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仕事に熱中しすぎて部屋は散らかり放題。タイ料理が好きという理由で現地へ。豪快で愛おしい妻に振り回される夫の日常

  • 2024.9.27

『破天荒な妻に今日も振り回されています』(ゆきたこーすけ/竹書房)は、人気ブロガーゆきたこーすけ氏が描く、パワフルで個性的な妻との日々を描いたコミックエッセイである。

主人公の妻は「カツシン」の愛称で呼ばれる会社経営者だ。仕事に熱中する一方で、家事は大の苦手で、部屋はいつも散らかり放題だ。そんな彼女だが、困っている人を放っておけない優しさ溢れる一面も持ち合わせている。夫である作者は、そんな彼女の豪快ながらも愛らしい姿に日々振り回されっぱなしなのである。

彼女の豪快さは、タイ料理が好きという理由だけで現地まで行ってしまう行動力や、ゴキブリを素手に近い状態で退治してしまう大胆さからも感じられる。なぜか外国人に縁のある彼女は、東京から箱根まで道案内したり、マラソン大会でリタイアの仕方が分からず困っているタイ人と成り行きで一緒に棄権したりと、彼女の周りには、驚きと笑いが絶えない。

また、型破りなカツシンを育てた両親も個性的だ。思いつきでスペインに滞在した母や、定時退社を徹底しているうちに、家事をマスターした父など、カツシン家は「家庭円満のために我慢する」という根性論とは無縁だ。

本作は、それぞれの家族や状況に合わせた生活のあり方を提示しているように思える。夫である作者は、日本中を飛び回る妻を家で待ち、家事が苦手な妻の代わりに家を切り盛りしている家庭を持つ重圧ばかりがクローズアップされ、誰かと一緒に住むことや子どもとの生活に夢や希望を持てない人が多い中で、「こんな家族ならあり!」と思えるゆるさとほっこり感は、現代社会の生きづらさを抱えている全ての人にとって希望の光になるはずだ。

自由な家族のかたちを肯定し、「こんな家族があってもいいじゃない!」というメッセージを発信する本作は、現代社会に必要不可欠な視点を描いた作品と言えるだろう。

文=ネゴト / ニャム

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