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25万人もいる! 育児と介護の両立「ダブルケア」に苦しむママの体験談

  • 2016.5.12
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こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。

連休や子どもたちの夏休みなど、何かとお世話になるのが両親や義両親です。特に近場に住んでいる両親がいる場合は、子どもを預かってもらったり、お惣菜をもらったりと、日常的に子育てに協力してもらっているという方もいると思います。

一方で、子育てと同時に、介護もしなければならない! という方も多数存在しています。

育児と介護の両方に直面して同時進行させなければならないことを、一般的に『ダブルケア』とよんでいます。

「そんな人、少数でしょ?」と思った方も多いかもしれませんが、実情はもっと深刻です。そこで今回は、政府の統計情報やダブルケア経験者の体験談から、ダブルケアの現状をお伝えしたいと思います。

●育児と介護の同時進行『ダブルケア』をしている人は約25万人!

内閣府が発表した『育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書』によると、ダブルケアに直面している人は、全国で約25万人にのぼる ことがわかりました。なんと、その8割が30代~40代ということが推計でわかったのです。

【体験談】(Sさん、30代女性、子ども2人、専業主婦)

『下の子が産まれた直後に義母がパーキンソン病と診断されて、それから3年経ちます(義父は他界)。だんだんと症状が悪くなっているので、施設に入所できるように手配はしているのですが、空きがないため待っている状態です。

子どもは保育園にも預けられないし、かといって日中エネルギーを持て余して暴れるし、義母もいろいろと要求してくるしで、毎日がしんどいです。いつまで続くかな……』

育児をしている人の割合は全体で約1千万人なので、このうちの2.5%がダブルケアをしていることになります。ママ、パパの40人に1人がダブルケアの状態にあるということです。

●ダブルケアの男女比は?

ダブルケアをしている約25万人のうち、男性は約8万人、女性は約17万人という結果になりました。

一般的には女性の方に負担がかかっているということが言えるのですが、3分の1は男性 というのも意外に多い結果だと思います。

ただ、ダブルケアをしている男女の就業状況を見てみると、その差は歴然としています。特に無業(家事中心)の割合をみると、女性は約50%が無業。それに対して男性は2%となりました。

つまり、男性は仕事をしながらも、妻などの配偶者の助けを得て育児と介護を両立できる割合が高いといえます。

【体験談】(Aさん、40代女性、子ども1人、専業主婦)

『もともとは子どもを保育園に預けてフルタイムで働いていました。子育てで頼りにしていた母が亡くなって絶望していたら、追い打ちをかけるように祖母の認知症が急激に悪化しました。排泄も自分でできなくなり、父一人ではどうにも対応できなくなり、孫の私も面倒みることになってしまいました。

フルタイムを諦めてパートに切り替えたのですが、それでも体力がもたず、仕事を辞めました 。こんなはずじゃなかったし、子どもにも負担をかけてる気がするし、私が精神的にまいりそう』

●なぜ増えているの?

ダブルケアが増えている要因は一つではありません。社会的な背景やライフサイクルなど、複合的な原因が関係しています。

ひと昔前までは、女性は20代前半~中盤くらいで結婚して、第一子を出産、子育てを終えたころにパートや正規雇用で仕事に復帰。仕事人生が終盤を迎えるころに介護というM字カーブを描くようなサイクルでした。

それが、現代の30代~40代の団塊ジュニア世代は、晩婚化が非常に進んでいる といわれています。晩婚化に伴って、晩産化も進んでいるのです。

そのため、以前ならすでに子育てが落ち着いていた時期になっても、まだまだ子育て真っ只中という状況が出現しています。

さらに、少子化のため、兄弟の数が減ってきているので、相対的に子どもに一人にかかる負担が大きくなっています。

さらに、医学の進歩に伴い、高齢化、長寿命化が進行。加えると認知症の若年での発症も増えており、必然的にダブルケアが増加する状況となっているのです。

このような社会的な状況は、今後も進行するとみられており、ダブルケアをしなければならない人はさらに増える といわれています。仕事と家庭を両立させ、負担を緩和するための支援が急ぎ求められているところです。

この記事を読んでくださっている方も、30代、40代のパパ、ママが多いはず。明日はわが身と思って、今後の動向に意識を向けていただければと思います。

【参考リンク】

・育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書 | 内閣府(PDF)(http://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/ikuji_point.pdf)

●ライター/佐藤理香(株)

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