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脅迫罪になるケースも!? 「近所の子どもを叱る」のはどこからが違法か

  • 2016.1.24
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【ママからのご相談】

最近、子どものためを思い、田舎町へ引っ越してきました。のどかな町で、公園も多く気に入っているのですが、どうしてもなれないことがあります。

田舎だからか、他の家庭の子に干渉するのが普通といった様子で、先日息子が公園で友達と軽いケンカになり、それを見ていたお爺さんが2人を𠮟り、ゲンコツを食らわせたようです。

ケンカの仲裁をしてくれたのは良いのですが、人の子どもをそんな強く叱ったり、しつけだと言って叩いて良いのでしょうか。

●A. 子どもを叩く行為は、“暴行罪”や“傷害罪”になる可能性があります。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

子どものケンカを止めてもらったのは良いのですが、叩くというのは問題ですね。

このように、子どもを叩く行為は“暴行罪”や“傷害罪”となる 可能性が高いです。

●今の時代では、ゲンコツは暴行罪になる

叩くほかに、強く叱る行為についても、その内容や程度によっては、脅迫罪(刑法222条)等の犯罪が成立したり、民事上違法と評価される可能性が出てきます。

まず、そもそも叱る行為ですが、本来であれば子どもをしつけるべき立場の親が叱るべきですね。

ただ、親御さんが近くにいないような場合、子どもがケガをしないように、周囲に迷惑をかけないように、ということで、一定程度、周囲の大人が叱るという行為も常識の範囲内であれば許されると考えられます。

ただ、必要な範囲を超えて、強く叱りつける行為は、子どももおびえて傷ついてしまうことがありますよね。

そのため、あまりに強く叱りつける行為は、過度なプライバシー侵害や人格権侵害として民事上違法という評価にもなりえます 。

また、「ケンカを止めないと殴るぞ」などと脅した場合は“脅迫罪”が成立する可能性がありますし、「その場で30分正座しなさい。土下座しなさい」などと脅しながら強要した場合は強要罪が成立する可能性もあります。

さらに、叱りつけるまではいいですが、腕を不必要にひっぱったり、ゲンコツで殴ったりという行為は、さすがに許されず、暴行罪が成立します 。これにより、打撲やねんざなどの傷害を負った場合は傷害罪が成立することになります。

●“子どものしつけ”は、あくまでも親の役目

やはり、子どもの行動を注意する、叱るべき立場にあるのは“親”というのが前提となりますので、マナー違反や問題行動を起こした子どもを見つけた場合は、“親に注意してもらう” のを原則と考えるようにしましょう。

親御さんが近くにいない場合は、叱るにしても軽くにし、それでもおさまらない場合は施設の管理者や場合によっては警察に連絡をするようにしましょう。

ご近所付き合いと家庭への過干渉のバランスをとるのは難しいかと思います。

しかし、よいご近所関係を保つためには、親御さんは日頃からお子さんが迷惑をかけないようにしつける、周囲の大人も必要な範囲で子どもに注意をするよう努める、というように、お互いに配慮することで良い関係が築けるといいですね。

●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所パートナー弁護士)

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