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まさに一生もの 女性のライフスタイルをいろどる日本伝統工芸品

  • 2016.1.17
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「伝統工芸品」は、美術館で観賞するだけではありません。デパートの物産展やインターネットで入手できる、手ごろな価格の伝統工芸品も多くあります。

© Bananafish - Fotolia.com

こまめに手入れしながら使用する伝統工芸品は、まさに一生ものです。職人が丹精こめてつくりあげた工芸品は、美しさと実用性の両方を兼ねそなえています。装飾品ではなく、毎日の生活で使える伝統工芸品をピックアップしました。

■さめてもおいしい、曲げわっぱの弁当箱

はじめに紹介するのは、「曲げわっぱ」です。曲げわっぱとは、うすく削った板を円形状に曲げてつくる箱のこと。材料は、杉やひのきが一般的で、木目を生かしたデザインと、素朴な手ざわりに魅了されます。

風合いだけでなく、機能性のよさも見逃せません。天然素材のため、なかに入れるごはんや、おかずが傷みにくいのです。軽くて持ちはこびやすいのはもちろん、食材が硬くならずに、おいしくいただけるのはうれしいですよね。

木材の持つ水分を保持する性質や、弾力を利用してつくりあげる曲げ物。それは、わが国の風土と日本人の器用な手先を活かした、暮らしのなかの芸術品だといえるでしょう。

アルミやプラスチックの弁当箱を使っている方は、ぜひ一度曲げわっぱを試してみてください。

■使いこむとあめ色になる、柘植(つげ)の櫛

日本髪を結うときのイメージが強い「柘植の櫛」。絵巻物や美人画では、なめらかな髪をとかす場面は定番です。とくに舞妓さんが持っているような柘植の櫛は、手になじみやすく、使い心地がよいのが特徴です。

木材のなかでも、粘り気が強く割れにくい柘植は、櫛や将棋の駒に最適です。静電気がおきにくく、手や頭皮の体温と油分が伝わることで、長い時間をかけて美しいあめ色になります。

毎日使っていると、持ち主にあわせて少しずつ櫛の歯先が削れてきます。本人の髪質や頭皮のカーブに沿って変化していくため、オーダーメイドのようなぜいたくさが味わえます。

皇室御用達としても知られる京都の老舗「十三や」や、素材のよさに定評がある鹿児島の「喜多つげ製作所」がオススメです。

ロングヘアや髪が多くて太い方は、大ぶりで目の荒い櫛を選ぶといいでしょう。ボリュームアップさせたい方は、目の細かいタイプを選ぶのがコツです。

はじめに荒い櫛でおおまかな汚れを取りのぞき、次にこまかい櫛を通すと、頭皮のマッサージにもなり、髪もつややかになりますよ。

■肌触りのよい化粧筆

チークパレットを購入すると、付属のブラシがついています。近年では、どこの化粧品メーカーも品質が向上して、初心者でも簡単にグラデーションがつくれるようになりました。

美意識の高い女性なら、自分専用の化粧筆をそろえたいものです。よい筆はムラなく粉をふくむことができ、肌ざわりがやさしいのがうれしいところ。手の角度や力加減を変えるだけで、淡い色からあざやかな色彩までを自由自在に発色させることができます。

意外ですが、書道の筆をつくる職人が製作しているものに多くの良品が見受けられました。広島の「熊野筆」や「白鳳堂」は、いずれも毛質がよく品ぞろえが豊富です。ヤギやリスのやわらかな毛は、皮膚にやさしく、メイクの仕上がりがあかぬけます。

日本の風土と伝統がはぐくんだ職人技を、ぜひ毎日の生活に取りいれて活かしたいものですよね。

(有朋 さやか)

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