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専門家が解説!「糖質制限ダイエット」のメリット・デメリット

  • 2016.3.26
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いよいよ行楽シーズン突入! ついつい食べ過ぎてしまうこの時期、気になるのはやはり体型ですよね。

筆者の知人のスポーツトレーナー達によると、毎年この時期になるとトレーニング希望者が増えるそう。健康管理士の筆者のもとにも、ダイエットのご相談が増えはじめます。

どちらかというと女性の方が運動より食事制限によって体重を落とそうとする傾向が強いようです。そんな時、よく話題となるのが“糖質制限ダイエット”。

そこで今回は、ダイエットの専門家である筆者が、糖質制限ダイエットのメリットとデメリットをご紹介します。

 

■そもそも「糖質制限ダイエット」って何だっけ?

もともとは薬に依存することなく、血糖値をコントロールするために考えられた糖尿病食です。

血糖値を上げる糖質の摂取を控えることで、インスリンの分泌を抑え血糖値やヘモグロビンA1cという合併症の症状の目安になる数値をコントロールするのです。

インスリンの分泌を抑えることで脂肪を蓄えにくくすると同時に、体脂肪をエネルギーとして使ってしまうことで減量できたり糖化という老化現象に歯止めをかけたりすることが出来ます。

具体的なダイエット法は、パンや麺類、丼ものを避け、夕食だけはご飯を食べないといった簡単なものから、にんじんやカボチャなど糖質の多い野菜や市販のドレッシングや調味料に含まれる糖質までも完全に排除するストイックなものまでさまざまです。

 

■メリットは「食べられる」こと

基本的に糖質さえ摂らなければあとは何を食べてもOKのため肉や魚、脂質も気にせず食べられ、一般的なカロリー制限ダイエットよりも空腹感に悩まされることはありません。

タンパク質は、消化のために使われるエネルギーが多く、DIT代謝が3大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)の中で最も高いとされています。すなわち“食べるだけでカロリー消費が出来る”ということですね。

 

■ストイックな糖質制限をするとデメリットも

あまりストイックに糖質を制限すると、動物性のタンパク質の摂取量が非常に多くなるので、腸内環境のバランスが崩れやすくなります。

動物性のタンパク質の分解を担っているのは悪玉菌。そのため、動物性のタンパク質が体内にたくさん入ってくると悪玉菌が活躍し始めます。するとどっちつかずの日和見菌が悪玉菌と同じ働きをするようになってしまうのです。

にんにくを避けたのにバーベキューや焼肉の翌日、翌々日の便が臭かった経験はありませんか? それはこのような腸内細菌のバランスの崩れによるものです。

また、がん細胞の繁殖にも影響があるかもしれないそう。これまでがん細胞はブドウ糖をエサに繁殖しているとされていましたが、ごくごく最近のマサチューセッツ技術研究所の発表によるとがん細胞はブドウ糖(糖質)ではなくアミノ酸(タンパク質)によって増殖していることが分かったそうなのです。

 

米飯を主食とした生活を数千年も続けてきた日本人に、なぜ糖質制限が必要なのでしょうか?

加工食品や甘味、うま味、コクなどを出すために調味料に大量に使われる糖質。そして、年中話題となるスイーツやスナック菓子。さらには、保温機能の付いた炊飯器や電子レンジの普及によって、いつでも温かいご飯を食べられるようになったこと。

そんなさまざまな事情が重なり合って、行きついたのが糖質制限ダイエットだといえるかもしれませえん。

何でもストイックになり過ぎるとリスクが伴います。ほどほどにして栄養バランスよく良く噛んで食べることが、心も体も健やかに美しくなれる方法でしょう。

【参考】

※ How cancer cells fuel their growth(2016) – MIT News Office
【著者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ Sayan Puangkham / shutterstock

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