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「食べる投資」で女性ならではの悩みにもアプローチ!【ヴォーグなお悩み外来】

  • 2025.2.9

「食後に眠くなる」のはビタミン不足

Tired young Caucasian woman in the office

Q. ランチ後に眠くなって仕事の効率が悪い場合の解決策は?

ランチ後に眠くなるタイプの人は、肝臓のALT(GPT)値が低いことが多いです。健康診断の血液検査で確認できますが、ALT値は少なくとも18以上が理想です。

ALTが低いと、食後の糖の代謝がうまくいかず、血糖値の上下が激しくなります。食後に血糖値が急上昇した後、急激に低下し、今度は副交感神経が優位になり、リラックスしすぎて眠気を感じてしまうのです。ALTが低くなる原因のひとつがビタミンB6の不足。ビタミンB6を積極的に摂取することが重要です。食べ物で手軽に摂取できるものとしては、納豆がオススメ。また、甘いものや炭水化物の摂りすぎ、お酒の飲み過ぎなどの不摂生がビタミンB6を消耗させるため、食生活を見直すことが必要です。

「白い食べ物」や砂糖を摂ると眠くなるという考え方もありますが、実はそれは体がビタミンB6の不足をサインとして出している可能性があります。

PMS対策にはオメガ3脂肪酸。摂取のためにお魚を

Grilled Saury with Salt

Q. 生理前に眠気が強く、仕事に集中できない女性が多いですが、その改善に食事でできることは?

生理前の不調は、子宮粘膜が剥がれて炎症を起こすことに関連しています。この炎症を抑える力が弱いと、体調が不安定になりやすいのです。つまり、炎症を抑える食品を積極的に摂ることが改善の鍵となります。例えば、炎症を軽減する効果があるオメガ3脂肪酸(EPA)を含んだ青魚(アジやイワシなど)を食べるのがオススメ。

現代の日本では魚を食べる習慣が減っていますが、昔の日本人は魚をよく食べていました。魚を食べないとPMSが強くなるというデータもあるので、意識的に青魚を摂ることをおすすめします。小魚をおやつに食べて習慣づけてみては?

毎日1パックの納豆で体は変わる

Salmon rice with green tea

Q. 先生はオンの日に、具体的にどのような食生活を送っていますか?

朝食は、納豆とお茶漬けご飯です。お茶漬けの素は永谷園のものを使い、納豆は近所のスーパーで手に入るものを選んでいます。銘柄にこだわる方もいますが、私は毎日続けやすさを重視して、手軽に手に入るものを選んでいます。油を使わず、洗い物も少なくて済むので、楽に準備できます。納豆には整腸作用や感染症予防効果、骨を丈夫にする効果など、さまざまな健康効果が期待できます。私は「毎日1パックの納豆を食べる」ことをおすすめしています。

昼食は、玄米を炊いて、病院のスタッフが交代で買ってきたおかずと一緒にいただきます。精製された白米はビタミンやミネラル、食物繊維が失われているので、玄米のような「茶色い主食」の方が栄養価が高く、より健康的です。私は石川県羽咋産の有機農法の玄米を取り寄せて食べています。

夕食は、お酒を飲むので、野菜や魚を中心に、おつまみ程度で軽く済ませます。肉を多く摂ると、炎症物質であるアラキドン酸が生成され、体内の炎症が促進されるため、あまり食べません。特に牛や豚肉は、腸内細菌によって発がん性物質が作られるという報告もありますので、控えめにしています。

日本人が不足しがちなのはビタミンD、亜鉛、マグネシウム

Foods High in Zinc

Q. 金融商品にいろいろな種類があるように、自分が目指す方向に応じて投資(食)対策を分けた方がいいですか?

はい、その通りです。自分が目指す方向や体の状態に応じて、食事の対策を分けることが大切。現代ではさまざまな健康情報が溢れていますが、実際には、その人の体質や生活習慣によって合う対策は異なります。トライ&エラーを繰り返しながら、自分に合った食生活を見つけることが重要です。もちろん、医学的なデータや知識は有益ですが、最終的には自分の感覚や体の声に耳を傾けることがいいでしょう。

そのうえで、日本人に特に不足しがちな栄養素として、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムが挙げられます。これらの栄養素に関しては、意識して摂取することが推奨されます。以下の食材に多く含まれていますので、参考にしてください!

ビタミンD:鮭や青魚。ただし、食事だけで十分に摂取するのは難しいため、日光浴やサプリメントも活用することが大切。

亜鉛:牡蠣やレバー、チーズ、煮干し、ココアなど。これらの食材をあまり食べない方は、サプリメントの摂取も検討して。

マグネシウム:ほうれん草、小松菜、ケール、ブロッコリー、ゴーヤなどの緑の濃い野菜。海藻類(海苔、昆布、ワカメなど)や納豆、大豆製品、ナッツ、シード類。

話を聞いたのは……

満尾正先生⚫️満尾クリニック院長・医学博士。日本キレーション協会代表。米国先端医療学会理事。日本抗加齢医学会評議員。北海道大学医学部卒業。2002年、日本初のキレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを開設。主な著書に『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)など多数。

Text: Kyoko Takahashi Editors: Kyoko Muramatsu, Yuna Shibata

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