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風邪に強くなるってホント? 子どもの「冬の薄着」が健康に良いワケ3つ

  • 2015.12.14
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【ママからのご相談】

最近だんだんと寒くなってきていますが、子どもが薄着をしたがるので困っています。大人でもコートを着込むような寒さの中、肌着の上に薄い長袖一枚で外に遊びに行きたがります。 何回も上着を羽織るように促すのですが、「暑いから嫌だ!」と聞き入れません。風邪を引いてしまわないかと心配なのですが、子どもは大人が感じているよりも寒さに強いのでしょうか?

●A. 子どもが薄着で過ごすと、良いことがたくさんあります。

ご相談ありがとうございます。ママライターのあしださきです。

わが家の長男(6歳)も、ご相談者様のお子様と同じように薄着を好みます。「よくその格好で寒くならないなぁ」と心配する親をよそに、子どもは元気いっぱいに走り回っています。

しかし、よく思い出してみると、自分が子どもだったころ、祖父母に「冬は薄着で過ごした方がいいよ」と言われていた記憶があります。また、小学校のことはクラスに1人か2人くらい、冬でも半袖に半ズボンの男の子がいませんでしたか?

もしかしたら、“冬場の薄着”というのは、ただのおばあちゃんの知恵袋的なものではなく、論理的な根拠がある“健康法”なのではないかと思い、調べてみました。

すると、“冬場の薄着”は子どもにとって良いことだらけだということが分かりましたので、ご紹介させていただきますね。

●“冬場の薄着”が子どもに与えるメリット3つ

●(1)自律神経が強化される

京王八王子クリニックの末松隆子先生の見解によると、もともと人間は“暑さ”、“寒さ”に対して防御反応をとる機能を持っていると言います。

例えば、暑ければ、皮膚の血管を広げて血液の流れを多くし、体温を発散させようとします。逆に寒いときは皮膚の血管を収縮させて熱を逃がさないようにします。こうした外的要因などで体に変化が起きたとき、それを元に戻し、生体内の環境を常に一定に保とうとする体の働きを“恒常性”というそうです。

そしてその“恒常性”をつかさどっているのが、『自律神経』なのです。また、自律神経の反応を促す方法の1つが、肌で外気温の変化を感じることだといいます。すなわち薄着で過ごすと、皮膚は気温の暑さ、寒さを敏感に感じやすくなりますよね。薄着は自律神経の働きに良い影響を与えます。昔から「薄着が体に良い」と言われているのは、この理由だと思われます。

●(2)免疫力アップで風邪をひきにくい体になる

自律神経がバランスよく働いていると、免疫力が高くなります。風邪などのウイルス、細菌、ほこり、汚染物質などの体にとって有害なものを排除する防護システムが免疫です。つまり、薄着で過ごして自律神経の働きを鍛えて、結果免疫力がアップすると、風邪をひきにくくなるというわけなのです。

これは過去の調査でも明らかになっており、信憑性のある薄着のメリットといえます。調査によると、「薄着をしている者の風邪の罹患率は、日本人学童、日本人事務職員及び英国人事務職員のいずれの対象集団においても、厚着をしている者のそれより低いことが明らかにされた」とあります。

●(3)運動能力が向上する

岐阜聖徳学園大学短期大学部、松田繁樹氏によって作成された『子ども元気新聞』に掲載されている記事の中に、“薄着のすすめ”というものがありました。記事には「薄着生活をしている幼児は外遊びも多くなり、運動能力も高いと報告されている」とあり、薄着生活が子どもの運動能力に良い影響を与えているということも分かったのです。

●薄着生活の注意点3つ

いかがでしたか? お子様の薄着が意外にも、健康的な生活につながっていることがお分かりいただけたでしょうか。

ご相談者様のお子様のように、もともと自ら薄着で過ごすことを好んでいる場合は体温調節機能がすでに薄着でいることに慣れているのだと思います。

しかし、このコラムを読んでこれから健康のためにお子さんの薄着生活をお考えのママがいらっしゃったら、いくつか注意点があります。参考にしていただければ幸いです。

●(a)徐々に薄着に慣らす

急に着ているものを減らしては、体調を崩すもとになりかねません。真冬からいきなり始めず、徐々に慣らしてみてください。

●(b)首、背中は冷やさない

首は血流が滞りやすい場所ですから、ここを冷やしてしまうと全身が冷えてしまいます。また背中は、内臓への大切なツボが多くありますので、冷やさないほうがよいでしょう。

●(c)子どもが自分で脱ぎ着できる、薄い衣類を重ね着する

薄手の衣服を重ね着すると、空気の層ができるので暖かく感じます。また、暑いと感じたときに自分で調節できることは大切です。

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薄着のメリットを感じられる冬になりますように!

【参考リンク】

・快適で健康的着衣習慣形成のための着衣量の個人差に関する研究 | 奥窪朝子(大阪教育大学)/酒井恒美(山口大学)《PDF》(https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi1960/28/3/28_3_123/_pdf)

●ライター/あしださき(元モデル)

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