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つらい「二日酔い」早めに治すには?対処法3選&NG行為 消化器外科専門医が解説

  • 2024.9.27
二日酔いの症状を抑えるには?
二日酔いの症状を抑えるには?

お酒を飲み過ぎた翌日に頭痛や吐き気、胃の不快感などに襲われた経験はありませんか。こうした症状は「二日酔い」といわれており、1日中苦しめられるケースも珍しくありません。二日酔いになった場合、できるだけ早く治すにはどうしたらよいのでしょうか。筑波胃腸病院(茨城県つくば市)理事長で消化器外科専門医の鈴木隆二さんに聞きました。

水だけでなく「ナトリウム」「カリウム」も摂取を

Q.まず二日酔いの原因や主な症状について、教えてください。

鈴木さん「二日酔いは、アルコールが体内で分解される際に発生する『アセトアルデヒド』という物質による毒性作用が原因で起こります。また、アルコールによる利尿作用で脱水が進行すると、症状を悪化させます。二日酔いになったときに生じる典型的な症状は次の通りです」

■頭痛脱水により脳の血管が収縮・拡張するために起こります。また、アセトアルデヒドが脳の血管に影響を与えることも頭痛の一因です。

■吐き気・嘔吐(おうと)アセトアルデヒドが消化器に刺激を与えるほか、アルコールが胃酸の分泌を増加させるため、嘔吐や胃の不快感が引き起こされます。

■疲労感・倦怠(けんたい)感アルコールの分解のために大量のエネルギーを消費するため、体の疲労感が強まります。また、アルコールが睡眠の質を低下させるため、休息が十分に取れず倦怠感が残ります。

■脱水症状先述のように、アルコールの利尿作用により、体内の水分が過剰に排出され、脱水状態になります。そのため、口の渇きやめまいが生じます。

これらの症状は、アルコールの分解過程で発生するアセトアルデヒドの毒性作用と、アルコールの利尿作用による体液バランスの乱れにより発生します。

Q.では、二日酔いになった場合、できるだけ早く治すにはどのように対処したらよいのでしょうか。

鈴木さん「二日酔いを早く治すためには、次の3つの対処法が効果的です」

(1)水分補給脱水が二日酔いの主な要因の一つであるため、水分のほか、ナトリウムやカリウムなどの電解質をしっかり補給することが重要です。特に電解質の補給は脱水症状を改善し、体液バランスを整える上で重要です。スポーツドリンクはナトリウムやカリウムなどの電解質を含んでおり、二日酔い時の脱水状態を改善するのに効果的です。

ただし、糖分が多い製品は、血糖値を急激に上昇させる可能性があるため、過剰摂取には注意が必要です。

(2)ビタミンB群と糖分の摂取アルコールの代謝にはビタミンB群が関与しているため、これを補うことで代謝を助けます。また、血糖値が低下している場合があるため、おにぎりやスープといった軽食、果物で糖分を補給します。

二日酔いの程度によっては食べられないかもしれませんが、ビタミンB群を豊富に含む食べ物、飲み物は次の通りです。コンビニエンスストアやスーパーなどで手軽に購入できるので、摂取してみてはいかがでしょうか。

【ビタミンB群を豊富に含む飲み物、料理】・栄養ドリンクビタミンB1やビタミンB6を手軽に摂取可能。

・豚しゃぶサラダ豚肉はビタミンB1が豊富に含まれており、野菜も摂取できるため栄養バランスが良い。

・豚肉のしょうが焼き豚肉にはビタミンB1が豊富。簡単に作れて、主菜として食事に取り入れやすい。

・サバの塩焼きサバはビタミンB6やビタミンB12が豊富で、手軽に食べられる。

・サバのみそ煮サバはビタミンB6とビタミンB12が豊富。みそも発酵食品なので腸内環境を整えやすい。

・玄米おにぎり玄米おにぎりはビタミンB1やビタミンB3が含まれており、通常の白米おにぎりより栄養価が高い。

・チキンサラダ鶏肉にはビタミンB群が含まれ、サラダで野菜も摂取できる。ドレッシングは油分を抑えたものを選ぶと良い。

・納豆巻きと野菜ジュース納豆はビタミンB2が豊富で、野菜ジュースでさらにビタミンを補給できる。

・サラダチキンと玄米おにぎりサラダチキンは高タンパクでビタミンB群も摂取でき、玄米おにぎりでさらにビタミンB群を補強できる。

(3)休息肝臓がアルコールを分解し、体から毒素を排出するには時間がかかります。できるだけ体を休め、自然な回復を促すことが大切です。

二日酔いのときのNG行為は?

Q.二日酔いのときにやってはいけない行為はあるのでしょうか。

鈴木さん「二日酔い時に避けるべき行為は次の通りです」

(1)アルコールの追加摂取(迎え酒)迎え酒をすると、一時的に症状が和らぐように感じますが、肝臓にさらなる負担をかけ、二日酔いの回復が遅れます。

(2)カフェインの過剰摂取カフェインは利尿作用があるため、脱水症状を悪化させる可能性があります。

(3)脂肪分が多い食べ物を摂取する消化が遅く、胃腸に負担をかけるため、胃の不快感を増幅させることがあります。

(4)運動二日酔いで体が脱水状態のときに運動をすると、さらなる体液の喪失を引き起こし、体調を悪化させる可能性があります。

迎え酒やカフェインの過剰摂取は、肝臓や体液バランスに悪影響を与えるため、避けるべきです。

Q.もしお酒を飲み過ぎてしまった場合、翌日に二日酔いになるのをできるだけ防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。飲酒後にできる対策について、教えてください。

鈴木さん「先述の二日酔いになった場合の対処法と重なる部分もありますが、飲酒後に二日酔いを防ぐためには、次の対策が有効です」

(1)水分を十分に摂取する飲酒後に水分を摂取することで、アルコールの利尿作用による脱水を防ぎ、体液バランスを整えます。

(2)軽い食事を取るアルコールが胃にダメージを与えるため、胃を保護するためにも、おにぎりやスープなどの軽食を取ると良いです。

(3)ビタミンB群とビタミンCを補給これらのビタミンはアルコールの代謝を助け、肝臓の負担を軽減します。ビタミンB群が含まれるサプリメントや栄養ドリンクなどのほか、ビタミンCが含まれる果物を摂取するのが効果的です。

水分補給やビタミンの摂取は、アルコール代謝の促進と脱水予防に有効であり、二日酔いの予防につながります。

オトナンサー編集部

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