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“運命の人とは何か?” を注目映画『キャロル』が心に問いかける!

  • 2016.2.11
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“運命の人とは何か?” を注目映画『キャロル』が心に問いかける!

前回取り上げた『オデッセイ』のように、世界中の賞レースを席巻している作品のなかでも、今回は女性が主役の作品をご紹介します。本作は、『太陽がいっぱい』などで知られる大人気サスペンス作家パトリシア・ハイスミスが、別名義で発表した幻の小説を映画化した話題作。

それは、美しすぎる女優たちの競演が見逃せない、愛の傑作『キャロル』!

【映画、ときどき私】 vol.21

1952年、クリスマスを控えて活気にあふれるニューヨーク。誰もが浮かれているなか、フォトグラファーになることを夢に抱く若いテレーズは、ある高級百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトとして働いていた。恋人からは結婚を迫られているものの、どこか満たされない想いを抱えていた彼女。

そんなある日、テレーズは運命の出逢いをすることに……。

その相手とは、娘のクリスマスプレゼントを探しにおもちゃ売り場を偶然訪れた “大人の女性” キャロルだった。洗練されたエレガントな美しさを持つ彼女を見た瞬間、テレーズは目を離すことができなくなってしまう。鮮やかな金髪と艶のある赤い唇、真っ白な肌、そして吸い込まれそうな瞳、そのすべてに憧れずにはいられなかった。

そんな視線に気がついたキャロルは、テレーズに応対を頼み、2人は初めて言葉を交わす。その後、ある出来事をきっかけに、2人きりでランチをすることになり、そこでテレーズはキャロルの抱える悩みを知ることになる。彼女の “本当の姿” とは……。

愛のない偽りの結婚生活に苦悩し、夫と別居中の人妻だったのだ!

しかし、離婚を受け入れたくないキャロルの夫は、娘の親権を利用して復縁を迫っており、キャロルはさまざまな問題に直面していた。そんななか、徐々に魅かれあうキャロルとテレーズは、心の赴くままに旅に出ることになる。はたして、旅の終わりに2人が迎える結末とは……。

絡み合う2人の視線にドキドキ!

今回の映画のなかでも、とにかく話題となっているのが “視線”。美しいキャロルとテレーズの視線が絡み合うだけで、観ているこちらまで思わず心拍数があがるほど。特に、キャロルを演じる名女優ケイト・ブランシェットの目力には魔力すら感じ、あんな風に見つめられたら、性別も年齢も超えて、間違いなく誰もが一瞬で恋に落ちてしまうはずです。

ちなみに、私が男性の顔を見るときに、一番気になるところは “目”。だから、私は相手の目を好きになってしまうと、ついつい見つめてしまう癖があり、「穴が開きそう」と注意されることも(笑)……。「目は口ほどにものを言う」といわれているように、恋愛においては、目が重要な役割を果たしていると思うのです。

それでは、“運命の人” とはどんな人?

“運命の人” といえば、「いつも幸せをくれて、生涯を添い遂げられる人」のようなことを一般的には指しているかもしれません。でも、私にとっては「人生を変えてしまうような一番の喜びと悲しみを味わわせてくれる人」のこと。

そんな運命の人と出逢ってしまうことは、喜びだけでなく、同時に苦しみも経験することになるので、それを知ることが幸せか不幸かは人それぞれ。でも、その反面にある “この上ない幸せ” を感じることないまま人生を過ごす方が、もしかして一番の不幸なのではないかと感じているところです。

どんなに避けても、出逢わずにはいられない人が “運命の人”!

私は、”自分が考える運命の人” とは出逢ってしまっているのですが、そのとき感じた幸せと悲しみ、そしてお互いを傷つけあうことさえも、キャロルたちのようにそれぞれの人生を大きく変えてしまった気がしています。

なかでも、「運命の人とは、必ずしも一緒にいられるわけではない」という苦しみは、テレーズと同じように、「人生において、一番自分を成長させてくれた」といっても過言ではないのかもしれません。そして、それによって “本当の自分” に気づかせてくれるのも、運命の人にしかできないことだと思うのです。

誰かを愛することの前には、何もかなわない!

すべてを超越した2人の関係には、“人を愛すること” とは何かを改めて感じさせられ、それぞれが下す最後の決断に、思わず胸が締め付けられてしまうはず。偶然の出逢いは “与えられた運命” であるけれど、その結末をどう導くかは、本人たちが “変えることのできる運命” 。絵画のように美しい映像は目で、そして、目には見えない愛のつながりは、心で感じてください。

テレーズの運命の人の名は “キャロル”。あなたの運命を変えてしまった人は誰ですか?

作品情報

『キャロル』

公開表記:2月11日(木・祝)より、全国ロードショー

配給:ファントム・フィルム

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