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「いい奥さん」でいないと居場所がない。夫は、私とは対照的な美人で気が利く女友達と浮気をしている

  • 2024.6.25
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夫の浮気に気づいていても、なかなか離婚に踏み出せない妻は少なくないだろう。しかし、妻だけではなく「子ども」も父親の浮気を知って苦しんでいるのなら……?

『パパ、浮気してるよ?娘と二人でクズ夫を捨てます』(芸子 / KADOKAWA)は、子どもから「パパと離婚しちゃえば?」といわれる衝撃のシーンからはじまる物語だ。

主人公の香澄は、商店街で小さなクリーニング屋を営む夫の実家で同居する主婦。キツイ性格の姑と、学生時代から憧れの人だった夫・洋介と小学3年生の娘・ゆみと4人で暮らしていた。憧れていた人と結婚できたにも関わらず、その生活の実態は「思っていたよりもずーっと居心地が悪い」と愛想笑いを浮かべる日々だった。

洋介の親友である雅也が転職し東京で働くことを決めたことで、香澄とゆみの人生は一変する。雅也の妻・絵美が地元に残り、親友夫婦の別居生活がはじまってから洋介は変わっていく。洋介と元同級生である絵美との距離感は近すぎるものに変化して、娘のゆみにもキツく当たるようになってしまう。

夫や周囲の人からどんなに蔑ろにされても「いい奥さん」でいないといけないみじめさに、香澄は心が折れそうになっていた。ある日、洋介は絵美を優先するばかりか、絵美の娘のためにゆみの宝物を取り上げ、それに怒った香澄に暴力を振るおうとした。その結果、別居することになるのだが、香澄は優しかった洋介がまた「元に戻ってくれる」と信じる気持ちを割り切ることはできなかった。

離婚はしたくないし、娘のためにもするべきではない。そんな気持ちと同じくらい、香澄は洋介と離婚するべきだとも感じていたのだろう。ほとんど黒であろう浮気疑惑に、他の女性を優先するためにみじめな扱いを受ける自分と娘。離婚の文字が頭をよぎるには充分すぎる状況だった。

無理に笑って元の家族に戻ろうとしている母の姿を、ゆみはきっとこれ以上見たくなかったのだろう。手をぎゅっと握り締めて不安を飲み込み、ついに「パパと離婚しちゃえば?」と口にする。

たくさん傷ついたゆみのため、自分のために離婚を決意する香澄。探偵に調査を依頼し着々と不倫の証拠を集めていたある日のこと、雅也と共に突然家にやって来た絵美から妊娠報告を受ける。「妊娠してるとは知らなかった―…」という香澄の貼り付けたような表情の下には、きっと想像できないほどの激情が渦巻いているのだろう。崩壊の足音が聞こえてきそうな静けさに、ページを捲る手が止まらなくなっていく。

さんざん妻と娘を蔑ろにして不倫を楽しんだのだから、洋介が家族から「いらない」といわれ捨てられるのも当然のことだった。良い夫ではなくても、良い父親「だった」ことはあったかもしれないが、娘に「離婚しなよ」といわせる父親は、もう良い父親ではない。こうして、香澄が学生のころから憧れていた人との結婚生活は、怒りも涙も見せることなく終わろうとしていた。

しかし、不倫発覚後の離婚秒読みという絶望的な状況の中、洋介は良い父親に戻るために誠実に謝罪し、また認めてもらえるように努力する。真剣に反省している洋介の姿を見て、香澄は「もう1度やり直してもいいかもしれない」と再構築を考えはじめる。子どもの将来を1番に考えるなら、不倫した夫とやり直す未来を選ぶこともあり得ないことではないのだろう。

ゆみの涙は、子どもがいる家庭で起こる不倫の悲惨さを痛いほど教えてくれる。子どものためだと思った選択が、子どもを傷つけることもあるかもしれない。離婚と再構築で揺れる香澄が選ぶ決断を、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。

文=ネゴト/ 押入れの人

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