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生理前の肌荒れ対策とは。婦人科医に聞く美肌メソッド

  • 2024.9.27

毎月生理が近付くと肌が荒れて困っている人は、結構いるのではないでしょうか。

肌荒れはしっかりとからだの中と外からお手入れをしてあげると、改善することができます。

今回は生理前と肌荒れの関係やその対策について、婦人科医の横倉恒雄先生とあんしん漢方薬剤師の木村英子先生に解説いただきます。

生理と肌荒れの関係

ナプキン
出典:Unsplash

生理になると不要になった子宮内膜が剥がれ落ちて、血液とともに体外へ排出されます。

これは、女性が妊娠や出産に大きな役割を持っているためであり、1か月に1度の生理周期中は、ホルモンの働きが変化することで、女性のからだもさまざまに変化するのです。

たとえば生理前になると、卵胞ホルモンの代わりに黄体ホルモンが多くなってきます。

黄体ホルモンが増えて皮脂量が増えると、肌が脂っぽくなったり、毛穴に脂がつまったりして、肌荒れが起きやすくなってくるのです。

生理前によくあらわれる肌荒れとは

ニキビが気になる女性
出典:Pixabay

生理前になると、どんな肌荒れが起きやすくなるのでしょうか。

それでは、どんな肌トラブルがあらわれるのか見てみましょう。

にきびや吹き出もの

およそ生理2週間前の黄体期になると、黄体ホルモンであるプロゲステロンが増え、皮脂の分泌が活性化されます。

くわえて、ホルモンバランスが不安定になる生理前は、にきびや吹き出ものができやすくなります。

とくにあごや口元はふだんから脂っぽくなりがちな場所なので、この時期は気を付けたいものです。

中に膿がたまってしまう「黄にきび」ができてしまったら、つぶさないように気を付けて、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。

赤み

生理前になると顔が赤くなってしまう方も。

肌が赤くなってしまうのは、黄体ホルモンが増えることで血流が増えることや、皮膚のバリア機能が低下してしまうことが原因といわれています。

また、卵胞ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ってくるため、肌が乾燥してきます。

そのため、肌がかゆくなったり、赤くなったりといった炎症が起きやすくなるのです。

肌が赤くなってきたら、まずは炎症を鎮めることが大切です。

乾燥

肌が脂っぽくなってしまう人がいる一方で、乾燥しがちになる人もいます。

卵胞ホルモンのエストロゲンは、肌の潤いを保持する働きがあります。

しかし、生理前になり、分泌量が減ることによって、肌の表面がカサカサしやすくなってしまうのです。

1日に何度も洗顔していると保湿ができなくなり、肌の乾燥が進んでしまう可能性があります。

生理前は意識して肌をいつも以上に清潔に保ち、しっかりとした保湿ケアを心がけましょう。

テカリ

生理前になると、顔のテカリが気になる人はいませんか。

これは生理前になると卵胞ホルモンであるエストロゲンが減り、黄体ホルモンのプロゲステロンが増えることが原因です。

ホルモンバランスが崩れ、皮脂の分泌が多くなります。

からだの潤いが不足していると、皮脂の分泌量が増えるので、テカリも増えてしまいます。

こうしたテカリを防ぐには、毎日の洗顔で不要な汚れをしっかりと落とし、保湿してあげることが必要です。

生理前の肌荒れにできる対策

スキンケア
出典:Unsplash

このように生理前の肌荒れは、ホルモンバランスが不安定になることによって起きることがわかりました。

では、この肌荒れを予防するにはどんな対策をしたらいいでしょうか。

肌だけをケアするのではなく、からだの中からもできる対策をご紹介します。

<h3ビタミンB群・水分を積極的に摂る

B1やB2などのビタミンB群は、体内に入るとエネルギー代謝をスムーズに行う働きがあります。

そのため、生理前にビタミンB群を摂ると、月経前症候群(PMS)の発症リスクを抑えることができます。

豚肉やうなぎなどを積極的に食べましょう。

また、肌が乾燥しがちな人は、体内に潤いを保持し肌の乾燥を防ぐため、積極的に水分を摂りましょう。

冷たい水は下腹部痛を起こす可能性があるため、常温の水や白湯を飲むのがおすすめです。

善玉菌を増やす

体内のホルモンバランスを左右するのは、実は腸内環境なのです。

生理前になりホルモンバランスが崩れると女性は便秘になりやすい傾向にあります。

便秘が続くと、体内に老廃物が滞留して有害物質へと変化するため、肌トラブルの素になるのです。

腸内環境が乱れて悪玉菌が増えると、ホルモンバランスに影響を及ぼすため、善玉菌を増やしていくことが大切です。

キムチや納豆の発酵食品や、味噌や醤油などを積極的に摂りましょう。

保湿ケアを入念に行う

ホルモンバランスの変化によって、普段より皮脂の分泌量が増えたり、肌が乾燥したりするため、しっかりと洗顔して肌を清潔に保ち、入念に保湿ケアをしてあげることが大切です。

また、必要以上に化粧品を使うよりも、スキンケアの見直しをすることもおすすめです。

皮脂が多いときはさっぱりと、乾燥しているときは保湿をしっかりと、その時々に合わせて、肌を整えてあげましょう。

からだを冷やさない

生理前にからだが冷えると、血行が悪くなるため、生理痛が悪化する可能性があります。

血行が悪くなると、老廃物がなかなか排出されないようになるので、肌荒れの原因になります。

とくに生理前は下半身を冷やさないように腹部を温めるることが大切です。

冷たい飲みものや食べものは控えて、腹巻きやカイロなどを使用するのがおすすめです。

生理前の肌荒れ対策には漢方薬もおすすめ

生薬
出典:Unsplash

生理前の肌荒れ対策としては、漢方薬を利用することもおすすめです。

漢方薬は、さまざまな症状をからだからの声としてとらえ、根本から原因を考えます。

肌荒れを皮膚の一部の問題としてではなく、全身的な状態のあらわれとしてとらえ、からだの中から整えて根本的な改善をしていきます。

まずは自分の肌タイプを知り、それに合わせた漢方薬を取り入れていくことにしましょう。

漢方薬は、2~10種類ほどの生薬を組み合わせたもので、生薬の効果を高め、毒性を抑えるように配合されており、治療効果のある医薬品として正式に認められています。

ここでは、生理前の肌荒れ対策におすすめの漢方薬を3つ解説します。

なお、漢方薬は体質を見極めることが重要であるため、専門家に相談して、個別に健康管理をしてくれるサービスもあるのでおすすめです。

<おすすめの漢方薬>

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

【効能・効果】
めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎など

皮膚のかゆみなどを鎮め、からだを冷やして熱をとり炎症を鎮めます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

【効能・効果】
にきび、のぼせ、生理痛、月経不順、月経異常など

滞った「血(けつ)」のめぐりをよくして充血や炎症を抑えます。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

【効能・効果】
便秘、にきび、のぼせ、イライラ、月経不順、月経困離など

血行を整えてからだを冷やすことで、心を落ち着かせるとともに、炎症を抑えます。

肌ケアで美肌を手に入れよう

生理前の肌荒れを防ぐためには、普段から肌ケアをしっかり行い、生理前に起こるホルモンバランスを整えることが大切です。

肌の状態をきちんと見極めて、適切なお手入れをしてあげましょう。漢方薬も併用することで、からだの中から美肌を目指していくことも可能です。

<この記事の監修者>
横倉先生

横倉恒雄(よこくらつねお)医師
婦人科・心療内科・内科

医学博士/医師。
横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。
故・日野原重明先生に師事。
ストレスなどから不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。
新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)はポジティブなメッセージに溢れていると話題に。
快食脳ダイエット講座も好評。


木村 英子(きむらえいこ)
あんしん漢方薬剤師

北里大学薬学部・東京大学大学院医学系研究科卒。臨床検査技師。
厚生労働省検疫所・病院にて公衆衛生・感染症現場を経て、インドアーユルヴェーダの権威ミーナクシ・アフジャ博士に師事。
対症療法ではなく体質を根本改善することの重要さを痛感し、西洋医学をベースに東洋医学からのアプローチを取り入れ、アロマやハーブを活用した情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

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