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冷えで風邪がぶり返す!? 健康をキープする「免疫力」の高め方

  • 2016.1.22
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【女性からのご相談】

冬になると毎年風邪を引いてしまうので、友達から、「免疫力が弱いからじゃない?」と言われました。

自分でもそう思いましたが、そもそも免疫力ってどういうことなのでしょうか。

また、免疫力を強くする方法などってあるのでしょうか?

●A. 免疫力を高めるには、胃腸を冷やさず体の適応力を上げることです。

ご相談ありがとうございます。理学療法士のOHSAWAです。

『免疫』という言葉は多くの方が使っていると思いますが、実際にその免疫とは具体的にどのようなことなのかわからないことも多いのではないでしょうか。

今回はその免疫力について説明していきますね。

●免疫力の正体は白血球

人間には免疫力と呼ばれる『病気にならないように予防する力』、『病気になっても病気を治す力』が備わっています。

人間が長い年月をかけて今日まで進化を遂げてこられたのは、免疫力のおかげであると考えられています。

その免疫力の正体は血液の中にある白血球 です。

白血球には顆粒球、リンパ球、マクロファージというそれぞれ役割をもった部隊に分かれて構成されています。

体に入った異物の中で大きな物を処分するのは顆粒球で、小さいものはリンパ球が担当します。

マクロファージは古く老廃化した自己細胞を細胞内に取り組んで消化処理する働きと、顆粒球とリンパ球に指示を出す役目をしています。

もう少し簡単に役割を説明すると、顆粒球は細菌と戦う専門家で、活性酸素を放出し化膿性炎症を処理します。

リンパ球は体の中に侵入してくる抗原に対して、武器をもって立ち向かう免疫力の主役です。

マクロファージは指示を出しながら自らも貪欲に何でも捕食し、仲間の死骸なども掃除してくれます。

ちなみに赤血球は酸素を運搬する役割を担っています。

●自律神経が白血球の割合を変化させる

自律神経には、昼間のような活動的な行動を行うとき主に働く交感神経 と、夜のリラックスした時間や就寝中に主に働く副交感神経 があります。

交感神経は、アドレナリンを出して血管を収縮させて顆粒球を増やして活動的にさせます。

交感神経の緊張が過剰になると、増えすぎた顆粒球が細菌処理を終えて自滅してしまいます。

このときに放出された活性酸素が周辺の細胞を強力に酸化することから、粘膜組織が破壊されて病気になります。

副交感神経は、アセチルコリンを出して血管を拡張させてリラックスさせ、リンパ球を増やします。

副交感神経が優位になると、増えすぎたリンパ球が小さな物にまで過剰に攻撃しようとする反応を起こして、アレルギー疾患になってしまうことがあります。

このことから、病気は自律神経の偏りによって引き起こされる ため、興奮とリラックスをバランス良くさせる生活をすることが大切です。

●冷たい物は免疫力を低下させる!?

人間は腸内が冷えると、口やノド、腸のばい菌が腸内の免疫細胞が集中しているパイエル板という所から白血球に入り込み感染症を発症させます。

腸が冷えると消化力が落ちて、未消化の物までが吸収されてしまうため、真っ先に免疫系がダメージを受けてしまいます。

そのため冷たい物は腸を冷やしてしまい、結果免疫力が落ちてしまいます。

ウイルスは一度感染してしまうと体内の遺伝子の中にまで入り込んでしまうため、一度治ったと思ったとしても、胃腸を冷やすと再び活動して再発してしまいます。

これが俗にいう風邪の『ぶり返し』 ではないでしょうか。

●健康には頭寒足熱

『頭寒足熱』とは字のごとく、頭は冷やし足は暖かい状態にしておくと良い、と昔から言われている健康の秘訣です。

これは横隔膜より上半身は温めず、下半身は冷やさないと循環が良くなることに一番の意味があると考えられています。

現在、私たちが生活している家では冷暖房が完備されていることが多く、一年中一定の温度の中で生活しています。

しかし空気を加工する冷暖房では室外と室内の温度差が大きくなります。

大人で10度以上、子どもで5度以上違ってくると自律神経のバランスが狂ってホルモンの分泌が崩れ、免疫力が低下してしまいます。

その結果、夏は暑さに弱くなって熱中症 になり、冬は寒さに弱くなって冷え性 などになりやすい体となっていってしまいます。

体は血管を収縮拡張させて、体温を調節できるような“適応力”を持ち合わせています。

そのためにも冷暖房に頼りすぎず、暑ければ一枚薄着になり、寒ければスパッツや靴下を部屋でも履くようにしたりと工夫して自分の体の免疫力を高めていってください。

【参考文献】

・『疲れない体をつくる免疫力』安保徹・著

●ライター/OHSAWA(理学療法士)

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