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「なんとなく」の冒険なき人生だった28歳、行くあてのない旅へ

  • 2024.9.27

今年、28歳になった私にとって、20代でしたいことを20代のうちに叶えられる時間はあまり残されていない。
私はあと2年以内に、何をしたいのだろうか。
そう考えるうちに思い至ったのは、「行くあてのない旅をしてみたい」という願いだった。

◎ ◎

私は今まで、ずっと普通の平凡な人生を過ごしてきた。
学生時代は、たまに遅刻や欠席はしたけれど、留年も浪人も一度もすることなく卒業した。
部活はほどほど。勉強も体育も何もかも、学年で一番でもなければ、最下位でもない。
大学卒業後は、事務の仕事に就いた。特に出世を目指すこともなく、ほとんど定時で帰って、仕事に疲れた日は決まってスイーツを食べる。

土日は家で過ごすことが多い、インドア派。たまには、好きなアイドルを見にライブに行ったり、映画を見に行くこともある。
友達は多くはないが、0でもない。
男性にモテることはないが、マッチングアプリのおかげで、自分と同じような普通の男性と27歳で結婚した。

こうして振り返ると、どこを切り取っても、普通で、冒険のない人生だった。
海外留学、起業、転職……そういった、人生を変えるきっかけになるようなことは、一つもしてこなかった。
いや、する勇気がなかっただけかもしれない。

◎ ◎

ドラマチックな大失恋や、友達との大喧嘩、スポーツに打ち込んできた中での挫折などの心揺るがすような出来事もなかった。
もちろん、人生の中で何度か失恋や喧嘩や挫折はあったけど、今にして振り返ると、大したことはない。
ただ、毎日、ほんの少しの感情の移り変わりと一緒に、穏やかな、のんびりとした日々だけを過ごしてきたみたいだ。

今の人生に特に不安はない。
かといって、今の人生が大満足かと言われれば……わからない。

◎ ◎

今までずっと、「なんとなくこれでいいか」と思いながら、親や世間の期待する「普通」から外れないように過ごしてきた気がする。
冒険も挑戦も避けて、安全な場所ばかりを選んで過ごしてきた。
28歳になる今でも、本当に自分が何をやりたいのか、考えたことがなかった。

だからこそ、20代のうちに何かやれることがあるならー自分が本当にやりたいことは何だったのか、探したい。
そのために、行くあてのない旅をして、知らない土地に行って、冒険してみたい。

30代、40代と歳を重ねれば、きっとどんどん冒険をすることはできなくなってしまうだろう。
こんなことができるのは20代が最後のチャンスだという気がする。

◎ ◎

1週間……いや、1か月は必要だろう。
計画は立てない。
SNSも気にしない。
自分の手や耳で行きたいところを探し、心に問いかけながら、旅を進める。

時にはトラブルやハプニングもあるかもしれない。旅をやめたくなることもあるかもしれない。
それでも逃げないでやってみたい。
もう、安全地帯で過ごすのは十分だ。

山奥のペンションの窓から見える木々や動物。
初めて行く国で眺める水平線や、香辛料の匂い。
日本とは違う気候の地域で、木漏れ日や風の香りを肌で感じてみたい。
それらを感じたとき、私は初めて、自分の本当の人生に、向き合える気がするのだ。

■和葉のプロフィール
会社員。平均的な人生を送ってきました。アイドル、お笑い、スイーツが好き。

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