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戦前に誕生したオシャレでカワイイ女性たち モダンガールに学ぶ、上品でしなやかな美しさを作るコツとは

  • 2016.3.9
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「モダンガール(通称:モガ)」とは、1920年代(大正末期~昭和初期)に誕生した、西洋文化の影響を受けて当時の最先端のオシャレや生き方をしていた女性のこと。誕生から約100年、最近になってこのモダンガールは再び注目されています。

■携帯電話も持たず当時の衣装に身を包むモダンガール研究家 淺井カヨさん

そんなモダンガールに強い憧れを抱き、日々研究をしているのが日本モダンガール協會代表の淺井カヨさん。昭和初期のアパートに暮らし、携帯電話も持たずに当時の衣装に身を包むなど、自らもモダンガールの生活を取り入れているモダンガール研究家です。彼女による著書『モダンガールのスヽメ』(原書房)が刊行され、その記念トークイベント「モダンガールナイト」が西荻窪にあるカフェ「6次元」にて行われました。

イベントでは本書に掲載された当時を振り返る約200点の貴重な図版や資料をもとに、本書に制作に関して「当時を知る人が世代交代していく中で、彼らの生の声を忘れないように広めたいという気持ちがあった」という淺井さんが、モダンガールのファッションやライフスタイルを語りました。

■モダンガールファッションは、ひとつとして同じものが無い!

淺井さんはモダンガールの魅力の一つとして、「例えばカンカン帽一つとっても、いろいろな編み方や種類がある。どれ一つとして同じアイテムが無い」と語りました。正解がなく、多様性があることに惹かれるのだそうです。

また、「当時の洋装は、現代で骨董市や古道具屋で見かけても到底着られる状態ではなく、また貴重な品物であるが故に着潰すことはできない。そこで当時の資料をもとに、洋裁屋に頼んだりして洋服を新しく作って着ている」とのこと。

モダンガールファッションに興味を持った人は、是非そうした取り入れ方をして、自分だけのファッションの楽しみ方をしてみることがおススメ。本書には、ワンピースやビーズドレス、マントなど当時の洋装を身にまとった淺井さんの写真も数多く掲載されているので参考にしてみてくださいね。

■シックで上品な女性になりたければ、モダンガールの写真術に学べ

モダンガールの美しさはファッションもさることながら、その凛として品のある佇まいにもあります。淺井さんが本書でしている、写真を撮られる時の独自の提案をご紹介します。

立つときは決して猫背にならず、背筋を伸ばします。片手は腰に当てたり、もう片手は横に沿えたり口もとに持ってきたりなど、左右非対称にして動きを付けることがポイントです。足も真っ直ぐに揃えず、片方のヒールが少し見えるようなイメージで、どちらかの足を一歩下げるか斜めに。また、体を少し捻じって体全体がS字になるようにします。カメラ目線ではなく、少し遠くを見ている感じで。

こうして、写真でも体に動きがある写り方によって、女性らしいしなやかさを演出することができるのです。少し試してみただけでも、シックで上品なモダンガールになった気分がしませんか?

■お豆腐美顔術、コルクで作れる眉墨…美しい肌を作るモダンな美容法とは

ここでは、淺井さんも試していると本書の中で紹介されている、モダンな美容法を抜粋します。

当時、手軽で効果の高い美容法として紹介されていたのが「お豆腐の美顔術」。食品添加物のあまり使用されていない豆腐を木綿の布で絞って水気を取り、すり鉢でクリーム状になるまでよく摺ります。そこにグリセリンを入れ、さらに摺って完成。この豆腐クリームはコールドクリームとしても使え、マッサージの際には蒸しタオルで顔を蒸すと良いそうですよ。

また、当時はキルク(コルクの昔の呼び名)を燃やして眉墨を作っていたことが様々な雑誌等で紹介されていたそうです。ワインで残ったコルクを洗って乾かし、鉄串や火箸を使用して炙って燃やします。燃えて真っ黒になったらすり鉢で粉状になるまで摺り、ごま油などお好きな香りのする油少量で溶いて完成です。細筆につけて眉毛を描いてみてください。

なるほど、化学物質が入っていないこうした化粧品が、モダンガールの美しさを作っていたことが分かります。その他にも本書には、当時の暮らしグッズや家電、淺井さんの日々のモダンガール実践の様子など盛りだくさん。誕生して100年が経過しても現代人を惹きつけ続けるモダンガールのスタイルに、皆さんも習ってみてくださいね。

(取材・文/石狩ジュンコ)

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