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結局、年齢なの?「出産したい女性」が知っておくべきAMHとは

  • 2016.1.5
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厚生労働省の調査によると、平成23年の平均初婚年齢は男性30.7歳、女性29.0歳。都道府県別では平均初婚年齢が最も低いのは男女とも福島県で男性29.6歳、女性27.8歳。最も高いのは東京都で男性31.9歳、女性30.1歳となっています。

これだけを見ると「20代は自分のやりたいこともあるし、普通なんじゃない?」と思われるかもしれません。しかし、実は今、結婚したカップルの6組に1組が不妊に悩んでいるという現実をご存知でしょうか?

そこで今回は、不妊で悩む女性の相談を受けてきた筆者が、妊娠を望む女性にはまず知って頂きたいAMH(アンチ・ミュラーリアンホルモン)についてご紹介したいと思います。

 

■卵巣も「老化」する

スキンケアにダイエットと見た目年齢対策には余念がない女性も、現実的に妊娠を意識するようになるまで全く視野に入らないのが“卵巣年齢”や“卵子の老化”。

卵子は胎内にいるときに原子卵胞というかたちでつくられ、生まれてからは新しくつくられることはありません。初潮を迎える頃からこの原子卵胞が活性化し、発育卵胞、前胞状卵胞、胞状乱闘、成熟卵胞と成熟されて排卵にいたります。

しかし、この発育卵胞の数は、25~30歳をピークに加齢とともに減少してしまうのです。この発育卵胞の数と比例しているといわれているのがAMH(アンチ・ミュラーリアンホルモン)です。

 

■卵子の数を保つ「AMH」って何?

AMH(アンチ・ミュラーリアンホルモン)とは抗ミュラー管ホルモンとも呼ばれ、胎児の性別を左右する働きがあるとして広く知られています。

ヒトの胎児は、最初の段階では男女どちらにもなる可能性があるります。しかし、ある程度発育すると性を決める遺伝子が働き、男の子の胎児からはAMHが分泌され卵管などを作り出す組織が退縮し、女の子の胎児はAMHが分泌されず卵管などが発達することで性別が決まっていきます。

そして、女性は初潮を迎える時期からAMHの分泌量が増え、卵胞数と同様に25~30歳に分泌量がピークを迎えるといわれています。さらに、AMHには卵子の数を適切に保つ働きがあることもわかっています。

 

■AMH数値が低くても「妊娠できない」わけではない

不妊治療で多く行われているのが“AMHの分泌量”の検査。AMHは前述の前胞状卵胞から分泌されており、さらにはAMHの分泌量の測定値と発育卵胞の数は相関関係にあります。そのため、AMH濃度を測定すれば、残っている卵胞の数や卵巣年齢を推定することができるのです。

そういわれると多くの人が「AMHの数値が低いと妊娠できないのでは?」と不安に思われがちです。しかし実はAMHの数値が低くても、“受精卵さえできれば”年齢に応じた妊娠率がでるといわれています。すなわち、AMHの数値は“残された妊娠可能な期間”を示す数値といっていいでしょう。

 

「結局、年齢なの?」という声が聞こえてきますが、そうです。残念ながら、妊娠だけは年齢に抗うことはできません。

ただし、AMHも生活習慣によって分泌量が変わることがわかっています。たとえアラフォーになっても、卵巣は冷えに弱いため温めること、規則正しい生活を送り、抗酸化、抗糖化などに努めることを意識すれば、その数値をある程度は維持できます。やはり、生活習慣には気を付けたいものですね。

【著者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ 10 FACE / shutterstock

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