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仕事がつらいときに救われるカミュの名言

  • 2015.12.20
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最近、分かりやすい哲学書がたくさん出版されていたり、イケメン哲学者・國分 功一郎さん出演のテレビ番組が人気を博したりと、哲学の人気がじわじわと広まりつつあるようです。

(c)Ivan Kruk - Fotolia.com

そこで今日は、ひとりの哲学者の残した言葉をご紹介しましょう。あなたの悩みを解決する糸口になるかもしれません。

「人生に意味などなければ、人生はずっと生きやすくなるだろう」

アルベール・カミュ

無性に寂しくなるこの時期、ついつい夜更かししてしまいいろいろなことを考えてしまいます。

「私、なんでこんなつらい思いまでして働いてるんだろう…」なんて問いが頭に浮かぶこともしばしば。

「本当に私がやりたい仕事は今の職場にはない!」「そもそも、今の職場は私のことを本当に必要としているのだろうか?」なんて思ってしまう人、いませんか?

特に自分の仕事が事務系の仕事だったり、職場で自分の能力が発揮しきれていないと感じていたりすると、

「この仕事、誰にでもできるんじゃないの?」「自分の存在意義って何?」「もっと自分の存在意義が見いだせるような職に転職したい!」なんて考えてしまったり…。

■人生とは終わりなき格闘!?

冒頭の言葉は、『異邦人』や『ペスト』の著作で有名な、アルベール・カミュの言葉です。

彼にとって人生とは、「本質的に無意味な課題を遂行しようとして営まれる、終わりなき格闘である」とのこと。

私たちは、人生が有意義だと思えないことには、生きていけない生きものです。その一方で、人生が無意味で不条理なものであることにも気づいています。

その訳は、いくら仕事を頑張ったって、数十年後に自分は死んでいるかもしれないからです。

「いやいや、子供達や社会のために頑張っているんです!」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それでも数十億年後には、地球はなくなってしまいます。

たとえ、その頃には、人類が別の惑星に移住していたとしても、人類が永遠に繁栄し続けることなどできないでしょう。

■終わることない課題を受け入れよう!

カミュは、『シーシュポスの神話』を取り上げて、この世界について述べています。

シーシュポスとは、ギリシャの王様ですが、神に逆らったことから非常に重い罰を与えられてしまいます。

その罰とは、冥界の山頂まで、巨大な岩を押し上げるというものです。

何がつらいって、その巨大な岩は、やっとのことで山頂まで押し上げても、山頂に到着した瞬間に、また冥界の底まで転がり落ちていってしまうのです。

そのため、シーシュポスは永遠にこの苦役を続けなければなりません。

カミュは、「シーシュポスは、この永遠に終わることのない課題を、『無意味なもの』として受け入れるべきだった」と述べています。

そうすれば、自由を見いだすことができたかもしれないと言うのです。

■人生には開き直りが大事?

カミュの主張は、つまりこういうことです。

「人生は無意味だし、不条理なものであるが、それを受け入れることでわれわれは自由に生きることができる」

確かに、開き直りが人生に活力をもたらすことは、多々あります。

現代でも自分の存在意義に悩み、転職などを考えている人は、もう少し今の職場で頑張ってみませんか?

今の世界(職場)の無意味さや不条理さが嫌で、別の世界(職場)へ踏み出しても、また似たような無意味で不条理な世界が待っているだけかもしれません。

一見、後ろ向きとも取れるカミュの主張ですが、カミュは「よく生きる」ためにはどうしたら良いかを考えて、このような主張にたどり着きました。

彼の著作を読むと、「自由に生きる」ということが、彼のキーワードになっているように感じます。

『ペスト』は、不条理な世界を描いた小説です。われわれがふと感じる「人生の無意味さ」や「世の中の不条理さ」とうまく付き合っていくためのバイブルとして、一度読んでみてはいかがでしょうか。

(サカマキ貝)

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