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4月入学だけじゃない! 進学時期のズレ「ギャップイヤー」の知識

  • 2016.2.12
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こんにちは。海外在住プロママライターのさとうあきこです。

教育制度の変革、海外帰国子女や海外留学生の増加などの影響を受け、6・3・3・4という日本でほぼ固定されていた学校教育単位が崩れてきました。

中高一貫校の増加もその一つですし、高等専門学校への注目、短大から大学への編入、大学院進学率の増加なども同じです。

さらにここに、『ギャップイヤー』 をプラスして、学校教育を多様化させていこうという試みも生まれています。

さて、この『ギャップイヤー』とはいったい何を意味し、どんな効果が期待されているのでしょうか?

●ギャップイヤーとは

日本では4月が入学、3月が卒業のシーズンとしてほぼ固定されてきました。

ところが、世界に目を向けると、国や地域ごとに学校年度の変わり目はいろいろな時期 にばらついています。

特に大学や大学院の入学時期は、4月、9月、1月などがあり、通っているハイスクールやセカンダリースクールの卒業月によっては、大学入学まで1年近い隙間が生まれます。

これをギャップイヤーと呼びます。

●ギャップイヤーの過ごし方

大学入学が決まっていながら、まだ入学する必要のないギャップイヤーを、多くの学生たちは“学校では学べないこと” を経験するために費やします。

アルバイトで大学費用を稼ぐ人や語学学校に通う人もいれば、バックパッカーとなって世界各地を旅する人もいます。

また、ワーキングホリデー制度を利用して異文化に触れたりボランティア活動に身を置いたりすることもあります。

●ギャップイヤーと浪人の違い

ギャップイヤーと浪人の間には、卒業と進学の間に学校に属すことなく過ごす期間という共通点はありますが、本質はまったく違うものです。

ギャップイヤーは、原則として近い将来に入学する学校 が決まっています。

一方で浪人は、入学先が決まらず、次のチャンスに向けて勉強を続ける人を指します。

●ギャップイヤーに期待される効果

大学側が、学生たちが入学前に自らの意思でギャップイヤーを過ごせるように入学時期を複数用意していることも珍しくありません。

ギャップイヤーを経験することに大きな価値があると考えているのです。

世界の学生の多くは、希望する大学への切符を手に入れるために多くの高校時代を勉強に費やします。

そして、そのまま大学生活へと突入して再びより難しく厳しい勉強の生活へと突き進んでいくと、勉強はできても社会適応能力が十分に発達しない頭でっかちな大人になってしまったり、うまく息抜きができずに燃え尽きてしまう 可能性があります。

これを防ぐのがギャップイヤー中に経験する“学校の外の世界” なのです。

「ギャップイヤーを経験することが、より社会性の高い学生を、そして社会人を造ることに役立つ」

大学などの高等教育機関も、そして企業や政府も考えるようになっています。

●まとめとして

日本ではまだ十分には浸透していないギャップイヤーという考え方ですが、一部の高校では海外帰国子女や留学生が入学しやすいように4月と9月の2期入学制度を設けることで、学生側に選択肢が与えられています。

同じように大学や大学院でも、入学時期を複数用意したり、受験資格を緩めるなどで、学校以外での社会経験を積んだ人の入学を歓迎する方向に動きつつあります。

長い人生の中、集中的に勉強する時期は限られています。だからこそこれまでは、その時期は勉強一筋に励むべきだとする風潮がありました。

でも、ギャップイヤーの存在は、学生は勉強だけしていればいいという時代はそろそろ終わりが近づいていることの証拠なのかもしれません。

【参考リンク】

・FLY Program(初年次長期自主活動プログラム) | 東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部(http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/fly/)

●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)

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