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VOGUEが選んだセクシー文学!性愛を綴った9冊の本。

  • 2016.5.6
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2016春夏シーズンのファッショントレンドをインスパイアする「セクシー」は、文学にも存在するもの。漫画に古典文学、海外ポルノまで、古今東西の性愛を綴った書物を紐解いてみませんか?

『痴人の愛』悪女に拝跪するM男の転落物語。

28歳のサラリーマン河合譲治は、浅草のカフェで出会った15歳のナオミを引き取り、妻にするつもりで教育を始め、やがて結婚する。だがナオミはダンスホールで知り合った男たちと浮気し、追い出しても家に戻ってきて譲治を誘惑する……。「パパさん」「ベビちゃん」と呼び合う関係から、ナオミが次第に奔放な女に成長し、立場が逆転して男を支配下に置くようになる展開がエロティックかつ爽快。作中3回登場する馬乗りシーンに注目。

『痴人の愛』

谷崎潤一郎著

『レズビアン短編小説集』女性作家が描く禁断の愛と恍惚。

19世紀末から20世紀初頭にかけて、まだ同性愛、特にレズビアニズムがタブーだった時代に書かれた短編のアンソロジー。キャサリン・マンスフィールド、ガートルード・スタイン、デューナ・バーンズ、ジェイン・ボウルズなど12作家の17作品を収録している。なかでも「意識の流れ」の手法を使い、床に落ちたコサージュを拾う前の1分ほどの間に二人の女の意識が接近する様を描くヴァージニア・ウルフの官能的な短編が素晴らしい。

『レズビアン短編小説集』

ヴァージニア・ウルフほか著 利根川真紀編訳

『ロリータ』世界文学の名作で男の劣情を研究。

田舎町の下宿で出会った12歳のドロレス、通称「ロリータ」に魅せられた中年の大学教授ハンバート。都合よく母親が事故死し、少女を拉致してモーテルを転々としながらアメリカ中を旅するうちに彼女は逃げ出してしまい……。ご存じ「ロリコン」の元ネタで、発表時はスキャンダルを巻き起こしたナボコフの傑作。ヨーロッパ的教養と下世話な欲望が奏でる不協和音が刺激的で、男の性的妄想のからくりを理解するための手がかりもいろいろ。

『ロリータ』

ウラジミール・ナボコフ著 若島 正訳

『カーマ・スートラ』古代インドの奥義を伝える性典。

ヒンドゥ教においてダルマ(法)、アルタ(実利)と並んで人生の三大目的とされるカーマ(性愛)をテーマに、4〜5世紀頃に書かれたといわれる性愛の書。7部35章からなり、第2部「性交について」が最も有名。「快感の種別」「接吻の種類」「性交の仕方」「口唇による性交」などの項目が並び、教科書的な記述と内容のギャップが興味深い。「愛情冷却の識別」「好まない男を遠ざける方法」など女性へのアドバイスも豊富に盛り込まれている。

『カーマ・スートラ』

ヴァーツヤーヤナ著 大場正史訳

『ガリバリアーナ』エロでアートな「ガリバー旅行記」。

フェリーニとも親交があったイタリアコミック界の巨匠によるバンドデシネの怪作。プロポーション抜群のブロンド美女が、ガリバーさながらに小人国、巨人国、知的な馬の種族が支配する国を放浪する様を、ユーモアを交えて官能的に描き出す。主人公が女性になっただけでこれだけ物語の印象が変わるのか、と読者に思わせる点で、一種のジェンダー批評にもなっている。最後のレズビアンな女たちのパートはパロディではなくオリジナル。

『ガリバリアーナ』

ミロ・マナラ作

『鼻下長紳士回顧録』花の都の娼館で入り乱れる人間模様。

パリに出てきた田舎娘コレットは、画家志望のレオンに貢ぐため、メゾン・クローズ(娼館)に身を沈める。そこで彼女が見聞した変態紳士たちの行状や、同僚の売春婦たちの知られざる生態とは? 『さくらん』で江戸の吉原を描いた著者が、持ち前ののびやかでエロティックな描線を駆使し、女性の目線で描き出すベル・エポックの地下世界。「本当の変態とは名づけることのできない欲望を抱えた人間のことを言うんだ」などの名言も多数。

『鼻下長紳士回顧録』

安野モヨコ作

『ファニー・ヒル』明るくハッピーな娼婦の一代記。

ロンドンに出て娼家で働くことになった15歳の少女ファニー。さまざまなカップルの営みをのぞき見して性の手ほどきを受ける彼女を、波瀾万丈の運命が待ち受けていた。18世紀にイギリスで出版され、エロティックなのに野卑ではない、教養を感じさせる文体で、文学作品としても高く評価されてきた性愛文学の古典。奔放に性を謳歌するヒロインが最後まで罰せられず、性の喜びがポジティブに描かれているのもポルノグラフィとしては画期的。

『ファニー・ヒル』

ジョン・クレランド著 中込純次訳

『金瓶梅』中国の古典に愛欲の手管を学ぶ。

北宋末を舞台に、精力絶倫の色男で成り金商人の西門慶と、彼を取り巻く女性たちの関係をどぎつくリアルに描き出した、中国初の書き下ろし長編小説。正室と側室、お手つきの召し使いが入り乱れてセックスを武器に権勢を争い、コネと情報がものをいうエロスと欲望にまみれた世界は、現代のセレブゴシップにも通じる。愛欲の手管だけでなく、奇習の纏足、華麗な衣装や調度といった当時の風俗や、贅を尽くした料理の描写も読みごたえたっぷり。

『金瓶梅』

笑笑生著 小野忍・千田九一訳

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』世界を熱狂させたマミーズ・ポルノ。

謎めいた雰囲気をもつ美貌の巨大企業CEOクリスチャン・グレイ。まだ恋を知らない女子大生のアナは取材をきっかけに彼に惹かれていく。だが初めて訪れた豪邸でグレイが差し出した契約書には、食事、服装、愛の行為の詳細まで、彼とつき合う女性が守るべきルールが記されていた。恋のかけひきにソフトなSMプレイやサプライズデートといった性的ファンタジーを織り交ぜ、世界で6400万部以上を売った女性による女性のためのポルノ。

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』

E・L・ジェイムズ著 池田真紀子訳

参照元:VOGUE JAPAN

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