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ひじきが鉄分の王様の地位から陥落!?

  • 2016.5.10
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文部科学省から、食品の栄養成分をまとめた「日本食品標準成分表」というものが出ています。

私たち栄養士は、この表から各食品の栄養成分を判断しているのですが、昨年末、改訂版が公表されました。そこで衝撃が…。

今まで、鉄分の含有量がトップクラスだと知られていたひじき。

今回の改定版では、100gあたり55mgあった鉄分が、6.2mgと9分の1にまで大きく減ってしまったのです。

© eyeblink

なぜなら、以前は原料の海藻を加工してひじきを製造する過程で鉄の釜を使っていたのが、今ではステンレス製の釜を使うものが多く出回っているから。

つまり、ひじきはそれ自体が鉄分が多いのではなく、鉄釜の鉄がひじきに移っていただけだったのです。

私が妊婦だったころ、貧血予防のためにせっせとひじきの煮物やひじき入りサラダを食べていました。

そのひじきは鉄釜かステンレス釜かどちらで作られたものかは今やわからないので、私の努力はもしかしたら報われていなかったかもしれません。

鉄釜で加工されたひじきかどうかをチェック

現在妊婦さんの方も、貧血対策で積極的に召し上がっている方は多くいらっしゃると思います。

もうひじきを食べても、鉄補給は期待できないのでしょうか?

いやいや、ならば、鉄釜で加工されたひじきを使った料理を食べればいいのです。

最近では、ネットでひじきを検索すると、「鉄釜炊き」や「昔ながらに作った」などと表示のあるものが増えてきました。

そういう商品を口にすれば、鉄チャージは効率よくできます。

鉄分だけじゃない! ひじきの栄養

また、鉄釜製造かステンレス製造かわからないものでも、ひじきの栄養は鉄分だけではありません。

カルシウムや食物繊維、ベータカロテンなどの栄養成分がバランスよく含まれているので、妊婦さんにとってはありがたい食品だといえます。

普段の調理に鉄の調理器具を使うと、鉄分が補給できるとはよくいわれていましたが、こんなにも鉄分の含有量に差が出るなんて驚きです。

今後は鉄のフライパンやお鍋の人気が高まるかもしれませんね。

妊婦さん、家に鉄のフライパンが眠っていたら、今日から使ってみましょう!

(長 有里子)

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