どんなに貧乏でも、私が決して「ファストファッション」に手を出さない理由

巷にあふれるファストファッション。お手頃価格で流行りの服が買えるのはやっぱり嬉しい。…でも、本来はその低価格のカラクリだって把握する必要があるのでは?

多くの人が知らない、というより気にもしない“安い”の裏側ーー。「A Plus」に掲載されているDanute Rasimaviciute氏の記事を紹介しましょう。

価格の差には “人権問題”がからむ

私はニューヨークに住む20代の女性。ファッションやライフスタイル関連の記事を執筆するライターとして生活しています。毎月、家賃や光熱費を支払うと、お金はほぼ残りません。それでも、PinterestやInstagramに投稿されている可愛いセーターやお洒落なジャケット、素敵なブーツなどを見ると、なんとかしてそれらを手に入れたいという衝動にかられます。

しかし、本当にお金がなく、質素な食事で過ごしていても、H&MやGAPのようなお店では服を購入しないようにしています。たとえ、私が探しているようなアイテムがあったとしてもね。

GAPで15ドル(約1,800円)で買えるような無地の白Tシャツを、なぜ70ドル(約8,500円)も出して買う必要があるのか。きっと、あなたは不思議に思うでしょう。

答えはとてもシンプル。価格の差は品質の差によるものではありません。これは基本的人権に関わる問題なのです。

「あなたの服を作るために 仕事に行くところさ」

果たして、低価格の服が製造されている、その裏側はどうなっているのでしょうか?

数年前、私はカンボジアなどのアメリカへ衣類を供給している国を訪問しました。そしてその時、現実を知ったのです。

トゥクトゥクに乗ってプノンペンにある工場の前を通ったときのこと。そこには多くの女性を詰め込んだトラックが止まっていました。

「彼女たちはどこに行くの?」と、トゥクトゥクのドライバーに尋ねたところ、返ってきた答えは「あなたの服を作るため仕事に向かうところさ」。その時、私はH&Mの服を着ていたのです。

幸運にも欧米など比較的豊かな国で育った人たちは、食事にもほとんど困らず、十分な教育だって受けられます。そのような人たちから見るとトラックに詰め込まれた女性たちは、衝撃的で非人道的に見えるかもしれません。でも、私が見た光景はおそらく氷山の一角でしょう。

現在、カンボジアの縫製産業は急成長を遂げています。「In These Times」によると、縫製産業の推定従業員は約70万人。同国の輸出の80%を占めているのだそう。H&MやGAP、Marks & Spencer、adidasなど、大手ブランドの衣類を安く生産する場になっているのです。

NPO法人Solidarity Centerの指導者であるDavid Welsh氏は、「VICE」のインタビューでこのように説明しています。

「あなたが世界を見渡せば、どのような国で縫製産業が盛んであるかを理解できるでしょう。それらの国の多くは法律の規制が弱く、人々は貧しい。どのような悪条件でも喜んで働くのです」

カンボジアの非人道的な労働条件の証拠は、すぐに見つかりました。

2014年、国際労働組織のBetter Factories Cambodiaが実施した研究で、調査対象の縫製工場で働くうちの43.2%もの人が貧血に苦しんでいることが分かりました。

衣服関連の工場で働く人の家庭では、週の食費が平均約9ドル(約1,000円)ほど。1日に換算すると1.3ドル(約160円)というごくわずかなお金で生活しているのです。

また、Human Rights Watchの報告書によれば、多くの工場の従業員が残業を余儀なくされており、病欠などをした場合は、高額な罰金を支払わされるのだとか。

さらに、「GlobalPost」によると、多くの人が仕事中に工場で倒れたり、失神したりしている模様。その理由は正確には特定されていませんが、長時間労働や有毒ガス、栄養失調などとされています。

私たちはそんな過酷な状況で作られた衣類を低価格で購入しているのです。これらすべてが、あなたがわずか8ドル(約970円)でジーンズを購入するために起こっていること。

私たちにできることとは?

まずは、量よりも質を重視して購入することです。

The True Cost』によると、毎年約800億アイテムもの衣服が世界中で購入されており、これは10年前の4倍以上の数。でも、本当はそこまで多くの服は必要ではないと私は考えています。

安いジーンズを5本購入するなら、長く着用できる質の高いものを1本購入しましょう。個人的には、大手のファストファッションブランドでは買い物をしないことにしています。決して労働条件が改善されるわけではありませんが、少なくとも私の服は、公正な賃金を受け取っている人が作っているという安心感を得ることができるのです。

状況は少しずつ 好転しつつある

とはいえ、良いニュースもあります。大企業の多く、そうした労働条件に対する非難を受け始めたため、少しずつ改善しているというのです。

2015年1月、カンボジアでは繊維産業における労働者の最低賃金が10%上がることとなりました。労働組合が求めているものにはほど遠いものですが、正しい方向へと向かう小さな一歩になったのは間違いありません。

H&Mは、工場やその連絡先情報のリストを消費者に提供することで、状況をより透明化すると約束しました。さらに、将来的には労働者が公正な賃金を得るようにすることにも言及。大きな注目を浴びました。

変化はゆっくりと進行して起こるもの。些細なことでも、私たちが彼らを救うために、できることがあるのです。

たとえば、私はReformationやZadyなど、地域で生産している小さなブランドを選びます。誰がどのような状況で服を作っているのかが、率直にわかるから。また、ASOSによるGreen Roomは、毎シーズン世界中から供給された、環境に優しい持続可能な服を生産しています。そう、私たちには選択肢があります。

さらに、工場で働く人の労働条件を学び、彼らのために慈善団体に寄付することで、少なからず労働者を救うことだってできるはず。もちろんこれは、根本的な解決にはなりません。でも、寄付することで、私たちは“気遣い”を示すことができるのです。

Licensed material used with permission by Danute Rasimaviciute

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