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最期は明日かもしれない。弟を亡くし、死を見つめて変わった人生の視点

  • 2024.12.29
人生の視点がガラリと変わる (C)きむらかずよ/KADOKAWA
人生の視点がガラリと変わる (C)きむらかずよ/KADOKAWA

家族や恋人、友達。大切な人と永遠の別れはある日突然やってくるかもしれません。高校生の時、当時16歳の弟を事故で亡くしたきむらかずよさんも、すぐには現実を受け止めることが出来なかったといいます。

職人気質の父、肝が据わった母、思春期真っ只中だった姉・かずよさん、そしてヤンチャだけれど誰からも好かれた弟。平凡な家族の日常は、弟の事故死という悲劇によって一瞬で崩れ去ってしまいました…。

肉親を失った家族が再び歩き出せるようになるまでを赤裸々に綴り、大反響を呼んだ『16歳で帰らなくなった弟』。本編では語られることのなかったエピソードをお送りします。

死ぬ準備をしていると言ったら笑われるでしょうか (C)きむらかずよ/KADOKAWA
死ぬ準備をしていると言ったら笑われるでしょうか (C)きむらかずよ/KADOKAWA
もあしかしたら最期は明日かもしれない (C)きむらかずよ/KADOKAWA
もあしかしたら最期は明日かもしれない (C)きむらかずよ/KADOKAWA
お母さんがこう書いてるから! (C)きむらかずよ/KADOKAWA
お母さんがこう書いてるから! (C)きむらかずよ/KADOKAWA
死を見つめるって生きる意識が変わるな (C)きむらかずよ/KADOKAWA
死を見つめるって生きる意識が変わるな (C)きむらかずよ/KADOKAWA

『16歳で帰らなくなった弟』の著者のきむらかずよさんに、弟さんについて、そして今改めて思うことについてうかがいました。

——弟さんがある日突然帰らぬ人となり、現実を受け止められない日々が続いたかと思います。弟さんがいなくなったことを強く実感したのは、どのような時でしょうか。

きむらさん「それまで賑やかだった家が、シーンと静かになりました。毎日8時になると来ていた友達も来なくなり、こんなに家の中が変わるのか…とひしひしと感じました。

でも、弟が亡くなった後も『ただいま』と帰ってくるような気配を感じたことは、一度や二度ではありません。おそらく両親も同じように感じていたと思います」

——きむらさんがエンディングノートを書いているというエピソードがありました。差し支えなければ、どのようなことを書いているか教えていただけますか?

「何より大切にしているのは、子どもへのメッセージです。どんな気持ちで育ててきたか、どれだけ大切に思っているかなどを、一人一人に向けて書いています。

自分自身に関しては、リアルな話ですが、もし突然意識不明になったらどうしてほしいのかを記しています。

例えば、口から食べ物が食べられなくなったら延命措置はせず、自然に逝かせてほしいこと。胃ろうは望まない…といったことです。家族葬で連絡してほしい人についても書いていますね」

——改めて、弟さんはきむらさんにとってどんな存在でしたか?

「負けず嫌いなところは似ていたかもしれませんが、性格は私が陰なら弟が陽。すべてにおいて真逆でした。自分にないものを全部持っているような弟を、心のどこかでいつも羨ましく思っていました」

きむらさんの辛い経験から考えさせられるのは、今ある日常は実は「当たり前」ではない、ということ。平穏無事に暮らせる日々のありがたさに改めて気付かされます。時には立ち止まり、毎日をより丁寧に生きることを意識したいものです。

著=きむらかずよ/『16歳で帰らなくなった弟 外伝』

【著者プロフィール】

きむらかずよ

イラストレーター。小学1年生の時にプレゼントされた漫画『うわさの姫子』に衝撃を受け、漫画やイラストを描くように。現在は3人の子育てをしながら、新米保育士としても奮闘中。交通事故で亡くなった弟のことを綴った「16歳で帰らなくなった弟」にてデビュー。

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