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どんな経路で広まるの? ウイルスや細菌による“感染症”の種類と予防法

  • 2016.4.2
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【男性からのご相談】

最近、ジカウイルスによるジカ熱感染が話題になっていますが、少し前にはデング熱などもありました。

感染症の種類はさまざまありますが、どのような経路で感染していくのでしょうか?

●A. ジカウイルス感染、デング熱ともに蚊による“節足動物媒介感染”です。

ご相談ありがとうございます。理学療法士のOHSAWAです。

感染症といえば、最近はやりの『ジカウイルス』や『デング熱』、身近なところでは『風邪』や『インフルエンザ』などが挙げられます。

しかし、一口に“感染症”といっても原因や感染経路などはさまざまです。

今回は感染症の種類や予防に関してご説明していきます。

●感染症とは

感染症とは、病気を引き起こすウイルスや細菌などの病原体が体の中に入り込んで増殖し、さまざまな症状を引き起こすこと をいいます。

また、感染症には発症させる3つの条件があります。

●(1)病原体の存在

ウイルスや細菌をはじめ、カビの仲間の真菌、マラリアなどの原虫の存在がなければ感染症は起こりません。

●(2)感染経路

病原体は何らかの経路で体内に侵入してきます。

たとえばインフルエンザは空気・飛沫感染 。食中毒などは食べ物を介しての経口感染 と、さまざまな感染経路を経て体内に入り込んできます。

●(3)免疫力

私たちの体には侵入してきた敵(ここでは病原体)と戦う“免疫力”があります。

もし病原体が体の中に侵入してきても、感染するかどうかは免疫と病原体の力関係 で決まります。

つまり、私たちの免疫力が病原体を上回れば感染しませんし、逆に負けてしまうと感染するということになります。

●感染の種類とその対策

感染症もさまざまな種類がありますが、今回はその中でも代表的な5つの感染症とその対策を紹介していきます。

●(a)飛沫感染

飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話によって飛散した直径5マイクロメートル以上の“飛沫”が原因となるものです。

感染した人の飛沫にはウイルスや細菌などの病原体が含まれており、それを呼吸とともに鼻や口から吸いこむことにより、他の人にも感染します。

代表的な疾患として、一般的な『風邪』や『インフルエンザ』『マイコプラズマ肺炎』などが挙げられます。

●>予防と対策

知らず知らずに吸い込んだウイルスや細菌を体の奥へ入れない一番の予防法としては、“うがい” があります。

うがいには、喉まで押し戻された病原体を洗い流し、感染を防ぐ効果があります。

原始的で一般的ですが、やはり大事な予防法なので、外出先から戻ったら手洗いとともに必ずうがいをしましょう。

●(b)空気感染

空気感染とは、飛沫感染と少し違い、直径5マイクロメートル以下 の微粒子に含まれるウイルスや細菌を吸い込むことによって起こる感染です。

とても小さいため、風に舞って空気中を漂い続けて、それを吸い込むことで感染します。

また、床や地面に落ちた飛沫核も空気中に舞い上がります。

代表的な疾患は『結核』で、その他にも『はしか』『水ぼうそう』『帯状疱疹』なども飛沫または空気感染が主な感染経路です。

●>予防と対策

・微粒子用のマスクを装着して飛沫核を防ぐ。

・感染した人と同じ部屋で生活しない。仕方ない場合は換気をこまめにする。

・加湿をする。湿度を40%以上 に保つと喉や気管の防御機能が活発になります。

・ワクチンを接種し、感染症を防ぐ予防をする。

●(c)経口感染

経口感染とは、口から摂取する水や食べ物を介して感染することです。

多くは『食中毒』で、その大半は病原体が腸内で増殖する腸管感染症です。

食中毒は一年中発生しますが、梅雨から夏は細菌による感染で、冬はノロウイルスによる割合が高くなります。

●>予防と対策

■菌をつけない

食べ物を調理する人は必ず手を洗いましょう。手には食中毒の原因菌やウイルスがついている可能性が高いです。

また、生肉や魚についた病原体が生野菜などに混入しないよう、肉や魚を切った包丁やまな板は必ず洗うようにしましょう。

■菌を増やさない

多くの細菌は高温多湿を好み、増殖しやすくなります。生鮮食品の購入後や調理後は速やかに冷蔵庫や冷凍庫で保存することが大切です。

■殺菌する

加熱によってほぼ全ての病原体は死滅します。肉や魚介類は80度以上で1分の加熱が目安 です。

●(d)接触感染

接触感染とは、病原体に手や皮膚・粘膜が直接触れたときや、感染した人が病原体の付いた手で触ったものを介して、感染した人と間接的に接触することでうつる感染経路です。

代表的なものは『エボラ出血熱』をはじめとする『ウイルス性出血熱』、院内感染で問題となる『MRSA』『O157』『手足口病』『結膜炎』などです。

●>予防と対策

■マスクの着用

病原体のついた手で鼻や口を触るのを避けることができます。

■手洗い

駅の階段、電車の手すり、公共施設の扉など、不特定多数が触れるものに触った後は病原体が付着している可能性があるので、必ず手を洗って病原体を洗い流しましょう。

その他にも排泄後、調理前、食事前にも必ず手を洗い、家族や他の人に広めないようにしましょう。

●(e)節足動物媒介感染

節足動物媒介感染とは、吸血性の蚊やダニなどの節足動物が、動物や人が持っているウイルスなどの病原体を媒介することによって起こります。

蚊により感染する代表的なものは『マラリア』『日本脳炎』『デング熱』で、マダニからは『日本紅斑熱』『ライム病』『Q熱』などが挙げられます。

●>予防と対策

蚊に関しては、外出時は肌の露出を抑えたり、虫よけスプレーなどを利用したりして、刺されることを予防しましょう。

また、庭やベランダに溜まった雨水や鉢植えの受け皿の水は蚊の繁殖に繋がる ので放置しないようにしましょう。

マダニは野山に多く生息するので、山に入る際は肌を露出しない格好をして対策をしましょう。

【参考文献】

・『図解 知っておくべき感染症33 原因・症状・予防法』今村顕史・著

●ライター/OHSAWA(理学療法士)

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