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聖なる夜に。VOGUEのクリスマスカヴァー集。

  • 2015.12.24
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Illustrator: Gillespie Jessie

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1892年にアメリカで始まった『VOGUE』の歴史。もう100回以上のクリスマスを迎える中、ロマンティックな数々の表紙を生み出してきました。イヴの今日は、オーセンティックな気分に浸れる、クラシカルなイラストを眺めてみてはいかがでしょう。

今宵のギフトは何?(1911年)

女性イラストレーターのジェシー・ガレスピーは、1888年NYのブルックリン生まれ。父親が『Associated Sunday Magazine』の敏腕アートエディターであったことから、自身が活動するときは名字(ウィリング)ではなくミドルネームを使い、敢えて親子関係を隠していたという。影絵のように人物のシルエットを黒く描写するスタイルが特徴。このカバーでは、クリスマスを感じさせるギフトボックス等のディテールに読者の視線を集め、印象的なコントラストを作り出している。

キャンドルに願いを込めて。(1915年)

今からちょうど100年前に発行されたUS版『VOGUE』の表紙を飾ったのは、ヘレン・ドライデンの温かみのあるイラストレーション。1920年〜30年代に活躍したアメリカの画家で、1909年から1922年の13年間に渡り、『VOGUE』の表紙において数多くのイラストを手掛けた。シンプルで柔らかな曲線美と、時代を思わせる女性たちのファッションなど、クリスマスのシーンが優しい女性的な視線で描かれている。

アールデコな女のクリスマス。(1926年)

ウィリアム・ボリンは、このアール・デコ時代にコンデナストの多くのカバーイラストを手掛けた、ファッションイラストレーター。この頃からクリスマスにはジュエリーやアクセサリーなどをクリスマスギフトとして贈る週間はあったようで、宙に舞うジュエリーとそれを眺める赤い服を着た女性が「CHRISTMAS GIFTS MUNBER」と題されたカバーに収められている。

パールが放つ聖なる夜への輝き。(1927年)

1891年にスペインに生まれたエドゥアルド・ガルシア・ベニート。19歳のときに渡仏、1920年頃からファッションアーティストとしてコンデナスト社が契約する最も重要なアーティストとしての地位を確立した。彼の作品は、ピカソらが創始したキュビズム(立体派)の影響を受けたジオメトリックなフォルムが特徴。長い首と大きな頭部の女性像は、友人でもあったイタリアの画家兼彫刻家のアメデオ・モディリアーニの作風とも類似している。

マリー・アントワネットに想いを馳せて。(1912年)

マリー・アントワネットのようなローブドレスを纏った女性が手にしているのは、パールのネックレス。トレイの上には香水などたくさんのクリスマスギフトが並べられている。女性の衣装やヘアスタイルなど、細部に渡って丁寧に描きこまれており、生地の質感や色使いなども美しい。彼女が生きた18世紀の豪華絢爛な時代を彷彿とさせ、どこかユーモアも感じさせる1枚だ。

緑と赤、クリスマスカラーは永遠に。(1912年)

クリスマスのガーランドをまるでファーストールのように手に取り、こちらを見て楽しそうに微笑む女性のイラストは、前出のヘレン・ドライデンによるもの。立っている女性のシルエットと合わせるように、縦にあしらわれた「VOGUE」のロゴも斬新だ。緑と赤のカラーリングは、今でも共通のアイコニックなクリスマスカラー。ファッションイラストレーションに、程よくクリスマスのムードを投じている。

ピンクを纏った私が主役。(1914年)

ピンクんのワンピースを身に纏い、雪降る街でショッピングを楽しむ女性。たくさんのギフトボックスを抱えた後に続くドアマンたち。同じくヘレン・ドライデンによる1914年のUS 版『VOGUE』の12月のカバーは、2年前のそれよりもぐっと現代的な女性が描かれている。白いファートリムのファッションは、サンタクロースをイメージさせ、クリスマスの雰囲気を盛り上げる。

ミッドナイト・フェアリーテール。(1914年)

からだにクリスマスツリーをそのまま纏った不思議な姿は、まるでクリスマスの妖精! 作者不詳の作品だが、ディテールまで描き込まれた繊細なツリーやオーナメント、人物の衣装の光沢感など、細部からリュクスな雰囲気を漂わせる。女性の手のひらにちょこんと座ったリスもとってもキュート。女性の背後に浮かぶ月やイエロー×ブラックのコントラストが、聖なる夜のムードを醸し出す。

今年は何を買おうかしら?(1909年)

1853年生まれ、イギリス出身の水彩画家、ウィル・フォスターによるクリスマスカバー。ウィルも父も有名な水彩画家で本のイラストレーターとしても活躍をしていたという。水彩ならではの美しい陰影で描かれているシーンは、やはりクリスマスショッピングを楽しむ女性。腰に手を当てて立つセールスマンの前で、1つ1つをやや神経質そうに吟味している姿が何ともユニーク。

藍色の空に煌めく、ホワイトクリスマス。(1929年)

世界的に有名なフランスの画家、ジョルジュ・ルパップによるクリスマスカバー。パリでファッションイラストレーターとして働いていた彼が、1926年にコンデナスト社によってNYへ招かれた3年後の作品となる。白いファーの衣装を纏った女性が、両手に小さなクリスマスツリーを持ち、夜のような深い青の背景には、雪のような星のような煌めきが広がっている。対照的な構図の面白さやなど、アール・デコ調のデザインが当時のクリスマスを蘇らせている。

参照元:VOGUE JAPAN

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