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なぜ『内村プロデュース』は伝説の番組になった? 有吉弘行らから見える芸人たちの内P愛

  • 2024.9.26

一夜限りの復活に歓喜の声

お笑い好きから愛される番組に(C)日刊ゲンダイ
お笑い好きから愛される番組に(C)日刊ゲンダイ

来たる9月28日、『内村プロデュース』(テレビ朝日系)が『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』と題して一夜限りの復活をします。

この特番の発表がされるやいなや、X(旧Twitter)ではトレンド1位を獲得。収録の楽屋を撮影したレッド吉田さんの投稿も話題になり、いまだ冷めやらぬ人気に番組ファンでさえも驚くばかりです。

なぜこんなにも『内村プロデュース』は人々を熱狂させるのでしょうか。

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伝説的深夜番組として語られる内P

『内村プロデュース』(以下内P)は、2000年4月から2005年9月まで放送された人気バラエティ番組。内村光良さん、さまぁ~ず、ふかわりょうさんらが中心となり、芸人としての瞬発力を生かした様々な企画に挑戦するこの番組は、伝説として今でも語り継がれる存在になっています。

放送枠の変更が何度もありながら5年半続き、レギュラー放送終了後も復活を望む声がやまず、度々スペシャル特番が放映されていました。

レギュラー出演者による番組内ユニット「NO PLAN」は、当初の目標であった音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)のみならず、局の垣根を超え、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)や『ポップジャム』(NHK)にも出演。

映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』の映画主題歌となった「○あげよう」を収録したCDはオリコン10位以内に入るなど、音楽的にも成功をおさめました。

有吉弘行、ふかわりょう…停滞していた芸人を再生

「一発屋」だったふかわりょう(C)日刊ゲンダイ
「一発屋」だったふかわりょう(C)日刊ゲンダイ

内Pで特筆すべきなのは、今も活躍するスターが若手・中堅時代にこぞって出演していたということにあります。

前述のレッド吉田さんのXに写っていた“ゆかいな仲間たち”だけでも、上記レギュラー陣の他、有吉弘行さん、くりぃむしちゅー・有田哲平さん、バナナマン・設楽統さんなど、MCクラスの豪華メンツが揃っていました。

番組が開始した2000年代前半は、『爆笑オンエアバトル』(NHK)、『はねるのトびら』(フジテレビ系)、『エンタの神様』(日本テレビ系)、そして『M-1グランプリ』(ABC、テレビ朝日系)など、フレッシュな若手を発掘しようというバラエティ界の空気がありました。

一方で、内Pに出演していたのは、その波に乗り切れなかった若手や、ふかわさんやさまぁ~ず、有吉さんなど、一度ある程度ブレイクしたものの停滞していた芸人たちです。彼らが若手に負けじと大喜利や企画に泥臭く挑戦し、ふたたび輝く様はまさに芸人再生工場という雰囲気にも見えました。

有吉と三村のやりとりから見える内P愛

復活に「ワクワクするねえ」とポスト(C)日刊ゲンダイ
復活に「ワクワクするねえ」とポスト(C)日刊ゲンダイ

芸人側も、内Pに恩義を感じている人も多いといいます。なかでも有吉弘行さんはXで「3人(内村・さまぁ~ず)は命の恩人」と語っていることから、並々ならぬ思いを持っていることは間違いなし。

『有吉の壁』(日本テレビ系)が不定期特番として放送されていた2015年4月8日、Xにおいて三村さんと有吉さんの間でこんなやりとりが繰り広げられていました。

三村マサカズ(@hentaimimura):オープニングでわかったよ。有吉。お前の内村プロデュース魂。実現に向けてやってるぜ!!

有吉弘行(@ariyoshihiroiki):はい。好きなんです。。。

三村マサカズ(@hentaimimura):ただ俺たちの力だけではどうにもならない力が待ち受けてるかもよ。でも絶対実現するからな!

ふかわりょうさんも、今回の特番に先駆けて行われたイベント『祝還暦!内村プロデュース復活SP名作イッキ見&最新作チョイ見せ ふかわもどこかにくるよ上映会』に登壇した際、「私の人生はもう内村さんのおかげです」としみじみと語っていました。

『有吉の壁』など内Pイズムが引き継がれる番組が誕生

『有吉の壁』がレギュラー放送開始した際も、内Pの人気キャラクター・猫男爵の姿で告知をしていた有吉さん。このことからも、『有吉の壁』は内村プロデュースの魂を引き継ぐ番組と言っても過言ではありません。

また、かつて放映されていたくりぃむしちゅー・有田哲平さん司会の『有田P おもてなす』(NHK)も、芸人への無茶ぶり的な内容もさることながらタイトルからして内Pの流れを汲んでいると思わせられます。

番組に出演した芸人がその魂を受け継ぎ、新たな番組を作っている――のちのちに伝説と呼ばれるようになったのはそういった部分もあるのでしょう。

いまや売れっ子に(C)日刊ゲンダイ
いまや売れっ子に(C)日刊ゲンダイ

内Pを見て芸人という存在に憧れを抱き、その夢を叶えた今が旬の芸人も多いと聞きます。

2023年に放映された『有吉の壁 ベテランと壁を越えろ!』にて、若手とベテラン芸人がコンビを結成するくだりで、レッド吉田さんとコンビになったマジカルラブリー・村上さんが「内村プロデュースが好きだった」と、素直に喜んでいたのが印象的でした。

今回の特番には、ヒコロヒーさん、さらば青春の光、見取り図、ニューヨーク、マヂカルラブリー・野田クリスタルさん、パンサー、狩野英孝さん、ハライチ・澤部佑さん、モグライダーなどの『内P見ていた芸人』も出演。きっと、彼らによって『内村プロデュース』の魂が末代にまで受け継がれていくようになるのでしょう。

内村光良の人望と番組の吸引力か

MCクラスの芸人が一堂に揃うのは、スケジュール調整的にも大変だったはず。内村さんの人望と『内村プロデュース』という番組に吸引力がある現れですね。

そんな芸人や制作者、ファンの愛が詰まった28日夜の放送が筆者も楽しみです。今後も、再度定期的にスペシャル版が放映されるようになるのを祈るばかりです。

(小政りょう/ライター)

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