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比嘉愛未の反撃にスカッとした…修羅場を予感させる「まさか」のつながりも? 『スカイキャッスル』第3話考察レビュー

  • 2024.8.12
『スカイキャッスル』第3話 ©テレビ朝日

松下奈緒主演のドラマ『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)が放送中。人気韓国ドラマを原作とした本作は、高級住宅街「スカイキャッスル」を舞台に、秘密を抱えたセレブ妻たちによる壮絶マウントバトルが描かれる。今回は、第3話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

『スカイキャッスル』第3話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第3話 ©テレビ朝日

「スカイキャッスルの住人たちは、幸福を装うために戦い続ける」

『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)第3話、泉(木村文乃)は自身の小説に、そう綴っていた。幸福になるために戦うのではなく、幸福を装うために戦い続ける。これは、スカイキャッスルの住人だけでなく、すべての人々に共通する心理であるような気がする。

たとえば、SNSに煌びやかな日常をアップすることだってそうだ。自己満足で写真を投稿している人もいるかもしれないが、心のどこかでは「幸せそうでいいな」と思われたい気持ちが存在しているはず。ただ、そうやって他人軸で生きていると、ふと虚しくなる瞬間がやってくるのだ。「あれ、わたしが思う幸せってなんだっけ?」と。

筆者は、泉のような人間に憧れる。他人にどう思われるかを気にせず、自分が正しいと思ったことをする。

紗英(松下奈緒)や杏子(比嘉愛未)、美咲(高橋メアリージュン)のように、他人軸で生きている人間からすれば、「協調性がない」と捉えられ、苦手意識を持たれることもあるだろう。

しかし、泉はまったく気にしない。自分がいいと思えば、それでいい。他人に文句を言われたからといって、意見を揺らがすこともない。

スカイキャッスルに住むセレブ妻たちが泉を全面的に嫌っているのは、どこかで彼女に対する憧れがあるからではないだろうか。誰だって、他人に合わせて生きるのは疲れる。この人、明らかに間違っているよな…と思っても、「わたしも、そう思ってました」と笑顔で全肯定をするたびに、自分がすり減っていくような気がする。

でも、みんな“大人になるってそういうことだ”と自分に言い聞かせながら生きている。年齢を重ねるごとに、そうやって生きた方が世の中をうまく渡っていけることに気づいてしまうから。だからこそ、泉のように子どものままに生きられている人が、眩しくて、ときにうざったく思えたりするのだ。

『スカイキャッスル』第3話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第3話 ©テレビ朝日

第3話では、未久(田牧そら)が瑠璃(新井美羽)の“異母姉妹”である可能性が浮上した。瑠璃の好きな人・青葉(坂元愛登)は、未久に恋心を寄せているため、2人は恋のライバルでもある。

瑠璃と未久は、同じ学校に通ってはいるものの、生きている環境は正反対。瑠璃は、親に甘えまくっており、全力で勉学に集中できる環境があるが、未久は帝都病院に入院している母の看病や高額な治療費を賄うためにバイトに追われている。そのなかで、成績トップ争いの常連組になっているのだから、すごい。

瑠璃が成績トップになったことを自慢しても、未久は「そういうの、やめた方がいいよ。可哀想な人って思われるから」と全力スルー。大人びているというか、なんというか…。まさに、“達観している”という言葉がピッタリだ。たくさんの辛いことを乗り越えてきているため、恵まれた環境で生きている光洋学園中等部の生徒たちのことを、少し見下しているところがある。

しかし、瑠璃と未久が“異母姉妹”だったとするなら、ただのライバル…というわけにはいかなくなってしまう。英世(田辺誠一)が結婚を考えていた“学歴のない若い看護師”が、未久の母・希美(映美くらら)であることは確定路線だろう。紗英が英世を略奪した時点で、希美が妊娠していたとすれば? 瑠璃と未久が同い年であることを加味すると、やっぱり未久は英世の娘なのだろうか。

希美が、英世が働く帝都病院に入院していること。また、「ほかに頼れる人がいないの」と英世に電話をかけたということは、この2人の関係性が今後の浅見家を揺るがす起爆剤になってきそうだ。

また、秀才の姉・瑠璃に比べて勉強ができないため、紗英の関心を惹きつけることができず、「ママはわたしなんかいなくていいの」と思い悩んでいる真珠(白山乃愛)も、要注意人物になってきそう。万引きをしているところを見つけて、諭してくれた泉に心を許していく展開になっていく予感がする。

『スカイキャッスル』第3話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第3話 ©テレビ朝日

ドロドロ展開のなか、二階堂家が唯一スカッとさせてくれた。

これまでは、亘(鈴木浩介)の言いなりだった杏子が、「自分で動き出さなきゃ、何も変わらないの」と翔(柴崎楓雅)の部屋の壁に穴を開けた瞬間、暗かった二階堂家に光が差し込んでいく。

ずっと、勉強部屋に窓はいらないスタンスだった亘はもちろんブチ切れていたが、「翔が次のテストで10位以内に入れたら、部屋は今のままにさせてください」という杏子の願いを聞き入れ、その期待に応えるように翔が10位以内にランクイン。

たかが窓…と思う人もいるかもしれないが、この出来事は二階堂家が好転していく大きなきっかけになったはずだ。

第3話は、九条(小雪)の存在感が薄かったが、受験が近づくにつれ、さらに浅見家に介入してくることになるだろう。また、今のところいちばん平和そうな夏目家にスポットが当たる回が来るのも楽しみ。交錯しまくっているスカイキャッスルの相関図を一度整理してから、第4話に臨みたいと思う。

(文・菜本かな)

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