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東大生の挫折から学ぶ!子どもの自主性を潰すバカ親とは?【ホリエモンのネオ教育論】

  • 2025.10.13

東大生の挫折から学ぶ!子どもの自主性を潰すバカ親とは?【ホリエモンのネオ教育論】

「教育」や「子育て」にまつわる悩みは、世代を超えて尽きないもの。そんなテーマに、ホリエモンが一石を投じました。堀江貴文さんの新刊『バカ親につけるクスリ』から、抜粋してお届けします。第5回は、親が子どもにできるただひとつのこととは?

過保護・過干渉で子どもを殺すバカ親

子どもに失敗をさせたくないからと、子どもに過保護・過干渉になる親は、以前からいたし、最近は少子化のあおりもあって特に増えてきている。

僕が最初の会社を興して順調に成長していたとき、有望な若者がバイトとして入ってき た。灘中高出身の東大生で、驚異的な速さでITのスキルを伸ばしていった。社員として 働いてくれたら、1億円の売上が立つ。そう言って励ますと、彼はがぜんやる気になって、大学を中退して入社したいと申し出てきた。僕としては大歓迎だった。

ところが、彼の母親がオフィスに怒鳴り込んできたのだ。「こんな会社に入れるために、 うちの子は東大に入ったわけじゃない!」と、わめき散らした。呆然とするしかなかった。スタッフがなんとかなだめて、母親には引き取ってもらった。

それがきっかけで東大の彼は意気消沈して、バイトを辞めてしまった。

直後に会社は上場して、僕たちはIT界の旗手となった。もし入社していたら、収入的 にも将来的にも、彼の人生はすごく面白いものになっていたはずだ。

母親の言い放った「こんな会社」が、一般的な親たちの考え方を象徴している。

じゃあ、どんな会社だったらいいのか? 名の知れた老舗の大企業に息子が就職すれば、 東大に入れた苦労が報われるというのだろうか。報われるかどうかは子どもが決めることなのに、勝手な決めつけで、子どもの選択を操作するのは最悪だ。この母親は、思い込みを押しつける上に過干渉だった。

「大企業なら安泰」という古い価値観にこだわっているような親には、決して従っては ならない。東大生のバイトの彼は、今でも後悔しているんじゃないだろうか。

親の思考は、だいたい20年ほど前の「常識」でつくられたものだ。今の社会に通用するわけがない。世間は厳しいぞ!などと言うけれど、これから訪れる「未知の世間」を親が理解しているわけではない。

「未知の世間」の当事者は、むしろ子どものほうなのだ。「今」を生きていく子どもが、「今」の情報と感情を、最優先にして生きていくべきだ。

親の命令に従って成功できたビジネスマンを、僕は知らない。

過保護な親も多い。子どもの行動を先回りしてあれこれ世話を焼く様子から「ヘリコプターペアレント」とも呼ばれる。過保護な親のもとで育つ子は、自分の要望ややりたいことがわからなくなったり、無気力になったり、リスクを取る行動ができなかったり、打たれ弱かったりする。また大人になっても親元から自立できなくなるケースもある。

親がやることは資金面の支援だけ

未来に向かって育つ子どもたちに、親がしてあげられることは、ただひとつ。無償の支
援だけだ。

ある程度の知能がある子について、親がするべきことはほとんどない。衣食住を満たし、スマホを渡して放置しておいていいくらいだ。あとは資金面での支援だけだ。子どもがやりたいことはやらせ、黙って従う

子どもは、自分からやりたいと言ったことにすぐ飽きるかもしれない。でもそれでいい。向いていない、好きじゃないといったことは、経験してはじめてわかるのだから。

「飽きたからやめる」と言われれば、むっとした気持ちになるかもしれないが、子どもの感性を信じて支援し続けよう。それだけが、親が唯一できることなのだ。

親なら誰だって、子どもには幸せになってほしいと願っている。でも、誤解してはいけ ない。子どもにとっての幸せが何かは、子どもが自分で決めることだ

子どもが確実に幸せになれる方法などないが、子どもが幸せに近づける確率を上げる方 法はある。ひたすら、子どもの自主性を尊重することだ。「やりたいことをやれた」「親が何でもやらせてくれた」という認識を育めた子どもは自己肯定感が高く、幸福な人生を自分のやり方で築いていけるだろう。

子どもがやりたがる挑戦を、何でもやらせよう。ゲームでもダンスでもマンガ制作でも、夢中になっている子どもを邪魔しないであげてほしい。それが20年後、多くの人に喜ばれ子どもの生涯を支える、価値の高い仕事になるかもしれない。

「勉強しなさい!」などと言って、子どもが夢中になっている挑戦を中断させたり、奪ったりしてはいけない。

またしつけの過程で、親が自分たちの理想を押しつけてしまってもいけない。親の理想なんて、子どもにとって害でしかない

素直で、親の言うことを何でも聞いて、与えられた教育しか受けようとしない子どもが 理想だとしたら、とても危険だ。親の理想しか知らない子どもが、より進化した未来の社 会で幸福でいられるだろうか? スマホを禁止する大人に育てられた子どもが、スマホの次のテクノロジーに対応できる知性を養えるだろうか? あやしいと思う。

子どものやりたいことを、好きなだけやらせてあげてほしい。飽きたり挫折したりを繰り返すうちに、自分に最適な幸福を、勝手に見つけていくだろう。

※この記事は『バカ親につけるクスリ』堀江貴文著(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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