1. トップ
  2. 医師「症状が悪化します」→ 実は『花粉症』を深刻化させる“やりがちなNG習慣”とは?【専門医が解説】

医師「症状が悪化します」→ 実は『花粉症』を深刻化させる“やりがちなNG習慣”とは?【専門医が解説】

  • 2025.2.28
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

花粉症がつらい方、特に「朝からくしゃみが止まらない」「夜、鼻づまりで眠れない」と感じる方も多いのではないでしょうか?実は、花粉症の症状は時間帯によって原因が異なり、それぞれに適した対策があります。この記事では、花粉症の症状とその原因、そして朝晩に効果的な対策方法を紹介します。

花粉症の症状は時間帯によって異なる?

花粉症の症状が悪化する理由は、時間帯ごとに違います。日中と夜では、症状を引き起こす原因が異なるため、それに合わせた対策が必要です。

花粉が多く飛ぶ時間帯はお昼(12〜15時)と夕方(18時頃)です。これは、花粉が木々から飛び始める時間帯と、気温が下がることで空中の花粉が落ちてくるためです。また、天気によっても花粉の飛散量が変わります。特に注意が必要なのは以下の条件です。

  • 晴れ・気温の高い日
  • 空気が乾燥し、風の強い日
  •  雨上がりの翌日

これらの日は、花粉が多く飛ぶため注意が必要です。曇りの日でも完全に飛散しないわけではないので油断しないようにしましょう。

花粉症が最もひどいのは起床時だった?!

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「朝、起きたときにくしゃみや鼻水が止まらない」という方も多いのではないでしょうか。これを「モーニングアタック」と呼びます。

朝の症状がひどくなる主な原因は、自律神経の変化です。寝ている間は副交感神経が優位ですが、朝起きると交感神経に切り替わり、鼻の粘膜が過敏になります。また、夜の間に花粉が寝具に付着し、それを吸い込んだり、布団をたたむときに花粉が舞い上がることも影響します。

“夜の花粉症”主な原因とは?

夜も花粉が飛んでおり、日中に外から持ち込んだ花粉が室内に残ると、夜間にも花粉症の症状が出ることがあります。これが不眠や睡眠不足の原因になります。夜の花粉症が起こる主な原因は、以下の4つです。

1. 花粉は夜間にも飛んでいる
日中ほどではありませんが、夜間にも花粉は飛散しています。日中の半分以下ですが、完全に飛ばないわけではありません。

2.部屋に持ち込んだ花粉の影響
外出時に衣類や髪に付着した花粉が、帰宅後に室内に持ち込まれます。窓を閉めていても、花粉が室内に残っている可能性があります。

3.花粉症の薬の効果切れ
朝に薬を服用しても、夕方から夜にかけてその効果が薄れ、症状がぶり返すことがあります。薬ごとに決められた服用回数に従って、忘れずに内服することが大切です。

4.免疫細胞の影響
夜間から朝方にかけて免疫細胞「マスト細胞」が活性化するため、アレルギー反応が強く出やすくなるとする報告もあります。

2月は朝晩の冷え込みが厳しく、窓を閉めて寝ることが多いですが、3月になると地域によっては夜も寒さが和らぐ日があります。汗をかきやすい方や、部屋干しをする方の中には、窓を開けて寝たくなることもあるかもしれません。しかし、花粉は夜間でも飛んでいるため、窓を開けたまま寝ることは、花粉症が悪化する可能性があります。寝る前に短時間換気する程度なら問題ありませんが、就寝中は窓を閉めておくのがおすすめです。

“夜の花粉症”の対策法とは?

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

花粉症が原因で目のかゆみや鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が出ると、夜寝つきが悪くなり不眠や寝不足になることがあります。これが続くと日常生活にも支障をきたすことがあります。夜の花粉症で眠れない場合、次の対策を試してみましょう。

1.寝具の花粉を除去する
花粉が付着した布団や枕カバーを外干しすると、夜の症状が悪化します。部屋干しをするか、外で花粉を払ってから室内に取り込みましょう。布団乾燥機やクリーナーを使って、花粉を取り除くのも効果的です。

2.室内をこまめに清掃・換気する
室内に入った花粉は、床やファブリックに付着します。掃除をこまめに行い、花粉が室内に残らないようにしましょう。換気をする際は、外からの花粉をシャットアウトできるように注意しましょう。
換気で窓を開けるときは幅10cm以下に留めた上で、レースのカーテンを引くなどして、外からの花粉をなるべくシャットアウトすることを心がけましょう。

さらに、「お風呂上がりにくしゃみを連発してしまう…」と、入浴後の症状に悩まされる人も多くいます。入浴すると日中に付着した花粉を洗い流せて、リフレッシュできるでしょう。ただし、お風呂上がりはくしゃみがひどくなる方も少なくありません。入浴をすると体が温まりますが、入浴を終えて脱衣所にでると、急に体が冷えます。この寒暖差や温度差、あるいは湿度の差などが鼻水の原因になるケースがあるのです。さらに、バスマットや部屋着に付着した花粉により、症状が引き起こされている可能性もあるので注意が必要です。

また、朝の花粉症を軽減するためには、寝室の掃除や寝具の取り扱いに注意することが大切です。また、起床後に顔を洗い、鼻うがいをすることで、花粉を取り除き、症状を軽減することができます。

花粉症の症状を軽減するには?

花粉症の症状は時間帯によって異なり、それぞれに適した対策を取ることが重要です。

  • 夜の対策:寝具の花粉を除去する、掃除と換気を工夫する、窓を開けっ放しにしない
  • 朝の対策:寝室の掃除を徹底する、寝具の取り扱いに注意する、起床時に顔を洗い鼻うがいをする

これらの対策を取り入れ、快適な朝と夜を過ごしましょう!


監修:医療法人社団博雅会 草ヶ谷医院
草ヶ谷 英樹先生

総合内科・呼吸器内科・アレルギーの専門医。長引く咳・喘息・肺気腫・睡眠時無呼吸症候群・アレルギーなど、専門的な診療を提供すべく日々奮闘しています。「静岡の呼吸器なら草ヶ谷医院」と呼ばれるよう、医療の質はもちろん、スタッフの接遇やおもてなしの向上にも意識して取り組んでいます。スタッフが心身ともに充実し、満たされた気持ちで働ける環境を目指し、定期的な勉強会や講習会を実施し、院内外の活動への参加も支援しています。