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長く歩いても疲れにくい【靴の選び方】とは? 正しい靴の履き方をプロが伝授!

  • 2025.10.11

長く歩いても疲れにくい【靴の選び方】とは? 正しい靴の履き方をプロが伝授!

加齢による足の衰えは仕方ないと諦めていませんか? やりたいことが尽きないゆうゆう世代。存分に楽しむために足の健康は維持したいものです。長く、軽快に歩き続けるためのポイントや足の変化を補うアイテムの見つけ方を紹介します。

お話を伺ったのは
林 達夫さん
はやし・たつお●アキレス(株)お客様相談室。
足と靴と健康協議会認定 バチェラー(上級)シューフィッター。

松浦明広さん
まつうら・あきひろ●三進興産(株) シューフィッター。
フットコントロールトレーナー。

足に合う靴を選べば歩行パフォーマンスは上がる

長く歩いたときの足の痛みや足の変化……。アキレス㈱ バチェラー シューフィッターの林達夫さん、三進興産㈱ シューフィッターの松浦明広さんによると、ゆうゆう世代の場合、加齢に伴う足の変化が考えられるそうだ。

「足には3つのアーチがあります。足裏にかかる負担をやわらげて歩行を推進する役割がありますが、加齢により筋力が衰えるとアーチは崩れて下がります。さらに足裏の脂肪層も薄くなるので、痛みが出やすくなります」(林さん)

アーチの変形を防ぐためには、アイテム選びが大切だという。

「靴が足にぴったりフィットしていると正しく歩けるようになります。トラブル回避はもちろん、疲れにくい、歩幅が広がる、早く歩けるなど、歩行のパフォーマンスが上がります」(松浦さん)

内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ。この3点で形成されたドームが歩行の衝撃を緩和し、リズミカルに踏み出す力、倒れない安定性をもたらす。

POINT① 「靴がきつくなった」「足裏のたこ」は、開帳足のサインかも!?

「今まで履いていた靴がきついなどの違和感があると、むくみを疑いますよね。ゆうゆう世代の場合、それはアーチが下がって開帳足という横に広がった状態かもしれません。親指や小指の外側が下がって外くるぶしの下側が靴にあたりやすくなるのです。歩くときは本来、親指のつけ根が地面に接触しますが、アーチが下がると中指と人さし指のつけ根あたりが地面につくので、タコができやすくなる点にも要注意です」(林さん)

POINT② 足指が使えているかどうかは靴底の減りを見れば一目瞭然

「親指を中心に足指を使って歩けているかどうかは靴のかかとのすり減り方に表れます。正しい歩行ができている場合、かかとの下側中央から外側がすり減っていきます。かかとの下側全体が減っているなら内また歩き、外側が減っているなら、がにまた歩きをしている証拠。地面をするような状態で歩くので、足指はあまり使われません。下図のように、“かかとの外側から着地して、外側を沿いながら親指の方向へ体重移動をして親指で蹴る”のが正しい歩行です。この歩き方はしっかり足指を使うので、筋力低下を予防しアーチ崩れを防げます」(林さん)

正しい歩き方(重心移動)

POINT③ エクササイズもいいけれど……。靴やインソールがトラブル進行を防ぐ、手軽かつ強い味方に

「床においたタオルを足指全体でつかむエクササイズで足底筋は鍛えられますが、より手軽なのは靴やインソールの見直し。ほんの数ミリ~数センチの凹凸やクッションで足裏をサポートするだけで、アーチを正しい状態に近づけられます。靴自体にインソール機能が備わっているものもありますが、自分に合ったインソールを取り入れるのもおすすめ。足のクセやアーチの状態によって快適さは変わるので、試し履きをしてフィット感を確かめましょう」(松浦さん)

POINT④ 足指がしっかり使える靴選びと「正しく履く」手順をさぼらないで

「靴が足にぴったりフィットしていると、足をしっかり上げる、5本の指を地面につける、という正しい歩き方がしやすくなります。靴を選ぶときは、①靴のかかとが足のかかとに密着して浮かない、②靴の甲が足の甲にフィットして甲がおさえられている、③運動靴なら爪先に約1cmの余裕がある、という3点をチェックしましょう。さらに、正しく履くことがとても重要。ゆるく履く方が多いのですが、靴を擦って歩く原因になってしまいます。ウォーキングやお出かけなどで長く歩く日は、靴を開いてから履き、かかとをフィットさせて靴紐やベルトで甲をしっかりとおさえましょう」(林さん)

正しい靴の履き方 3STEP

①ベルトや紐をゆるめて、履き口を大きく開く。

②つま先をやや上げて、かかとを「トントン」してフィットさせる。

③爪先を上げたまま、紐・ベルトをしっかりと締める。

イラスト/カシワギマリ
取材・文/森山佳織

※この記事は「ゆうゆう」2025年11月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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