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「あなたは1人ではない」と伝えるのは私も1人ではないという思い

  • 2024.9.26

社会人3年目、1人暮らし女性、彼氏無し、気軽に遊べる友達は片手で数え切れる程。特に秀でた才能もなければ見た目も良くはない。これが私。

布団に入りながら時折、「私はこのまま時々友達と遊び、その他の時間は仕事と家の往復で消費して死ぬんだろうか」と考える。

昨年5月、異動先で上手く職場に馴染めず心身を崩し、うつ病だと診断された。

それからは心療内科に通い、抗うつ薬などを飲みながら仕事を続けている。体調は良くなってきた実感はあるものの、やはり漠然とした不安で眠れなくなるのだ。私はこのままで大丈夫なのだろうか、と。

◎ ◎

そんな時はSNSを開く。「不安 眠れない」「仕事 行きたくない」など、今の自分の心境に当てはまる言葉を検索し、仲間を探す。ネットは便利だ。すぐ仲間が見つかる。

しかし、プロフィールに飛び投稿された写真を見ると......顔がいい、足が細くスタイルも良い。私にはないものを持っていた。病む。
そんなこんなで気づいたら時計は1時を指している。また無駄なことで時間を浪費してしまった。いけない、明日も仕事だから眠らなければ。しかし、そう思えば思うほど人というのは焦り、眠れなくなってしまう。

こういう時はYouTubeでASMR動画を開く。中学生の頃からASMR、または音フェチ動画にお世話になっている。最近のお気に入りはギャルの長い爪と爪がカチャカチャと擦れる音である。

片っ端から動画を再生し、これはいい!と思える動画に辿り着いた。暫く聴くが眠気は訪れない。しかし、音がとてもいいためこの方の他の動画も再生しようとチャンネルへ飛んだ。

投稿された様々な動画を品定めするようにスクロールすると、ふと1つの動画のサムネイルが目に留まった。妊娠した大きなお腹の写真に、タイトルには「大切なご報告」と記載されていた。

私よりも若い年齢で、人生の大きな決断をその方はしていた。とても喜ばしいことなのに、今の自分の現状と比べると情けなくなり、YouTubeを閉じた。そしてそんな自分に嫌気が差し、また病むのだ。

◎ ◎

時刻は深夜3時。眠気が訪れる気配は一向にしない。私は私だと、人と比べる必要はないと、在り来りな言葉を自分自身にかけてみるが効果はない。

あと数ヶ月で25歳の誕生日が来る。母親が私を産んだ歳と同じだ。結婚相手どころか彼氏すら暫くいない。好きだと思った相手からはLINEの返信はついに来なくなった。私はなんで生きているのだろうか。

だけど、もしかしたら私と同じような人がこの世の中にはいるかもしれない。そんな人たちに少なくともここに、将来に希望が見えず眠れぬ夜を過ごしている人間がいると伝えたい。だけどそれは、あなたは1人ではないと伝えているようで、私も1人ではないと、そう思いたいだけなのかもしれない。
これはうつ歴1年と数ヶ月のとある女の眠れない夜の話である。

■なこのプロフィール
アイドルが好きです。1番はアンジュルム。心が病んだ時の安定剤。
X:@nako_789

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