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ユースケサンタマリア×優香出演・春ドラマ原作を先どり! ページをめくる手が止まらないスリル満点サスペンス

  • 2016.4.2
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春ドラマ、もうチェックしてますか? フジテレビ系列では、土曜日の23時40分から24時35分に新しいドラマ枠をもうけ、「大人に向けた、本格派ドラマ」をコンセプトに見ごたえのある人間ドラマを展開するそうです。その第一作目が『火の粉』(仮)。同名の小説を原作にしています。今回は、その原作『火の粉』をご紹介します。

本格サスペンス『火の粉』(幻冬舎・雫井脩介著)

ミステリー作家・雫井脩介氏の作品『火の粉』。舞台は東京郊外の住宅地。元裁判官・梶間勲の家族が住む家を中心に展開されます。

勲は裁判官時代、ある事件の被告人に無罪判決を言い渡します。「死刑になるのでは」と言われていた殺人事件でしたが、一点だけどうしても不可解な点があり、冤罪を生んではならないと無罪判決をくだしました。

そのあと裁判官をやめ、大学教員として働きながら、母・妻・息子・息子の妻・孫と暮らしている梶間の隣家に、なんとその無罪判決をくだした元被告人(武内)が引っ越してくるのです。

武内は持ち前の愛嬌と親切さでどんどん梶間家との距離を縮めていくのですが、そのころから梶間家でどんどん不可解な事件が起こり……。

女性の心理描写が見事

物語は序盤、勲の目線から語られますが、その後はほとんどが妻・尋恵と息子の妻・雪見の目線から語られます。典型的な“日本の良き妻”尋恵は介護で義母につくし、夫に従い、家の中を切り盛りしますが、だんだんと心身共に疲労が蓄積していきます。そしてその心の隙間に見事に入り込む武内に、どんどん親しみを抱いていくことに。

一方で雪見は、小さい娘を抱えて育児疲れをおこしながらも、梶間家の家事や介護を積極的に手伝い、すっかり梶間家の一員としてなじんでいます。でも、武内に好意的な尋恵とは対照的に、武内にどことなく不信感を抱き、次第に警戒するように……。

武内に対する感情は対照的な二人ですが、それぞれその世代の女性が抱きやすい悩みを抱えています。尋恵は介護疲れと報われなさ、義姉との確執、自分の更年期障害。雪見は娘を愛情いっぱいに育ててはいるものの、きちんとしつけたいと思うあまり、自分のしていることは虐待なのかという恐怖と背中合わせの日々。

こういった女性たちの心理を、著者はとても細かくていねいに描いています。男性なのに、どうしてこんなに女性目線で書けるんだろう、と驚くほど。

女性読者であれば、どちらかの心境に自己を投影する人もいるかもしれません。

とにかくスリリング

平和だったはずの一家のまわりで、次々と不可解なことが起こる不気味さ。家族の心や関係がかき乱されていくさまは、小説とわかっていても心が痛みます。

終盤にかけても失速せず最後の最後まで落としどころのわからないストーリーで、ハラハラしながらページをめくる手が止まりません(私は途中でやめられなくてすっかり夜ふかしをしました)。

皆さんもぜひ、原作を手に取ってこのハラハラ感を味わってみてください。ドラマでは、武内役をユースケ・サンタマリアさんが、雪見役を優香さんが演じます。ドラマの仕上がりも楽しみです!

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