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梨のシャリシャリした果肉に働きがあった!肉料理のデザートに梨がおすすめの理由とは?栄養士ライターが解説

  • 2024.9.27

秋の味覚代表!梨(ナシ)の栄養を解説!

▲日本梨(和梨)には、青梨と赤梨があり、「二十世紀」(写真)は青梨の代表格。甘みと酸味のバランスがよく、シャリシャリ感を強く感じることができます。
▲日本梨(和梨)には、青梨と赤梨があり、「二十世紀」(写真)は青梨の代表格。甘みと酸味のバランスがよく、シャリシャリ感を強く感じることができます。

独特のシャリシャリした食感と、口の中いっぱいに広がるみずみずしい味わいに秋の訪れを実感する梨(なし)。古くは『日本書紀』に梨の栽培記録があり、江戸時代には約150種もの品種が栽培されていたとか。日本人にとって、なじみが深い果物の一つと言えそうです。「二十世紀」「幸水」「豊水」「新高」など多彩な品種があり、人ぞれぞれお気に入りの梨があるかもしれませんね。この記事では、梨の栄養について解説したいと思います。

梨の果肉に食物繊維と同じ働きをする石細胞あり!

▲赤みがかった皮が特徴の赤梨。「新高」(写真)をはじめ、「幸水」「豊水」「秋月」などがあります。甘みが強く、果肉がやわらかめ。
▲赤みがかった皮が特徴の赤梨。「新高」(写真)をはじめ、「幸水」「豊水」「秋月」などがあります。甘みが強く、果肉がやわらかめ。

梨特有のザラザラした果肉に含まれているのは、石細胞(せきさいぼう)と呼ばれる繊維のかたまり。リグニンやペントザンという難消化性の繊維で形成され、体内に入ると食物繊維と同じ働きをします。また、梨の清涼感のある甘さは、果糖(フルクトース)やゾルビトール(糖アルコールの一種)によるもので、実はゾルビトールにも整腸作用があります。便通を改善したいときや、腸内環境を整えたいときに梨をデザートに選ぶとよいでしょう。

なお、梨のカロリーが気になる人のために補足すると、梨1個(果皮や芯を除いた正味重量255g)に含まれるエネルギーは97kcal(キロカロリー)で、りんご1個(果皮や芯を除いた正味重量210g)の111kacl(キロカロリー)よりも控えめ(※1)。ダイエットをしている人も食べやすいのではないでしょうか。

(※1)参照:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部より

消化を助け、肉をやわらかくする酵素も含まれている

▲お肉など、たんぱく質をたくさん食べた後は梨をデザートに!
▲お肉など、たんぱく質をたくさん食べた後は梨をデザートに!

また、お肉料理などを食べた後のデザートにも梨はおすすめです。たんぱく質を分解する酵素のプロテアーゼを含んでいるので、消化を助けてくれます。韓国でも梨はよく食べられていて、冷麺に梨をトッピングしたり、焼肉のタレにすりおろした梨を加えたりするのは、理にかなった利用法と言えます。

“秋バテ”予防になる疲労回復を促す成分も豊富

▲食感が日本梨とは異なり、なめらかな西洋梨。その代表格が「ラ・フランス」。
▲食感が日本梨とは異なり、なめらかな西洋梨。その代表格が「ラ・フランス」。

さらに、梨には疲労回復を促すリンゴ酸とクエン酸などの有機酸や、アミノ酸の一種でエネルギー代謝を高めて疲労回復を促進するアスパラギン酸が含まれています。また、前出のソルビトールには、のどの炎症をやわらげる働きも。不足するとダルさを感じやすいカリウムも含まれていますので、夏の疲れやダメージが遅れて出やすい初秋にぴったりのお助けフルーツと言えそうですね。

ちなみに、洋梨(西洋梨)にも有機酸やゾルビトール、たんぱく質分解酵素が含まれていますが、石細胞は少なめ。とろけるようななめらかな食感と甘みと香りが強いのが特徴です。日本梨と西洋梨を食べ比べてみるのも楽しいですね。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性- 第2版』東京化学同人,2021、三輪正幸監修『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店,2015、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018

(野村ゆき)

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