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個人同士だから生じる落とし穴も! 流行のフリマアプリで起こりがちなトラブル(法律で切るママトラブル Vol.14)

  • 2016.5.19
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© hikdaigaku86 - Fotolia.com

使ってないけどいらなくなってしまったものや、自分の趣味を活かしたアクセサリーなど、今はフリマアプリを使って、個人同士が手軽に売り買いできるようになりました。

しかし、個人同士の売り買いだからこそ生じる落とし穴も!

今回は、便利で手軽なフリマアプリを上手に活用するために注意すべき点について解説します。

■「ノークレーム・ノーリターン」の品を購入したら、何があっても返品できない?

フリマアプリを使っているときに、「ノークレーム・ノーリターンでお願いします」という注意書きを目にしたことがあるかもしれません。そもそも「ノークレーム・ノーリターン」って何なんでしょうか?

中古品であっても、買うときにはわからなかった欠陥があった場合、買主は売主に対して、返品と引き換えに代金を返すよう求めたり、損害賠償を求めたりすることができます。

ただ、フリマアプリで売られている商品は、中古品も多いので、ちょっとしたキズなんかがある商品もあり、常に新品同様のものを売っているわけではありません。そうなると、中古品の出品者は、常に返品のリスクにさらされてしまいますよね。

こういったリスクを避けるために、売主はあらかじめ「ノークレーム・ノーリターン(苦情や返品お断り)」と表示しておきます。そして、買主が「ノークレーム・ノーリターン」の表示を確認した上で商品を買った場合、買主は、「買うときにわからなかった欠陥があっても、苦情を言ったり返品したりしない」という特約に納得した上で買ったということになります。

そうすると、「ノークレーム・ノーリターン」の商品を買った場合、商品に買うときにはわからなかった欠陥があったとしても、買主は売主に対して、返金や損害賠償を求めることができなくなってしまうのです。

契約の相手である出品者が業者の場合、購入者は、消費者契約法により保護されるので、業者が一切の責任を負わない旨の特約は無効になります。

でも、フリマアプリの場合、出品者は個人である場合が多いでしょう。そうなると、個人である出品者と個人である購入者の間での契約に、消費者契約法の保護は及ばないので、「ノークレーム・ノーリターン」の特約も有効ということになります。

では、「ノークレーム・ノーリターン」の商品を買った場合、何があっても返品できないのかというと、そうではありません。「ノークレーム・ノーリターン」の特約は、出品者が気づいていた欠陥について十分説明をしたことを前提とするものです。なので、出品者が商品の欠陥を隠して十分な説明をしなかった場合には、特約は無効となり、買主は返金等を求めることができます。

■「正規品です」と言って偽のブランド品を売ったら詐欺になる?

「正規品です」と嘘をついて偽物を売ったら、詐欺罪にあたります。

正規品と同等の価格で売った場合はもちろん、正規品にしては異常に安い価格、偽物の原価として妥当な価格で売ったとしても、買主を騙して売っている以上、詐欺罪が成立します。

また、商標登録されているブランドのロゴ等を使って、偽のブランド品を作ったり売ったりした場合には、商標法違反となりますし、不正競争防止法にも反する可能性があります。

さらに、意匠登録されているバッグ等のデザインと同じデザインの偽のバッグを作ったり売ったりした場合には、意匠法違反となります。

■「即購入NG」って有効なの?

即購入NGとは、フリマアプリ「メルカリ」に存在する独自ルールのひとつで、購入前にコメント欄に「購入希望」などの書込みをして、出品者と交渉してから入札するよう求めるものです。

メルカリでは、買主の側にも評価や取引回数が記録されるようになっているので、売主としてもトラブルがないようにより評価の高いお客さんを選んで売りたい、ひとつの商品を他のサイトでも売りに出しているので在庫管理をきちんとしたい、という理由があるようです。

即購入NGは、メルカリの運営会社が定めているルールではなく、売主の都合で勝手に決めているルールなのですが、有効なのでしょうか?

法律の世界には、契約自由の原則というものがあります。これは、契約をする当事者が自由に契約内容を決めてよいというものです。メルカリを使って商品を買う場合も、売買契約当事者は出品者と購入者なので、メルカリの利用規約に反しない限り、当事者同士で契約内容を自由に決めることができます。

メルカリの利用規約には、今のところ(※)「即購入NG」を禁止する規定はありませんので、当事者同士が納得した上で、「即購入NG」というルールを設定すれば、それは有効ということになります。

(※)2016年5月13日時点

■まとめ

業者が売主の場合、買主である個人は、消費者として、消費者契約法等により保護されています。

しかし、フリマアプリを利用して個人同士が売主・買主となる場合、消費者契約法等の買主を保護するルールは適用されません。

ネットを通して商品を買う場合、誰から買うか、業者なのか個人なのか、という点はあまり意識していないかもしれませんが、トラブルになった際の対応が大きく変わってくるので気をつけましょう。

■あとがき

私自身、ネット通販はよく利用します。水やトイレットペーパー、オムツなど、重かったり、かさばったりするものは、ネット通販が便利ですよね。

決まった商品がほしい場合も、最安値はどれかな、なんて検索したりしますが、あまりに安すぎる場合、詐欺やトラブルを警戒して結局買えません。もちろん、安いからといって全部が全部詐欺というわけではないですが、安いからにはそれなりのリスクを考えてしまいます。

唯一、オークションで購入したことがあるのは、ユースケ・サンタマリアの『ピッツバーグ』というCDですね。当時、オークションでしか販売していなかった、懐かしい思い出の品です。

(島田 さくら)

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