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なぜ気圧の変化で「頭が痛くなる」のか?医師に聞いた、気象病との付き合い方

  • 2025.4.23

今日はなんだか頭がズキズキ……。天気が悪くなる前や季節の変わり目になると、決まって体調が優れない。そんな経験、ありませんか?

実はこれ、「気象病(きしょうびょう)」と呼ばれる現象かもしれません。とくに「気圧の変化」が引き金となり、頭痛やめまい、肩こり、倦怠感といった症状を引き起こすことがあるのです。

最近では天気アプリに「気象病予報」が表示されるほど、多くの人が悩まされている気象病。なぜ気圧の変化で体調が乱れるのか? そして、どう対策すればいいのか?

知っておきたい気象病のメカニズムと、今日からできるセルフケアのポイントを、平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック内科医の岡村信良先生監修のもとお届けします。

なぜ低気圧で頭痛が起きるのか

岡村先生:身体は気圧の変化に敏感なので、気圧によって自律神経が乱れ、頭痛が起こると考えられています。

気圧の変化を感じ取る器官は耳の中、内耳にあります。人間の身体は、まず内耳で気圧の変化を感じ取り、交感神経が活発になり亢進(こうしん)します。

交感神経が亢進すると、ノルアドレナリンという神経物質を分泌し、体温を上昇させたり、血管を収縮させたりする機能があります。

気象病=気圧・湿度の変化によって起こる病気

岡村先生:気圧・湿度の変化によって起こる病気を気象病と呼ぶことがあります。代表的な症状は頭痛ですが、他にも以下のような症状があります。

  • 首の痛み
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 気管支喘息
  • 関節痛
  • 神経痛
  • 古傷の痛み
  • 鬱、不安症 など

自律神経が関係するため、精神病にも関係があるようです。

「自律神経が乱れているサイン」とは?こんな症状は要注意!

つらい気象病、どう対策すればいい?

岡村先生:症状の予防対策として、以下などを行ってみましょう。

  • 充分な睡眠をとる
  • 頭の血行を改善する
  • ぬるい温度での入浴
  • 首や肩のストレッチ

耳全体(耳介)を掴み、やさしく全体をくるくる回すようにマッサージするのもよいでしょう。

自律神経を整える「耳たぶストレッチ」

自律神経を整えるためには、睡眠・運動が大切です。気象病の予防のためには、日ごろからストレスを減らしたり、よく睡眠をとるとよいでしょう。

痛みを蓄積した身体は、痛みに対して敏感になっています。規則正しい生活を心がけましょう。

天気と体調、症状などを日記につけたり、アプリで気圧の変化をチェックするのもおすすめです。症状がどのタイミングで出るのか、傾向をつかめば薬で対処することもできます。

気象病は病院で治療できるの?

岡村先生:気象病は、内耳のセンサーが敏感になっている状態のため、正常な反応にするための治療を行います。

症状の予兆として、めまいが起こることがあります。このめまいを抑えるための薬や、自律神経を整える漢方薬によって治療を行います。

気象病の治療は、気象病と気付かずに受診することがあるため、初めは適した治療がされないまま過ごしてしまうこともあるかと思います。

気象病が原因であると気づくことができれば、症状も改善されるでしょう。もともとある持病に関しては、それぞれに対応した治療が必要になります。

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▼参考
痛み・鎮痛の基本の仕組み[第2版]/伊藤和憲 著/秀和システム 発行

監修者プロフィール

岡村 信良(おかむら・のぶよし)先生

内科医。経歴:平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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