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VOGUE エディターがつい何度も観たくなる映画。【Part.1】

  • 2016.5.3
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長い長ーいゴールデンウィーク、出かける予定がないなら家でのんびり映画を見よう。ゆる〜い笑いを誘うコメディからサスペンス、王道の恋愛ものまで、私たちVOGUE エディターがつい何度も観たくなる1本を熱く語る!

あのプリンスも魅了したキム・ベイシンガーの『L.A.コンフィデンシャル』(97)。エグゼクティブ・フィーチャー・エディター 飯田 美穂子

今年4月21日にプリンスが急死したというニュースを受けて、当時の思い出が一気によみがえってきた。中でも、プリンスと一時恋人関係になり、アルバムも一緒に制作したキム・ベイシンガーのことをなぜか思い出し、改めて『L.A. コンフィデンシャル』(1997年)を観たくなった。キムと言えば『ナインハーフ』(1986年)でミッキー・ロークとのSMシーンが話題になり、一躍セクシー女優として有名に。しかし、40歳を過ぎてから出演したこの『L.A.〜』で見事にアカデミー賞助演女優賞を受賞した。 

原作は、アメリカを代表する犯罪小説家ジェイムズ・エルロイの名作。1950年代のロサンゼルスを舞台にロス市警とマフィアの抗争劇に翻弄される人々を、当時のハリウッドスターたちも交えてちょっぴりグラマラスに描いている。キム・ベイシンガーが演じているのは、ある事件のカギをにぎる謎の娼婦、リン。そのリンに惹かれていく刑事役を演じているのは当時無名だったラッセル・クロウ!裏社会の黒幕は一体誰なのか?本当の正義とは何なのか?ラストシーンは何度観ても感動するし、キムが発する最後のセリフは心にグサッとくる〜。 

ちなみに、プリンスと付き合っていた頃のキムはアルバム『ハリウッド・アフェア』をプリンスと制作し、歌手としての一面も披露。今年はあの『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の続編に出演することも大きなニュースになるなど、60歳を過ぎた今もなお美しい、いつまでも何度でも観たくなるアイコンだ。

ゆる~い笑いの中に込められた、傑作へのオマージュを探して。『宇宙人ポール』(11) エグゼクティブ・エディター 橋田 真木

たまには映画で思考を停止したいと思う時、ありません? 往年の名作やミステリーも良いけれど、せっかくの長い休み、1本くらいはゆるい笑い&LOWな感じで気分をちょっとだけ上げてみてもいいかも。

といってもこの『宇宙人ポール』、実はゆるさの中に、いろいろな背景が隠されているのですがー。ギークな男性2人(サイモン・ペッグとニック・フロスト。ちなみに脚本もこの2人)が陽気な宇宙人その名もポールと出会い、珍道中を描いたSFコメディ。SFオタクな2人がコミケ帰りにキャンピングカーで旅しているところに囚われの身となってしまったポールが現れ、彼を故郷の星に帰してあげようと奮闘するというストーリーなのですが、とりあえず終始、何も考えずに笑えます。

そしてそして、サブリミナルのようにいろんな映画のオマージュシーンが登場するというのが、この映画の面白いところ。脚本も手がけた主人公2人は大のスピルバーグ好きとあって、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『未知との遭遇』、『E.T.』などの傑作からのシーンやセリフが全体に鏤められています。スピルバーグ本人も声で登場していたり! ほかにも『メン・イン・ブラック』や『イージライダー』などからのネタも組み込まれています。

まず1回見て普通に笑って。2回目以降は、元ネタの映画たちと照らし合わせて楽しんでみては? 時間のあるゴールデンウィーク中だからこそ!

何百回観ても13歳の少女と冒険しながらドキドキ気分。『魔女の宅急便』(89) エディトリアル・コーディネーター 束野由佳

娘たちがゴールデンタイムの映画選択権を握っているため、ついつい何度も観てしまう…というよりも必然的に流れているのが、『アナ雪』『シンデレラ』『眠れる森の美女』などのディズニープリンセスもの。これらは何十回も観ると飽きてくるのですが(失礼!)、娘たちと何百回観ても大丈夫なのが『魔女の宅急便』(89) 。

ご存知だと思いますが、おさらいまでにストーリーを。魔女の血を受け継ぐ13歳の少女キキは、一人前の魔女になるため、知らない街へ愛猫のジジと共に修行に出る。海の見える街のパン屋さんを間借りしながら、ほうきを使った宅急便ビジネスをスタート。飛行クラブで人力飛行機をつくっている少年トンボと親しくなる一方、同じ年頃の女の子たちのように振る舞えない歯がゆさも。魔法の力が弱くなってしまい落ち込んでいたある日、飛行船が航海に出る生中継をテレビで目にしたキキ。暴風に煽られ運転不能になった飛行船に結び付けられたロープを握ったまま空に投げ出されているのは、なんと友人のトンボだった…。

“胸キュン”ポイントはいくつもあるのですが、まずは「GO! GO! キーキー!」と友人たちに掛け声をかけられながら空に飛び上がる冒頭シーン。そこで松任谷由実「ルージュの伝言」のイントロがオン。これから始まる冒険に向けて、胸が高鳴ります。田舎街の友人とは軽口をかわしていたキキも、大きな街に住む垢抜けた少女たちの前ではシュンとなってしまうことも。雨の中、手作りパイを届けた玄関先で、「私このパイ嫌いなのよね」と女の子が呟くシーンでは、何もそんなこと言わなくても…と観ている私の方が切なくなります。飛行船につかまったまま空に投げ出されたトンボを救い出すクライマックスシーンでは、飛ばないデッキブラシに向かって「燃やしちゃうわよ」と今までにない真剣で強い表情を見せるキキに、たくましさを感じて“胸キュン”。と、挙げたらキリがないのですが、ラストに両親に向けて書いた手紙には、涙涙の“胸キュン”。

久しぶりに『魔女の宅急便』を見返してみたら、あなただけの“胸キュン”シーンをきっと思い出しますよ。

胸キュンの王道『ノッティングヒルの恋人』(99) ウェブ・エディター 沼尾 真由美

私がついつい何度も観てしまうのが、『ノッティングヒルの恋人』。もう知らない人はいないと思いますが、ヒュー・グラント演じるロンドンで小さな本屋を営む冴えないバツイチ男性と、彼の店へふらりと入ってきたジュリア・ロバーツ扮する有名ハリウッド女優のラブコメディです。

ジュリア・ロバーツももちろん美しいのだけれど、私はヒュー・グラントの爽やか&ダメ男ぶりがたまらなく好き。今はもうなくなってしまったけれど、昔この映画の舞台となった本屋を訪れたこともありました。セレブとの偶然の出会いから恋が生まれるなんて、現実的ではないかもしれないけれど、家族や友人などの個性的なキャラ、ノッティングヒルの街並みなども、この作品をさらに素敵にしています。そして二人を盛り上げるのが、エルヴィス・コステロが歌う「She」。まさに今も、この曲を聴きながら原稿を書いています。長いゴールデンウィークの間、やっぱりもう一度観てしまいそう。ぜひ、みなさんも心温まるハッピーエンドを楽しんでください。

人生を豊かにしてくれるヒントが詰まった名作。『リバー・ランズ・スルー・イット』(92)ウェブ・エディトリアル・アシスタント 西條真希

1920年代のアメリカ・モンタナ州の自然を舞台に、フライフィッシングで結ばれた親子・兄弟の愛情を描いた映画『リバー・ランズ・スルー・イット』は、何度観ても飽きない。というか、観る度に発見があり、愛が深まる作品です。雄大な大自然はもちろん、若かりし頃のブラッド・ピットが醸し出す無骨な美しさや、当時のアメリカントラッドなコスチュームに引き込まれることはいつものこと。私が男に生まれ変わったなら、この時代のこの場所を選びたいと思うほど、その当時の雰囲気が憧れです。

そんな目の保養となる魅力的なビジュアルも何度も観てしまう理由の一つですが、それだけではなくこの映画には人生を豊かにしてくれるヒントが隠されているから。心躍る楽しい事、心苦しい事、様々あるけれど、どんな時でも川は変わらぬ姿で流れ続ける(A River Runs Through It)ということ。要のシーンとなる最後に、牧師である父親が語った「完全に理解することはできなくても、完全に愛することはできる」。この一言が映画のすべてを集約している理由は、観ればきっと納得するはず。これからも何度も見続けるだろう名作品です。

参照元:VOGUE JAPAN

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