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知っておくべき! 子ども同士の“いじめ問題”に弁護士が必要なワケ

  • 2016.2.17
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こんにちは、佐原チハルです。

“弁護士”というと、自分の生活にはあまり関係のない職業のように感じられることもあるかもしれません。

しかし、法律のある社会で暮らしている以上、弁護士の存在は“遠い世界の職業”ではありません。

“学校”などの特殊な、ある意味では閉鎖的な空間に通う子どもがいる方の場合は特に、弁護士に頼ることや頼り方については、むしろ“知っていた方がいい”情報なのです 。

●子ども同士のいじめも“犯罪”です!

子どもがいじめられている、と気づけたとき、まずは“担任に相談する”という行動をとるイメージをされる方も少なくないかと思います。これは間違いではありません。

ただし、そうなった場合、学校からのはたらきで警察に連絡が行ったり、弁護士が関わるようになったりすることはあまりありません。

あくまで“学校内で起きたこと”として、学校内での解決が図られようとするからです。

けれど、いじめは“犯罪”です。「いじめ」とひとくくりに語られますが、内実は『傷害罪』『名誉毀損罪』『暴行罪』などさまざまです。

学校は“教育の場”です。“犯罪行為に対処する”ことに関しては、専門の場ではないのです。

そのため、「専門家に相談する」という選択肢を持っておくことが重要なのです。

●弁護士が関わることでサポートしてもらえることとは

弁護士の介入で、全てが解決するわけではありません。けれど、さまざまなサポートをしてもらえることがあります。

学校には、「しっかりとした調査を求める」「いじめている側への指導を求める(不十分な場合には出席停止を求める)」ことができます。

子どもの希望によっては、子どもの「転校を求める」こともできます。

子ども本人や保護者の訴えだけでは“警察に相談したけれど動いてくれなかった”としても、弁護士が入ることで、その重要性を必要な言葉で伝えてもらえることがあります。

被害届の提出や告訴状の作成などを通し、捜査が進むこともあるでしょう。

また当然、加害者(やその保護者)に対しても、治療費や慰謝料など、必要なものを請求しやすくなります。

被害者が正しく保護され、権利を守られるための強力なパートナー になってもらえることがあるのです。

●子どもが“加害者”であった場合も頼りましょう

いじめでなくとも、“加害者として子どもが逮捕されてしまったとき”や、“少年審判が行われるようになったとき”にも、早めに弁護士に相談しましょう。

「早く帰りたい」「罪を認めれば大丈夫と言われた」などの理由で、大人であっても、していないことを話してしまうことがあります。

そのようにして、子どもが不利になってしまわないようにする必要があります。

逮捕されてからの72時間は、保護者ですら面会はできません 。会えるのは弁護士だけです。

また、“少年審判”は、大人でいう“裁判”と同等のものですが、「罪を裁く場ではなく、子どもの福祉・更生のために行うものである」とされているせいで、弁護士を呼ぶ必要はないとされ、弁護士なしで行われてしまうことがあるのです。

けれどこの慣例は、少年犯罪への対処が厳しくなっている現状を考えれば、子どもの不利益につながることも多いです。

これらの場合はどちらも、お金がなくても依頼ができるようになっています。“まずは弁護士を呼ぶ”ことを、しっかりと覚えておきましょう。

●費用ってどのくらいかかるの?

総合的な費用がどの程度かかるかについては、相談してみないとわからない、ということも多いです。

“相談のみ”を考えた場合ですと、「30分程度で5,000円」 が一般的な相場のようです。もちろん弁護士・事務所によって、相談無料という場合もあるでしょう。

“法テラス”ならば、まずは通話料のみで話ができますので、最初はここに相談してみるのがよいかもしれません。

その後必要があれば、適切な相談所を教えてくれます。

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法律は、私たちの生活・人生を大きく左右するものであるにも関わらず、私たちは“素人”のため、上手な取り扱いができません。

専門的な知識や技術が必要なものに関し、専門家を頼るのは当然のこと。

いざというときには、ためらわずに相談できるよう、心の準備をしておきたいですね。

【参考文献】

・『ママ弁護士の子どもを守る相談室』浮田美穂・二木克明・森岡真一(共著)

【参考リンク】

・法律を知る 相談窓口を知る 道しるべ | 法テラス(http://www.houterasu.or.jp/)

●ライター/佐原チハル(フリーライター)

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