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ある日届いたラーメン10人前の嫌がらせに→夫「仕事上のライバルが…」、妻「ああ、不倫相手ね」

  • 2023.12.4
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頼んでもいないラーメン10人前が配達された。顔面蒼白な夫は必死の形相で言い訳を並べたてるのだが、その様子に妻はピンときた。それにしても、嫉妬心をあり得ない言動に変える人はいるものだ。
頼んでもいないラーメン10人前が配達された。顔面蒼白な夫は必死の形相で言い訳を並べたてるのだが、その様子に妻はピンときた。それにしても、嫉妬心をあり得ない言動に変える人はいるものだ。

平和に暮らしていたのに、ある日突然、誰かから嫌がらせをされるようになったとする。犯人は誰なのか。妻なら夫が浮気をしているのではないか、その相手がこんなことをしているのではないか。そう疑っても不思議はない。

世の中には「あり得ない」嫉妬の発露を行動に変える女性がいるものなのだ。

ラーメン10人前が届いて

夫と10歳になる娘と3人で暮らしていたエミさん(40歳)。不審な配達があったのは今年の初めだった。

「ある日曜日の夕方、近所のお店からいきなりラーメン10人前が届いたんですよ。うちはその店には行くことはあっても店屋物はとらない。お店のご主人が自ら『お客様ですか』って言いながら持ってきた。

頼んでないと言いましたが、さっき電話があったと。思わず夫を玄関先に呼び出したら、顔面蒼白になっていた。ああ、夫の関係者だなと思いました」

夫は「仕事上のライバルがこういうことをしたんだと思う」「オレが早く出世したから妬んでるんだ」と必死の形相で言い訳を並べ立てた。仕事上のライバルだったら、何か他の方法を仕組むのではないか、ラーメン10人前はすごく私的な嫌がらせに思えるとエミさんは言った。

「近所の店だし悪いから払おうと思ったけど、ご主人曰く、払うとまたやるから警察に届けたほうがいいとラーメンを引き上げようとしたので、とりあえず3人前はお支払いして置いていってもらいました」

ラーメンを食べながら、警察に届けるかどうか話そうと夫に言うと、夫はうんと言いながらもラーメンには手をつけようとしない。

あっさりと白状した夫

エミさんは娘が不審に思わないよう、いつも通りにふるまったが、その晩、娘が寝たあとに「どういうことよ」と夫に詰め寄った。夫はそれでも「だから仕事上の……」と言い張っていたが、エミさんがさらに「正直に言ったほうがいいと思うよ。こんなことになってるんだから。娘が狙われたらどうするのよ」と追いつめた。

「そうしたら『ごめん!』と叫んでいきなり土下座していましたね。ぼろぼろ泣きながら。勤務先の後輩である15歳も年下の女性と関係を持ったそうです。彼女が仕事でミスをして落ち込んでいたので食事をした。その流れでホテルに誘われ、1度だけという約束で関係をもった。

ところが彼女は『会ってくれないと会社にバラす』と迫ってきたので、もう一度だけ関係をもった。次にもう会えないと言ったらこうなった、と。そもそも恋愛ではないんだ、彼女に脅迫されているんだと言うから、だったら彼女を今すぐここへ呼べと言いました」

夜9時を回っていたが、夫に電話をかけさせた。スピーカーにして、エミさんは相手の女性に「私は妻ですから、こっちこそあんたを訴えますからね」と言った。バラされたらどうするんだと言う夫に、「様子を見て、明日朝いちばんで信頼できる上司か役員に相談しなさい」と叱咤激励した。

夫の相手がいきなり……

1時間後、夫の不倫相手がやってきた。

「玄関を開けるといきなり『ラーメンの件、申し訳ありませんでした』って。お詫びですとケーキの箱を差し出したので、『いただくつもりはありません。持って帰って』と言ったら、いきなり箱ごと私に投げつけてきたんですよ。

かわしはしたけど、箱が壊れて壁にケーキがべったり。さすがに夫も『いいかげんにしなさい。エミ、110番』と。すると彼女は笑いながら、『奥さんもエミって言うんですか。私もエミなんですよ。奥さん、ダンナさんはエミという名前なら誰でもいいんじゃないですか』と言って走って逃げて行きました」

警察に届けようと思ったものの、彼女も将来のある身。やはり翌日、夫は上司に相談することにしたという。

「翌日、夫が出勤すると、例の彼女は朝早く会社に来て辞表を置いてそのまま退職したというんです。夫は上司への相談をとりやめ、様子を見ると。でも怖かったですね。娘に何かされるのではないか、家に火でもつけられるのではないかと不安でたまらなくて。

結局、警察に相談しました。ケーキの件も壁にべったりクリームがついているところを写真に撮っておいたので、それも見せました」

娘にもしものことがあったら……

警察には相談だけで、相手への連絡はしないでもらった。だがエミさんは自身も仕事をしているだけに娘のことが心配でならなかった。とはいえ、事情をすべて近所に話して回るわけにもいかない。

「私、兄がふたりいるんですが、長兄の息子が東京でアルバイトをしながら人生を考え直したいと言い出して、うちの近くのアパートでひとり暮らしをすることになっていたんです。早めに来て、しばらく娘のボディガードをしてもらえないかと頼んだら『いいよ』と。彼は昔から柔道をやっているので、いざというときも頼りになる」

娘の登下校、学童への送迎などを彼に頼んだ。夫も極力、残業をせずに早く帰ってくるようになった。娘はエミさんの甥から護身術も習ったという。

夫は、浮気相手が親しかった同僚などから、それとなく彼女の行方を聞き出した。

「実家に帰っているとわかったので、一安心しました。ただ、いつ出てきて何をしでかすかわからないので、いざというときは実家と連絡をとる。そのときはあなたも刺し違える覚悟でいてよと夫に言ったら、『人は見かけによらないよね』と沈んでいました。

女を甘く見るからそういうことになると怒ったんですが、よく考えたら、私もバカにされたんだなと。自分の浮気で妻子に迷惑をかけるってどうよと言うと、夫はごめんって。妻はこういうことを許さなくてはいけないのかと、なんとなくモヤモヤしたんですが、当時は娘のことばかり心配していたので、自分の怒りまでは頭が回らなかった」

結局、何事もなく今に至っているが、逆に今になってエミさんは自分の怒りに目が向くようになった。

「夫は気軽に浮気したのかもしれませんが、世の中にはどんな逆恨みをする人がいるかわからない。肝に銘じておけと言いました。あれから夫は私の言いなりですが、それもなんだかモヤモヤする要因ですね」

忘れたいことを忘れられるとは限らない。これからも名前をつけがたいこの気持ちを抱えていかなければならないとエミさんは釈然としない表情で言った。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。

文:亀山 早苗(フリーライター)

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