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じつは「どんぐり」という名前の木は存在しない⁉どんぐりの正体とは

  • 2025.1.19
植物学上は、「どんぐり」という木はない (C)Kmo/PIXTA(ピクスタ)
植物学上は、「どんぐり」という木はない (C)Kmo/PIXTA(ピクスタ)

地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。

「どんぐり」という木は存在しないってホント!?

「どんぐりの木は存在しない」と言うと、「そんなバカな、子どもの頃に公園でどんぐりの実を拾って遊んだぞ」「童謡にもどんぐりが出てくるじゃないか」という声が上がりそうだ。だが植物学上は、「どんぐり」という木はないのである。

長くて丸い実が帽子をかぶったような姿のどんぐりは、ブナ科植物の実の総称である。ブナ科の木は、コナラ類、シイ類、マテバシイ類、ブナ類とたくさんあって、国内でも20種ほど見られる。その実をひっくるめて「どんぐり」と呼んでいるのだ。しかし、自分が拾った実が、何の木のどんぐりだったか、わかる人はあまりいないだろう。クリもブナ科なのだが、針(いが)にくるまれた実の形が独特なためか、食用として別格なためか、その実はどんぐりとは呼ばれていない。

どんぐりのなる木は、昔から炭や薪になったり、道具類に加工されたり、屋敷林に植えられたりと、常に人々の暮らしとともにある存在だった。実の特徴である帽子のような部分は、花の萼が変化したもので、はかま、または殻斗と呼ばれ、乾くと外れてしまう。

これほど親しまれているどんぐりだが、そのほとんどはタンニンを多く含んでいるため、えぐみがあっておいしくない。しかし、水にさらしたり加熱したりしてアク抜きをすれば食べられる。縄文・弥生時代の遺跡からは大量のどんぐりが発見されているし、近年でも飢饉に備えて貯蔵されていた。

森に生息する虫や多くの動物も、どんぐりを食べている。特にリスやクマは、えぐみの少ない種類を選んで食べるという、なかなかのグルメである。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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