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ご飯を食べてダイエット?難消化性物質「レジスタントスターチ」とは

  • 2016.4.11
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ダイエットを始めるにあたって、まず控えるものといえば“ご飯”という人が多いのではないでしょうか? 筆者も子どもの頃は太っていることを気にしていて、「痩せたい!」と思った時にはまずご飯の量を控えた記憶があります。

ご飯は大好きだけどダイエットのために控えるべきかな……と思っている方に朗報! 実はご飯には“レジスタントスターチ”というダイエットに最適な成分が含まれているのです。

しかし、普通の炊き立てご飯には“まだ”含まれておらず、一工夫することが必要になります。

そこで今回、健康管理士の筆者が、レジスタントスターチの作られ方と効果についてご紹介します。

 

■レジスタントスターチとは?

レジスタントスターチを訳すと“レジスタント”は“消化・分解されない”という意味を、“スターチ”は“でんぷん”を表します。

通常でんぷんは、唾液に含まれる消化酵素や小腸で分泌される消化酵素によって分解され吸収されます。しかし、レジスタントスターチはそのままの状態で大腸まで届き、食物繊維と同じような働きをしてくれるのです。

 

■ごはんを「冷ますこと」でつくられる

一時期“おにぎりダイエット”というものが一部で流行ったようですが、実はこれレジスタントスターチの特性を生かしたもの。

温かいご飯に含まれるでんぷんは唾液や小腸で消化・吸収されるため血糖値が上がりやすく、食事の最初に食べたり食べ過ぎたりすることで太る原因となってしまいます。

しかし、ご飯が冷めるとでんぷんがレジスタントスターチに変化し、血糖値の上昇が抑えられるのでダイエット効果が見込めるのです。

さらに、タンパク質と糖が結びつくことで起こる“糖化”という老化物質を生成する反応まで防いでくれるという嬉しい効果が期待できます。

 

■レジスタントスターチを作るポイント

レジスタントスターチは冷ご飯に含まれるといっても、温かいご飯を冷蔵庫で急激に冷やすのはNG。温度がゆっくり下がることでレジスタントスターチは作られるのです。

ご飯が炊きあがったら、出来ればおひつなどに移してゆっくり温度を下げてあげてください。

冷めたご飯を再加熱するのもNG。温め直すとレジスタントスターチは再びでんぷんに戻ってしまいます。

 

■昔の日本人に肥満や糖尿病が少なかったワケ

日本のコメの消費量が減少の一途を辿っています。ということは、昔の人の方はもっとたくさんのご飯を食べていたということですよね?

それでも肥満や糖尿病が少なかった理由の1つとして、炊いたご飯を保温する家電がなかったことがあります。冷ご飯を食べていたため、レジスタントスターチの摂取量が多かったのです。

もちろん精米技術も今ほど発達しておらず、代謝に必要なビタミンB群などを豊富に含んだ糠や胚芽が残ったお米を食べていたことや、油の摂取量が少なかったりしたことも一因だと考えられます。

 

こうして考えてみると、昔の日本人はとても理にかなった健康的な食事をしていたのですね。これを機会に日本人の昔ながらの食事を見直してみてはいかがでしょうか。

【筆者略歴】

※ SAYURI ・・・ 長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ fine! / PIXTA

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