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「わが子を手にかける」警察へ電話した母親「一体どういうこと!」夫は妻より世間体を気にして<アンタなんて大キライ>

  • 2025.8.3

市役所に勤務するわかなさんは、娘のゆうりちゃんを出産して現在育休中。夫のだいちさんも市役所の別部署で働いています。結婚8年目に待望の子宝に恵まれたものの、いざ出産するとわかなさんは、ゆうりちゃんを愛するどころか憎しみの感情しか湧かないことに葛藤。出産日を振り返りながら「自分は“まともな母親”ではない」と自己嫌悪しています。

産後すぐに母乳が出ず、夫のだいちさんからは「努力が足りないんじゃない?」と心無い言葉を掛けられ、サポートに来たはずの母親からは「甘ったれんじゃないよ」と非難されるばかり……。次第にわかなさんは追い詰められていきます。

母親の帰宅後、わかなさんは子どものころから「出来損ないだ」と言われてきたことを振り返り、母親としても認めてもらえない自分に落ち込みます。

次第にゆうりちゃんに対して「大っ嫌い」「産まなきゃよかった」という負の感情が沸き上がり、ついにわかなさんは泣き崩れます。

「もうだめなんだ」

そう悟ったわかなさんは、すべてを終わらせることを決断。そして警察に電話をかけ、これから子どもに手を掛ける、と告げます。

「こうするしかないの」娘を守るために残された道

警察に保護された、わかなさんとゆうりちゃん。
駆けつけただいちさんは衝撃を受けながらも、世間体を気にして妻子を連れて帰ろうとします。

そこにわかなさんがひとこと、「連れて帰らない」。

わかなさんは「私から守るにはこうするしかない」と言い、わが子の命を奪うことを考えてしまう自分からゆうりちゃんを守ろうとするのでした。

▼「私から守るにはこうするしかない」という言葉に、わかなさんの葛藤を感じます。わかなさんは憎しみの感情に押しつぶされそうになりながらも、「この子に手をかけてはいけない」と、自分自身を必死に引き留めていたのかもしれません。

一方、そんな妻の悲壮な姿を目の当たりにしても、夫のだいちさんは妻や子どもの心配よりも、世間体を気にしているようです。夫には、わかなさんのことを「妻」や「娘の母」と認識するのではなく、「わかなさん」というひとりの個人として尊重し、どうしてこんな事態になってしまったのかよく考え、しっかり向き合ってほしいと思います。

わかなさんのように心身ともに限界を迎えてしまいそうなときは、国や自治体の相談窓口へ連絡をしてみてください。

『よりそいホットライン』では、電話、FAX、チャットやSNSによる相談に専門の相談員が対応してくれます。悩みの内容は、わかなさんのような子育ての悩み、暮らしの悩みごとやDV・性暴力などの相談、と多岐にわたっています。まずは、0120-279-338(岩手県、宮城県、福島県からは、0120-279-226)に電話してみてください。

※産後うつ病はホルモンバランスの崩れを発端に、いろいろな条件が重なって発症するもの。マタニティブルーズが一過性のものであるのに対し、産後うつは2週間以上症状が持続します。産後うつはおよそ10%の方が罹り、気分の落ち込みや楽しみの喪失、自責感や自己評価の低下などを訴え、産後3カ月以内(早ければ産後2週~4週間ごろ)に発症することが多いです。発症の背景要因として、うつ病の既往のほか、パートナーからのサポート不足など育児環境要因による影響も大きいとされています。確定診断には精神科医などによる検査・診断が必要です。治療としては、薬物療法とカウンセリングなどの精神療法が主体となります。なんでも完璧にしようと思わず、休めるときは休み、夫にも知識として産後うつのことを知っておいてもらうことも大切です。すでにつらい症状があれば医師に相談してください。


監修者:助産師 関根直子

筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。


著者:マンガ家・イラストレーター 神谷もち

ベビーカレンダー編集部

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