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スイーツ列車や金箔の列車もー個性的な観光列車での旅のススメ

  • 2016.2.3
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日本各地を走っている、個性的な観光列車やイベント列車。中でも、外観やインテリアにもこだわった豪華列車が注目を集めています。 今回は、そんな優雅な気分を味わえる列車を2つご紹介します。

クラシカルな空間でスイーツコースを楽しめる「或る列車」(JR九州)

列車は単なる移動手段ではなく、乗っている時間を楽しむためにある。そんな思いに気付かせてくれるのは、2015年8月に登場した「或る列車」です。

20世紀初頭に、当時の私鉄「九州鉄道」がアメリカのブリル社に発注したものの幻となってしまった「九州鉄道ブリル客車」、通称「或る列車」。この幻の豪華列車が、100年の時を超え蘇りました。

木の優しいぬくもりを感じられる洗練された車内

「ななつ星 in 九州」などを手がけたデザイナー水戸岡鋭治氏がデザイン・設計を担当。金と黒、唐草模様をあしらった外観。そして、車内は豪華ながらも木のぬくもりあふれる空間となっています。

2人席と4人席の1号車は、クルーズトレイン「ななつ星in九州」でも用いた格(ごう)天井がロマンチックさと豪華さを演出。

2人個室の2号車は、ウォールナットの組子に囲まれた落ち着いた雰囲気。どちらもクラシカルで優雅な雰囲気を醸し出しています。

オリジナルの器でいただく、九州産の素材を使ったスイーツコース

車内で提供されるのは、東京・南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ・成澤由浩氏によるスイーツコースです。

メニューは季節により変わりますが、2016年1月のメニューを例にご紹介します。まずは「長崎県 寒ブリの炙り、柚子ポン酢」など、九州の魚、野菜を使った彩り豊かな軽食と「九州産 黒毛和牛のビーフシチュー」からスタート。

その後、カクテルグラスに盛り付けられた1品目、大きなガラス皿に盛り付けられた2品目、ケーキやクレープなどちょっぴりボリュームのあるメインスイーツの3品目と、旬のフルーツなどこだわりの食材をたっぷりと使ったスイーツが続きます。 最後は、熊本県産和栗と佐賀県産ドライいちじくをパイ生地で包み込んだ「無花果のパイ包み」などの、ミニャルディーズ(お茶菓子)。ボリューム的にも十分満足できる内容です。

食材は、自然環境をテーマにした料理を作り続ける成澤さんが実際に九州各地の生産者を訪れ厳選したもの。使われている器も九州の職人たちがこの列車のために制作したオリジナル。見た目も楽しめます。

現在運行しているのは佐世保駅〜長崎駅間の1日1往復。残念ながら、JR九州が企画・実施する便は、2016年3月末までほとんど満席。他には、JR九州以外の旅行会社が企画する、ハウステンボスや長崎市内、佐世保市内などの観光とセットになったツアーがあります(受付方法や受付期間などは旅行会社により異なります)。また、2016年4月〜6月は、大分駅〜日田駅間の大分コース、7月〜9月は再び長崎コースになります。

長崎市内では、日本最古の木造洋風建築で世界遺産に登録された旧グラバー住宅や日本最古の教会堂として国宝に指定されている大浦天主堂、佐世保市内では九十九島を巡る遊覧船やご当地グルメの佐世保バーガーなど、見どころも豊富です。 <乗車ガイド>※JR九州企画・実施分について

[問い合わせ先]

TEL : 092-289-1537(JR九州 或る列車ツアーデスク)

[料金] ※2016年4月〜

基本プラン大人1名24,000円〜(2人席を2名で、または4名席を3名または4名で利用の場合)、子ども(10歳以上)22,000円 ※10歳未満の子どもは申込み不可

[運行区間]

佐世保駅〜長崎駅(2016年3月までと7月〜9月)、大分駅〜日田駅(2016年4月〜6月)

[所要時間]

約2時間30分

※4月〜9月のJR九州が企画・実施する便の一般発売は2月15日〜発売予定。

写真提供:JR九州

和の伝統が光る「花嫁のれん」(JR西日本)

2015年3月に北陸新幹線が開業し、東京から2時間半ほどで行けるようになった金沢。その金沢駅から和倉温泉駅を結ぶ観光列車「花嫁のれん」が2015年10月に登場しました。

「花嫁のれん」とは、花嫁の幸せを願い、婚礼の日に色鮮やかなのれんを贈る旧加賀藩の伝統文化のこと。乗る人の幸せを願い、名付けられました。

輪島塗や加賀友禅のイメージを取り入れた優雅なデザイン

赤を基調にした外観デザインは北陸の伝統工芸である輪島塗や加賀友禅をイメージしてデザインされました。

1号車は個性豊かな8つの半個室があり、それぞれ友禅のオールドコレクションをあしらった空間でゆったりとくつろぐことができます。

2号車は、紅色の椅子と背面の木の格子が特徴的なオリジナル回転椅子。伝統的によく使用される輪島塗の図柄が内装に取り入れられています。

2号車に設けられたイベントスペースでは、毎週土日に「楽市楽座」を実施。伝統芸能の披露や和菓子作り体験、地元特産品の試食・販売など、地域色豊かなイベントを週替わりで楽しめます。

日本を代表する旅館「加賀屋」の食事が楽しめます

車内で食事を楽しみたければ、4日前までに「花嫁のれん食事券」を購入しましょう。和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」総料理長監修による能登特産の食材や郷土料理など、加賀屋の味を織り交ぜた和軽食セット。

世界的に活躍するパティシエ辻口博啓さんがプロデュースする「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」のスイーツセット、同じく「加賀屋」総料理長監修による和惣菜と「宗玄酒造」の純米吟醸がセットになったほろよいセットから選ぶことができます。 到着地の和倉温泉は、能登半島を代表する温泉地。寒ブリ、加能蟹、のどくろ、あんこう、能登牛、地酒など、能登半島の海と山の幸を堪能することができます。金沢の歴史と文化を堪能した後は、花嫁のれんに乗って和倉温泉まで足を延ばし、温泉でのんびり過ごしてはいかがでしょうか。

<乗車ガイド>

[料金]

金沢〜和倉温泉間2750円(乗車券1380円、指定席特急券1370円)※通常期

[運行区間]

金沢駅〜和倉温泉駅

[所要時間]

約1時間22分(花嫁のれん1号の場合)

※詳細、問い合わせは下記ホームページにて

※写真提供:JR西日本

まるで電車に乗っていることを忘れてしまいそうな特別な空間で、プチ贅沢な気分を味わえる豪華列車の旅。旅先での非日常感をますます盛り上げてくれそうです。

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