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京都・桜舞う春のお花見さんぽ ―哲学の道とレトロな洋館のカフェを訪ねて― [京都だよりvol.8]

  • 2016.3.13
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琵琶湖疏水のせせらぎに沿う哲学の道。そこは桜の季節にもっとも華やぎます。 京都には桜名所がたくさんありますが、歩きながらお花見が楽しめるとっておきのエリアといえばこちら。うららかな春の一日、水辺のおさんぽを楽しみましょう。

桜と水に癒されて、「哲学の道」の石畳をどこまでも

琵琶湖から水を引いた疏水に沿い、銀閣寺橋から若王子橋まで続く約1.5kmの小径は「哲学の道」と呼ばれています。趣きある石畳には、かつて街の中を縦横無尽に走っていた市電の敷石が使われています。

西田幾多郎(にしだきたろう)をはじめとする哲学者たちが、思索にふけりながら好んで歩いた散歩道だったことから、いつしかこの名がついたとか。

人気スポットなので、朝早くに訪れるのがおすすめ。バスを降り立てば、ピンク色に染まった世界がお待ちかね。疏水沿いに延々と続く約430本もの桜並木は、大正時代に日本画家の橋本関雪と夫人によって寄贈された染井吉野にはじまるそう。満開のころに桜のトンネルとなり、歩くだけでいつしか夢ごこちになれます。

桜とユキヤナギの競演、道端でたわむれるネコたち……心和ませてくれる風景が終点の若王子橋まで続いていきます。

花の盛りもいいですが、はらはらと舞う花びらのなかを歩くのもロマンチック。疏水に浮かぶ花びらが花筏(はないかだ)となって流れてゆく光景も素敵です。

哲学の道(てつがくのみち)

[住所] 京都市左京区浄土寺石橋町~若王子町

[時間]散策自由

[料金]無料

「法然院」の趣深い山門をくぐって愛らしい椿を眺めて

人通りの多い哲学の道を離れ山裾の細い道を進むと、趣ある寺社が点在しています。その中のひとつ、「法然院(ほうねんいん)は、鎌倉初期、浄土宗を開いた法然上人が阿弥陀如来を昼夜に六回拝んで功徳を称える「六時礼賛(ろくじらいさん)」に勤めた旧跡にあたり、江戸時代に念仏道場として再興されて「法然院」となりました。

朝もやが立ちこめる早朝は、幻想的な雰囲気につつまれる茅葺(かやぶ)きの山門をくぐると、清めとなるふたつの盛り砂「白沙壇(びゃくさだん)」が現れます。描かれる模様が季節によって変わり、しっとりとした風情を感じされてくれます。

白沙壇の間を通ると、東山の麓に緑豊かな境内が広がります。春の特別公開では、御所ゆかりの御殿を移築した方丈が公開され、中庭に咲き競う「花笠椿」、「貴椿」、「五色散り椿」が鑑賞できます。特別公開時には、大きな手水鉢にも色鮮やかな椿の花があしらわれ、訪れる人びとを和ませてくれます。

法然院(ほうねんいん)

[住所] 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30

[TEL] 075-771-2420

[時間] 境内自由(伽藍4月1日~7日500円、11月1日~7日800円)

[休] 無休

蔦の絡まるレトロな洋館「GOSPEL」でランチ&カフェ時間

閑静な住宅街に建つ蔦の絡まるおしゃれな洋館は、かつては個人の邸宅だったのだとか。艶のある深い味わいの木製の階段を上がって2階のカフェへ。

磨きこまれたケヤキの床にイギリスのアンティーク家具が配されるなど、その重厚な雰囲気に思わずため息がこぼれます。

お店を切り盛りする山中佳和さんがイギリス滞在時に現地で教わったレシピを元に、すべて手づくりするランチやスコーンなどのスイーツが味わえます。ランチの人気は、「ハンバーグセット」(1390円)。窓から差し込む穏やかな光の中、優雅な空間でいただけば、おいしさもひとしおです。

壁に並ぶレコードは2000枚以上。クラシックやジャズが流れ、おだやかなひと時を演出してくれます。

GOSPEL(ゴスペル)

[住所] 京都市左京区浄土寺上南田町36

[TEL] 075-751-9380

[時間] 12:00〜22:30(L.O.22:30)(貸切の場合あり、終了時間は要問い合わせ)

[休] 火曜(貸切利用応相談)

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