率を下げるためには、「ゆるやかに」「筋肉を落とさず」に進めることが大切です。急激に体脂肪を減らすと、筋肉量まで落ちて基礎代謝が下がり、リバウンドの原因になります。

体脂肪率を下げる理想的なペース

・1週間に体重の0.5〜1%減
・1か月で体脂肪率0.5〜2%減

体重60kg・体脂肪率25%の人の場合

・1か月で体重0.6〜1.2kg減
・体脂肪率は約0.5〜1.5%減

このくらいのペースを目指すと、筋肉を保ちながら脂肪だけを落としやすくなります。

体脂肪率の変化、いつ頃出る?

体脂肪率の変化は、体重よりも少し遅れて現れます。一般的には、2〜3週間で体重の変化を実感し、1〜2か月で体脂肪率の変化を数値で感じ始める人が多いです。

初期のうちは体内の水分変動が大きく、数字が安定しにくいですが、継続してアンダーカロリーと運動を続ければ、次のような流れで結果が出てくることが多いです。

3週間:見た目の変化(ウエスト・顔まわり)
6週間:体脂肪率の数値変化(−1〜2%)
8〜12週間:見た目・体脂肪率ともに明確な変化

体脂肪率を減らしたい時によくでる質問(Q&A)

体脂肪率を下げるための基本や正しい方法はわかっても、「どのくらいで効果が出る?」「毎日測るべき?」など、実際に取り組むと気になる疑問は多いものです。知っておきたいポイントをQ&A形式で紹介します。

Q:体脂肪率を下げるのに最も効果的な方法は?

A:アンダーカロリー(消費>摂取)を維持することが基本です。摂取カロリーを少し減らし、筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、脂肪を効率よく燃焼できます。

Q:どれくらいの期間で体脂肪率が下がりますか?

A:早い人では2〜3週間で見た目に変化が出始め、1〜2か月で数値の変化を感じる人が多いです。無理せず、1か月あたり0.5〜2%減を目安にしましょう。

Q:食事制限だけでも体脂肪率は下がりますか?

A:下がりますが、筋肉量も減って代謝が落ちるためおすすめしません。食事制限と軽い運動を組み合わせることで、リバウンドしにくい体を作れます。

Q:毎日体脂肪率を測ったほうがいい?

A:毎日測っても構いませんが、水分や食事で数値が変動します。同じ条件(朝・空腹・トイレ後)で測り、1〜2週間単位の変化を見るのがおすすめです。

【16分で600kcal消費】効率的に体脂肪を減らすならHIITトレーニング!

参考:
タニタ「体組成計 内臓脂肪レベル評価基準」
厚生労働省「特定健診・特定保健指導」
国立健康・栄養研究所「生活習慣病予防のための身体活動指針」
日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
WHO「身体活動ガイドライン 2020」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

監修者プロフィール

美容外科 SO グレイスクリニック院長 近藤惣一郎

医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/

<Edit:編集部>

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