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敏感肌も使える!?【レチノール】の正しい使い方とおすすめコスメ5つ

  • 2024.8.12
教えてくれたのは…

皮膚科専門医

小林智子さん

美容成分のわかりやすい解説が好評。自身のYouTubeチャンネルやインスタではレチノールやレチノール配合コスメについても発信している。

使いたいけど使えない!? レチノールのリアルな作用と使い方とは? 強度や種類ごとに使い方を工夫すれば刺激レスで効果の高いケアが叶う!

副反応が出るか、出ないかは自分のつきあい方次第

「成分の流行りもあり、レチノールがかなり一般的になっているとは感じますが、使いこなせている人がまだ少ないという印象があります。というのも、実際に私のSNSへのコメントでもレチノールについての質問は非常に多いからです。なかでも、“皮むけ”や赤みなどの副作用を心配する声が大多数。ゆらぎやすい肌の人ほどレチノールを敬遠しているようですが、実はその必要はまったくなく、むしろ肌を安定させるためにレチノールを活用したほうがいいくらいです。刺激や一時的な副作用が怖いようですが、それらはレチノールの選び方や使い方次第で解決できます。

レチノールはビタミンAの一種で、種類によって作用の強さが変わります。SNSなどに“顔の皮膚がベロベロにむけた様子”がよくアップされていますが、ああいった美肌効果が高い代わりに副作用も強いタイプから、敏感肌や乾燥肌でも問題なく使うことができるマイルドなタイプまで存在しています。また、塗り重ねる順番を工夫したり、スキンケアに取り入れる頻度を調整することで、刺激の感じ方をコントロールすることができます。必要なのは、正しく取り入れること。今回の企画を読めば、正しい知識を学ぶことができるはずです! 上手にレチノールを活用して美肌を目指しましょう」

レチノールの基本について改めておさらい!

そもそもレチノールとは……?
ビタミンAの一種。ビタミンAのなかでも化粧品に配合される成分として最もポピュラーなのがレチノール。ほかにも誘導体のレチニルエステルや、処方薬に配合されるトレチノインなどがある。

【効果・メリット】

◆肌の代謝が活発に

表皮細胞の分裂速度をアップさせ、肌の生まれ変わりを促す。コンスタントに新しい細胞が生み出されると、肌はフレッシュでみずみずしい印象を保てるように。加齢によって薄くなった表皮に厚みをもたらす効果も。

◆真皮の若返りを促進

加齢によって減少する真皮のコラーゲンやエラスチンは、肌がゆるまないように支える、いわば柱のような存在。その産生を増やすように働きかけ、長期間使用することで弾力が取り戻せれば、シワやたるみの改善に。

◆皮脂分泌抑制

過剰な皮脂分泌をコントロールする働きがあり、ニキビや毛穴の黒ずみなど皮脂が原因の肌トラブルのケアとしても最適。排卵後から生理前にかけてホルモンバランスが乱れ、ベタつく時期の救済成分としても有効。

◆メラニンを排出し、シミを改善

年齢とともに乱れやすくなるターンオーバーのリズムを正常化し、メラニンを含む角質の速やかな排出をサポート。本来、外に排出されるはずだったメラニンが居座っていることで起こるシミやくすみの改善に役立つ。

【効果・メリット】

【副作用・デメリット】

◆刺激を感じやすい

「究極のアンチエイジング成分」といわれるほど、肌の年齢問題に幅広く対応する効果がある反面、肌に刺激を感じやすいというデメリットも。ただし、そのレベルはビタミンAの種類によって差があり、マイルドなものも。

◆一時的に赤みが出やすい

赤みやカサつきのほか、皮むけなどの症状が出ることがあるが、肌の“かぶれ”などとはまったくの別物。一時的なものであり、1週間~1ヵ月程度で改善する副作用といわれている。皮膚の薄い部分に反応が起こりやすい。

◆紫外線に弱い

紫外線に当たると分解されやすく、効果が消失するだけでなく刺激を感じやすくなる。日焼けによるダメージを受けやすくなることも。そのため、朝の使用は避けたほうが無難。使用する場合は日焼け対策を万全に。

【副作用・デメリット】
ビタミンAの種類と強度 トレチノイン レチノール レチノール誘導体 効果 刺激 高 低 強 弱

トレチノイン
レチノールの生理活性の強さを1とすると、その50〜100倍の強さがあるといわれている。ビタミンAの中で最も効果が高く即効性もあるが、副作用が強く、濃度によってはボロボロと皮がむけることも。多くの論文やエビデンスが存在。医薬品にのみ配合され、クリニックでの処方が必要。

レチノール
レチノールは肌に吸収されるとレチナールという段階を経て、トレチノインへと変化。ダイレクトに働くトレチノインと比較すると使用感がマイルドで、そのぶん副作用も少ない。化粧品に配合される美容成分として広く認知されている、ビタミンAの中では最もメジャーな存在。

レチノール誘導体
レチノールを安定化させ、扱いやすくした誘導体。レチニルエステルとも呼ばれ、安定性が高く刺激などの副作用も少ないため、レチノールビギナーに最適。ただし、効果が出るのに時間がかかる。化粧品には、酢酸レチノールやパルチミン酸レチノールなどと表記される。

皮膚科医が教える!覚えておきたいレチノールの使い方

週に数回の使用から始めるべし! 効果は十分期待できます

「肌のエイジングが気になるなら、レチノールとは一生つきあうべき」と小林先生が語るほどおすすめの成分。だからこそ上手に取り入れることが大事。まずは、肌をならしていくことから始めてみて。レチノールビギナーなら週1〜3回使用するところから始め、肌に問題がなければ回数を増やしていくのが理想的。毎日使わなくても時間をかければトレチノインと変わらない効果を期待できるので、無理なく長期戦で使用することを目標にして。

週に数回の使用から始めるべし!

使い続けることが何より大事!

レチノールは効果が出るまでに2~3ヵ月かかります。そのため、高い濃度で最短距離での効果を求めたはいいものの、赤みや皮むけなどの副作用に耐えられずにやめてしまうと意味がありません。無理なく続けられるタイプで長期使用することが大切。中には短期集中のほうが効くと考える人もいるようですが、それは間違い。ビタミンAの一種、トレチノインの研究では、低濃度(0.025%)で穏やかにアプローチをしても長期的に使うことによって、高濃度(0.1%)と同等の効果を得られることがわかっている。

塗り重ねる順番次第で、刺激・効果は変わります

効かせたいならスキンケアの最初に取り入れるのがベスト。洗顔後の肌にすぐ塗るとよく浸透するため高い効果が期待できるが、刺激を受けやすくなるという問題も。保湿ケアを済ませた後に塗ると刺激を感じにくくなるけど、効果も穏やかに。肌の状態やコスメによっても刺激の受け方は変わるので、様子を見ながら、快適に取り入れられる順番を見つけて使うのが理想的。

塗り重ねる順番次第で、刺激・効果は変わります

濃度より容器にこだわって選びましょう

レチノールは非常に不安定な成分なので、空気に触れると安定性が悪くなり、効き目も失われることが多いそう。ジャーや大容量ボトルなど、使っているうちに空気に触れる容器では、せっかくのレチノールが分解されてしまい、その力を発揮できていない可能性も。レチノールコスメを選ぶ際は、多少値が張っても、エアレスボトルを選ぶのが正解。

濃度より容器にこだわって選びましょう

組み合わせる美容成分にも注目を

組み合わせる美容成分によってうれしい相乗効果が! たとえば、レチノールと同じシワ改善効果のあるペプチドを合わせると、よりコラーゲンの産生力が高くなり、シワの改善効果のアップが期待できます。ナイアシンアミドは、バリア機能を修復する働きによってレチノールの刺激を緩和し、シワ改善力も後押しします。トレチノインとハイドロキノンは、医療の現場でも使われている絶対的な組み合わせであり、シミを改善したい人におすすめです。

ナイアシンアミド ペプチド

肌質別レチノールの取り入れ方早見表

赤みや刺激が怖い【レチノール初心者】の場合

肌が弱くても使える、マイルドなレチノール誘導体からスタート

肌が強くないと自覚している人や、刺激が心配だけどレチノールを試したいという人には、レチノール誘導体が最適。肌あたりがマイルドで、効果も穏やかなので、しばらく使って特に問題がなければ、レチノールへのステップアップを考えても。

◆頻度 週に2~3回

週2~3回の使用でも効果がある、という論文も存在する。敏感肌や乾燥肌の人などは、肌状態のよいときを狙ってスタートを。

◆種類 レチノール誘導体

使い始めは赤みが出たり刺激を感じやすいのでマイルドタイプからスタート。成分表にはパルチミン酸レチノールや酢酸レチノールと表記されている。

◆使用順 スキンケアの最後に

ファーストステップとして取り入れると刺激を強く感じやすいのがレチノールの特徴。ビギナーは、ケアの“締め”にもってくると◎。

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ドクターケイ
ABC-Gリペアセラム
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25ml ¥8250

レチノール誘導体のほか、グルタチオンやセラミドなどを配合。つるんと透明感のある卵肌に。

エンビロン
Cークエンスセラム 1
Cークエンスセラム 1

35ml ¥18040/プロティア・ジャパン

レチノール誘導体とペプチドにプラスして贅沢な美容成分を配合。4段階のステップアップ美容液。

何度か使った経験あり【レチノール中級者】の場合

心地よく使えるレチノール配合コスメで、毎日ケアを

コスメの配合成分として最も定着しているレチノールは、多くのエイジングケア効果についてのエビデンスがあり、変化を求めたい中級者向け。頻度もアップさせ、毎日のケアで地道にお手入れを続けることで、肌質が向上していくはず。

◆頻度 週に4~5回から毎日

使用がハイペースになって多少赤みが出たり、刺激を感じる場合、許せる範囲であれば、続けるほうが効果が出るまでの近道に。

◆種類 レチノール

レチノールの濃度が開示されているコスメは少ない。確実な効果を期待するなら、医薬部外品を選んでおけば間違いなし。

◆使用順 スキンケアの最初に

洗顔後すぐにレチノールコスメを。そうすると浸透しやすく、より大きな効果を引き出せる。刺激を感じたら、使用の順番を後ろに。

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キールズ
DS RTN リニューイング セラム
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30ml ¥9460

爆売れレチノール美容液。ナイアシンアミドの配合で使用感は穏やかながらハリケア力は◎。

エリクシール
レチノパワー リンクルクリーム S
レチノパワー リンクルクリーム S

〈医薬部外品〉 15g ¥6490(編集部調べ)

薬用有効成分、純粋レチノール配合で気になるシワを集中ケア。刺激レスな使用感が評判。

高い効果を追い求めたい! 【レチノール上級者】の場合

スピード感重視ならば最強のトレチノインにシフト

皮むけや強い赤みなどの副作用を厭わず、とにかく早く結果を出したいというなら配合濃度の高いレチノールや、トレチノインに移行するのもあり。トレチノインは処方薬になるのでクリニックへ。

◆頻度 毎日

結果にこだわるなら毎日使うのが理想的。保湿を丁寧に行うことで、気になる副作用を多少緩和することができる。

◆種類 レチノールもしくはトレチノイン

市販品の中でも本格的なレチノールコスメへのステップアップを。さらに効果の高いトレチノインに移行するなら副作用を覚悟。

◆使用順 最初にピーリングを取り入れるべし

ピーリングで不要な角質を剝離し、浸透を高めるとより効果を感じやすく。ピーリングは、サリチル酸を選ぶと毛穴ケア効果がアップ。

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ゼオスキンヘルス
Wテクスチャーリペア
Wテクスチャーリペア

50ml ¥20460(医療機関専売品)

「ハリが爆誕!」と話題の皮むきコスメ。一般的に0.1%でも高濃度といわれることが多い中、0.5%という高濃度のレチノールを配合。

撮影/藤本康介、伊藤泰寛(静物) イラスト/二階堂ちはる 取材・文/金子優子 構成/河津美咲

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