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日本アカデミー賞優秀賞最多13部門受賞、木村拓哉主演で“夫婦の絆”を描いた感動作「武士の一分」の見どころに迫る

  • 2024.11.21
「武士の一分」より (C) 2006「武士の一分」製作委員会
「武士の一分」より (C) 2006「武士の一分」製作委員会

【写真】鳥籠を覗き込んで微笑む檀れい“加世”が美しい…

11月22日(金)の“いい夫婦の日”にちなみ、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では同日夜8時から、夫婦の絆を描いた映画「武士の一分」(2006年公開)をノーカット放送する。本記事では、山田洋次監督と木村拓哉がタッグを組んだ本作のあらすじや見どころについて紹介していく。

笹野高史、桃井かおり、緒形拳さんら実力派俳優が集結

「たそがれ清兵衛」や「隠し剣 鬼の爪」などの作品で知られる小説家・藤沢周平の小説を、「男はつらいよ」シリーズなどを手掛けてきた山田洋次監督が映画化した「武士の一分」。役目のために失明した下級武士を支える妻と、一分を通すために復讐に挑む武士の姿を描く。

主役の武士・新之丞役を木村拓哉が、妻の加世役を檀れいが演じたことでも話題になり、その他にも笹野高史や桃井かおり、緒形拳さんなど実力派俳優が出演。第30回日本アカデミー賞では、優秀賞最多13部門ほか各賞を受賞した。

本作の製作にあたり、「優しい愛妻物語であり、白刃閃く復讐譚でもありますが、この映画を通して、僕たちは江戸時代の地方の藩で静かに生きていた先祖たちの姿を敬意を込めて描く、ということをしたい」と語っていた山田監督。その言葉通り、歴史上の人物として教科書などに取り上げられることはない新之丞のような人物にスポットを当て、より歴史背景に対するリスペクトが感じられる内容に仕上がっている。

盲目の武士役に挑む木村拓哉と、映画初出演となる檀れいの演技に注目

本作では、夫婦を演じた木村と檀の演技に注目したい。木村が演じた新之丞は、盲目の下級武士という難しい役どころだ。原作は新之丞の視点で描かれており、彼が耳にしたことや気配などの描写で作品が成り立っている一方で、劇中では客観的に見た新之丞を演じる必要があった。木村はそんな役柄を、誰が見ても盲目に見えるよう、目線の運び方や仕草などで表現。それに加え、快活なセリフ回しや剣道経験を活かした抜群のキレを誇る殺陣シーンも相まって、木村だけの新之丞像を作り出している。

そして、妻の加世役を務めた檀れいは、本作で銀幕デビュー。もともと宝塚歌劇団で舞台女優として活躍していた檀は、映画の撮影現場に始めは戸惑ったそうだが、華麗で新鮮な姿を見せ、夫を愛する妻役を堂々と演じている。そんな2人が日常生活で交わすユーモラスなやり取りや、些細な食事シーンなども見どころの一つとなっている。

平凡で幸せな家族が失明をきっかけに転落…「武士の一分」あらすじ

近習組に勤める主人公の三村新之丞(木村)は、確かな剣術の腕を持ちながらも“毒見役”を行う下級武士。美しい妻・加世(檀)と中間の徳平(笹野)と仲睦まじく平和な日常を送っており、「早めに隠居して、子供がたに剣を教えたい」という密かな夢を持っていた。

そんなある日、新之丞はいつものように昼食の毒見をしたところ、赤貝の毒にあたり激しい腹痛に襲われる。一命は取り留めたものの視力を失ってしまった新之丞は、人の世話なしで生きられなくなった自分を恥じて命を絶とうとするほど思いつめていた。

そんな時、加世が“外で男と会っている”という噂を耳にした新之丞は、徳平に尾行させると、加世が番頭の島田(十代目・坂東三津五郎)と密会していることを知り――。

その後、新之丞が武士の一分を通すために復讐に挑んでいくその姿は、「たそがれ清兵衛」や「隠し剣 鬼の爪」に続く、藤沢周平と山田監督の“時代劇3部作”最終章にふさわしい内容になっている。

「武士の一分」より (C) 2006「武士の一分」製作委員会
「武士の一分」より (C) 2006「武士の一分」製作委員会
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