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春のアクセサリーにぴったり♪日本でたった一人の女性作家が作る「薩摩ボタン」とは?

  • 2016.4.6
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春風が心地よい、桜の季節ですね。お祝いごとなどでドレスアップする機会も多い時期になりました。そんな春のおしゃれに、繊細な絵柄がかわいらしい「薩摩ボタン」を取り入れてみませんか? 桜島の南側、鹿児島県垂水市にある薩摩ボタン作家・室田志保さんのアトリエ「絵付舎・薩摩志史(えつけしゃ・さつましし)」を訪れました。

きらきらの金彩が優美な伝統工芸

「薩摩ボタン」とは、薩摩焼という焼きものから派生した陶器製のボタンのこと。

写真左のものは直径わずか3cmほどで、きらびやかな色彩と美しく繊細な絵柄が特徴です。

江戸時代の終わり頃、ジャポニスムブームで大流行した浮世絵と同じように、欧米の人々を魅了しました。

輸出用に作られていたため、今も日本ではなかなかお目にかかれないのだとか。

作り手は日本でたった一人の女性作家

薩摩焼窯元で文様を専門に描いていた室田さんは、12年前の独立を機に、薩摩ボタンの復活に取り組みました。

当初はボタンのベースとなる生地の発注先を探すのもひと苦労だったそうですが、今はボタンのほかにも、イヤリングや帯留めなどさまざまな商品があります。

コツコツと努力を重ね、今では日本でただ一人の女性薩摩ボタン作家として「ボタン大賞展」審査員特別賞(2009年)、かぎん文化財団賞(2012年)を受賞するなど、伝統の技を活かした作品づくりが高く評価されています。

繊細な絵柄は顔料を何度も塗り重ねた後に金彩を施す盛金(もりきん)、生地の余白に点を描き絵柄を美しく見せる砂子(すなご)などの技法を用いています。

きらびやかな色彩は5 回の窯入れによって完成します。焼成と着彩を繰り返し、最後は金色の部分が輝くまで丁寧に磨きあげます。

本当に手が込んでいるんですね。

時にはお客さんのリクエストに合わせ、現代的な感性で仕上げるのが室田さん流です。たとえば、波と千鳥の文様で縁起のいいボタンが欲しいというオーダーには、フチの部分に7匹の千鳥を並べ、ラッキーセブンを表しました。青波紋の横には8匹目の千鳥を描いています。

これは、さらに末広がりに良いことがありますように……という、2つの語呂合わせをデザインしているのだそう。

薩摩ボタンへの想いを伺ってみたところ、「かつて絵付けをしていたお茶道具や壺と違うのは、ボタンは加工次第では身につけられるアイテム。旅行に来た方はもちろん、地元の方も伝統工芸のアクセサリーを身につけて、鹿児島にはこういうのがあるのよ。と楽しみながら使ってもらえたら嬉しいですね」とのこと。

木のぬくもりを感じられるアトリエは、囲炉裏テーブルもありとても落ち着いた雰囲気。

ショーケースには、この季節ならではの美しいボタンがありました。

アートとしての薩摩ボタン

淡いピンク色の桜がきれいな「桜青海波紋(さくらせいかいはもん)」は、日本の「春の庭」をイメージした薩摩ボタン。

縦に幾本か描かれた太めのラインは竹の垣根。垣根の横には満開の桜がいっぱいです。

左右にはきらきら輝く鹿児島の海をイメージして、プラチナと金で青海波の文様を組み合わせています。

「ボタンの中に、物語を加えるのがとても楽しい」と話す室田さんのノートには、牛の横に牛乳瓶を描いてみたり、忍者柄の裏面には手裏剣をあしらうなど、アンティークではお目に掛かれないようなアイディアスケッチがいくつも。

これまでになかった絵柄も含め、今の時代に合ったものを作ることも伝統のひとつだと思い、積極的に取り組んでいるそうです。

この夏は、アメリカ中のボタンコレクターが集まるボタンの祭典に出展し、絵つけのデモンストレーションも行う予定だとか。

どんな絵柄が人気を集めるのでしょうか?とても楽しみですね。

室田さんが絵付けをする薩摩ボタンは、鹿児島市内の雑貨店Nuffや仙巌園(せんがんえん)内のギャラリーショップ、磯工芸館などでも購入ができます。

Nuffでは、花柄と干支の組み合わせが選べるセミオーダーも可能だそう。

鹿児島に行ったときは、ぜひ足を運んでみてくださいね。

※ボタンの価格は全て税抜表示となります。

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