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スタン・スミスさん、モデルになった伝説のスニーカーについて教えて下さい。

  • 2016.5.13
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この日の足もとはもちろん、「スタンスミス」。

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誰もが1足は持っているであろうアディダス オリジナルスのスニーカー「スタンスミス」。このモデルのオリジンであり、テニスプレーヤーのスタン・スミスさんは現在、69歳だ。先日来日した際に、VOGUE JAPANは彼をキャッチ! 彼は今現在、何をしていて、途絶える事のないスニーカーの人気に何を思うのか……。 インタビューに続く後半の、「知らなかった」と必ず頷く、スタンスミスにまつわるトリビア5もお見逃しなく!

アディダス オリジナルス(adidas Originals)

が、4/29から10日間にわたり東京・原宿で体験型展覧会「交差点|交差展」を開催した。このイベントに出演するためアメリカから来日したスタン・スミス氏に、現在の生活やスニーカーへの想いなどを伺った。

スタン・スミスさん69歳、現在の生活は-----。「僕のことをスニーカーの中だけの人だと思っている人が多いんだ(笑)」

ーーとても若々しく、活動的に見えて驚きました。

「そうですよ、僕はけっこう若いですよ(笑)。そして現実の世界に存在している人間です。多くの人は、僕のことをスニーカーの中だけの人物だと思っていますが、いまでもこうして元気に生きています」

ーーいまスタン・スミスさんはどんな生活をされているんですか?

「いくつかの仕事をしています。まずひとつは「スタン・スミス・イベント」という会社の経営です。アメリカの企業が、ウインブルドンやUSオープン、オリンピックなどのメジャーな大会に招いたお客様のアテンドをするというものです。また、テニスのアカデミーも持っています。現在では12歳から18歳の子どもたち、全部で50人ほどにテニスを教えています。さらに2011年から「インターナショナル テニス ホール オブ フェイム(国際テニス殿堂)」のプレジデントもつとめ、殿堂入りする選手を選出する仕事もしています。そして、アディダスと一緒に世界中を回りプロモーションをすることも私の仕事です」

ーープライベートでは?

「子供が4人、孫が9人いるので、その子たちとの生活というものもありますし、チャリティのゴルフトーナメントを開催することもあります。また、恵まれない子どもたちへのサポートもしているので、けっこう忙しい生活といえるかもしれませんね。アカデミーの子供たちとやる程度ですが、テニスも楽しんでいますよ」

レジェンドと呼ばれるスニーカーを、どう捉えているのか。

ーーこの靴はギネスブックに載るほど売れた、レジェンドと呼ぶにふさわしいスニーカーなのですが、そこまで人気を博した理由はどこにあると思いますか?

「レス・イズ・モア(少ないことは、より豊かなことである)という言葉がありますが、まさにそれを体現しているところではないでしょうか。シンプルであること、そしてピュアなルックス、かつ洗練されたクラシックなイメージ。カジュアルからフォーマルまでどんな洋服にも似合います。さらに子供からお年寄りまで、男性でも女性でも、誰にでも似合うことも人気の理由でしょう。もともとはテニスシューズとして誕生した靴ですが、いまではテニスから離れたところで盛り上がっているというのは面白いことですね」

——多くのセレブリティとのコラボレーションのなかで、印象に残っているものは?

「文化的に影響力のあるひとたちとのコラボレーションができたことは、スタンスミスに人気が出た大きな理由だと思います。JAY-Z、アッシャー、カニエ・ウエスト、モデルのジゼルや、ヴィクトリア・ベッカム、デザイナーではラフ・シモンズやファレル・ウィリアムス。彼らセレブリティを通じて文化的な広がりが生まれました。ジゼルがパリ版のVogueでヌードにスタンスミスだけを履いたポートレートの撮影を行いましたが、芸術的で美しく、とても印象に残っています」

ーー東京の街にもスタンスミスを履いている多くの人がいますが、その姿を見てどう感じましたか?

「東京だけでなくロンドン、パリ、世界中でいろいろな方が履いています。クルマを運転しながら歩いている人の足元を見てみなさんがスタンスミスを履いている姿を見ると「ああ、履いてくれているな」と、とても楽しい気分になります。以前、ニューヨークで日本の方が履いているのを見たときには、日本の方は本当にスタンスミスを気に入ってくださっているのだなと思いましたね」

ーー彼女たち、彼らの着こなしをどう思いますか?

「スーツに合わせている方、スカート、ジーンズ、ショーツ……カジュアルにも、フォーマルにも、多彩なやりかたでこの靴を履いてくださっていますね。シンプルだから何にも合わせやすいという利点を活かして、みなさんがファッションとして楽しんでくださっていることが嬉しいです」

ーー服との合わせやすさに加えて、快適であるということも重要だと思います。

「2年目に、アップグレードされたスタンスミスが発表され、レザーがソフトなものになりました。昔よりもさらに快適になったのではと思います。価格もそんなに高くないので、買いやすいこともポイントですね。ラフ シモンズのシリーズは400ドルしますが(笑)。基本的にはスタンスミスは買い求めやすく、履こうと思えば毎日でも履けて、特別なときの一足としても使えるスニーカーです。アディダスが築きあげてきた素晴らしい歴史のなかで、今後も伝統あるスニーカーとして愛され続けていって欲しいと思います」

あなたの知らないスタンスミス・トリビア4(1〜2)。

ここからは、スニーカー「スタンスミス」のトリビアを4つ。歴史を知れば、あなたの持っている一足(いや、二足、三足?)が、もっとかわいく思えるはず!

1. スタンスミスの源流となる、違う名前のスニーカーがあった

1973年に誕生し、当時世界No.1のテニスプレイヤーだったスタン・スミスが着用したことで人気となったスタンスミス。実はこのスニーカーにはオリジナルとなるモデルが存在する。その名は「ハイレット」。フランス人プレイヤー、ロバート・ハイレの名を冠し、1969年に生まれた世界ではじめてのオールレザーのテニスシューズだ。

2. 同時期に活躍した、違うプレイヤーの名を冠したモデルが存在する

1972年の全米オープンと1973年の全仏オープンの男子シングルスで優勝した、ルーマニアのプロテニスプレイヤー、イリ・ナスターゼの名を冠したモデル「ナスターゼ」というスニーカーも存在する。発売したのはもちろんアディダス。シュータンにはナスターゼの似顔絵とサインをオン。ラバーのソールにレザーのアッパーというところまではスタンスミスと同様だが、トゥやヒールの補強部分にはスウェードを配している。

あなたの知らないスタンスミス・トリビア4(3〜4)。

3. 素材やカラーリングをカスタマイズしたオリジナルのスタンスミスが作れる

自分だけのカスタムスニーカーを作れる、アディダスのカスタマイズサービス「mi adidas」にはスタンスミスもラインアップされている。このサービスを使えば、さりげなく他人と差別化できる、自分だけのスタンスミスを作ることができる。アッパーをクロコダイル風の型押しにして質感を変える、ヒールパッチをハラコに置き換えてモードなアクセントを加える、ビビッドなカラーを差し込んでアクティブに装う、などなど、遊び心のあるスタンスミスがあなたのものに。

4. 100を超える限定モデルが存在

ジェレミー・スコットやスワロフスキー、多くのファッションブランドとのコラボレーションとのほか、数多くの限定の特別モデルや、映画『スターウォーズ』とのコラボモデルも数種類存在するなど、スタン氏がインタビューで語っていた通り文化としての広がりを追うのも面白い、スタンスミス・ワールド。ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)とのコラボレーションモデルには”Yohji Smith”という名前がつけられている。

参照元:VOGUE JAPAN

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