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イタリアの国民的飲み物「エスプレッソコーヒー」の魅力

  • 2016.2.8
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日本でもおなじみのイタリアンカフェ、エスプレッソコーヒー。日本で一般的なアメリカンコーヒーに比べて、カフェインの量がものすごく多く、苦い、というイメージが一般的です。

そこで今回はイタリア在住の筆者が、イタリアの伝統的な国民的飲み物エスプレッソコーヒーの魅力をご紹介します。

 

■エスプレッソコーヒーの魅力3つ

エスプレッソという言葉は、イタリア語で“急行”、とか“速達”を意味します。その名のとおり、このコーヒーは、煎って細かく挽いたコーヒー豆を、急速に高圧で淹れるので雑味がなくすっきりした味わいです。

コーヒーの香ばしいアロマを嗅覚で楽しみ、口に含むと、まず頭がすっきり冴えわたる苦味を感じます。飲み終わりはナッツのようなコーヒーの豆自体の芳ばしい味覚が口に残り、余韻を楽しめます。甘党が多いイタリア人は、通常たっぷり砂糖を加え、この苦味と甘さの強烈なハーモニーを好みます。

イタリア人に圧倒的人気を誇るエスプレッソコーヒー、そのおいしさ以外にもイタリア人を引き付けるその魅力をご紹介します。

 

(1)朝の目覚めにぴったりのカフェイン効果

朝、エスプレッソコーヒーを飲まずに出かける人はイタリア人ではない、と言ってもいいくらい、イタリアの朝には欠かせない大切な要素です。

デミタスカップと呼ばれる小さなカップに半量ほど、わずか約25mlの量ですが、コーヒーのエッセンスが凝縮しているので、少量でもカフェイン効果を一気に堪能でき、朝の目覚めには効果抜群です。

イタリアでは昔から「一日に3、4杯のコーヒーは、体に良い」と言われているので、まず朝の目覚めの一杯、午前中の一休みに一杯、そして昼食後に一杯、という基本パターンを守って、カフェインの目覚まし効果を利用している人が多いです。

また、カフェインで夜眠れなくなるから16時以降は飲まない、という人が多数派で、やっぱり、イタリアでは朝の飲み物なのです。

 

(2)社交の一部、バールで楽しむコーヒー

イタリアならどんなに小さな田舎の村でも、必ず見つけることができるほど、イタリアの生活に密着した大切な場所、それは“バール”という珈琲店です。

バールでは高圧の専用マシーンでエスプレッソコーヒーを淹れるので、より濃いアロマと強い味わい、加えて表面にクリーミーな泡もかかっていて、家では再現できない特別な美味しさです。

バールの楽しみはそれだけではなく、行きつけのバールのカウンターで立ち飲みしながら、いつものバリスタ、常連客と会話を交わすことにもあります。バールでは座って飲むと、立ち飲みの約3倍の料金なので、ひしめき合いながらカウンターで立ち飲みするのです。

 

(3)コーヒー豆にも淹れ方にも、自分のこだわりを徹底追求!

コーヒー豆の主な産地は、南米からアフリカまで。その産地によって特徴は異なり、また、豆の種類によっても味わいも香りも異なります。ちなみに、水も大切な要素と言われていて、エスプレッソは硬水のほうがおいしくできる、というのが定説です。

エスプレッソコーヒーを家庭で淹れるために、モカという器具があります。これもまた、地方やメーカーによって様式もさまざまです。コーヒーの淹れ方にも、人それぞれの流儀があって、真剣な面持ちで、量を加減しながらモカに水やコーヒー豆を入れてセットし、コンロの火力を調節する様は、茶道ならぬ“コーヒー道”というような神聖さも感じられます。

 

アメリカンコーヒーとは全く別なものであることがお分かりいただけたでしょうか。コーヒー好きな人も嫌いな人も、一度イタリア流エスプレッソコーヒー試してみませんか?

【著者略歴】

※ KOKO ・・・大学時代に訪れたローマでイタリア料理の魅力にふれ、会社勤務ののちイタリア留学。その後イタリア人と結婚。専業主婦としてイタリア家庭料理の研鑽に励む。妊娠・出産を通し、食の大切さを再認識し、スローフードライフを実践。現在は2人の子どもの子育てを中心に、観光業、翻訳業、そしてイタリアのカルチャー、ライフスタイルについても情報発信中。

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※ PondPond / shutterstock

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